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代替ドープを試す 絹張りの作業性

 絹張り下地は結局代替塗料を3回塗って水が浸み込まない程度の塗膜が形成されたので終わりにします。出っ張ったところとハケから抜けた毛を取り除く程度にペーパーをかけました。
 一晩経つとセルロースセメントも自作塗料も弾力が残っているが粘り付く感じではありません。東邦化研のドープと比べても弾力がある感じです。昔、Uコン機をラッカーで和紙や絹を貼っていた時は乾いた後に割れる感じで塗膜が崩壊していたので期待が持てます。


絹について

 買い置きしてある絹の在庫調査をしました。

 手つかずの絹が赤、青、黄色、半分くらい使った緑、端切れが少々あります。青と黄色で仕上げると第二次大戦までの米軍機になります。別にアメリカが嫌いというわけではありませんが今回の機体は軍用機っぽくないので赤と黄色にします。追記:実際は赤と青になりました。動翼は赤、その他は黄色にします。黄色は枯れたススキの中に落とすと見つけにくいのですが動翼が赤なら発見は容易です。
 これを使い果たしたら高級F3A機用?に市販されている糊なしの絹を使うことになります。
 ところで模型飛行機の被覆はなぜ絹なのでしょうか。ナイロンとかポリエステルでもよさそうな気がします。帆布張りの実機はポリエステルを使っているようですし、外国ではUコンのコンバット機をナイロンで被覆するというブログの記事を見ました。薄手のポリエステルなら絹より安価になると思うんですけど。

絹張り開始

 セルロースセメントは乾燥後の収縮がそれほどひどくないことは実験済みですが自作塗料がどうなるかはわかりません。
 絹張りの強さを調整するドープサイザーの在庫はありますが、それが効くかどうかはわからないのでとりあえずドープサイザーなしで張ってみます。
 昔は動翼をくっつけた状態で絹張りするのが主流だったような気がします。僕も最初の2機くらいはそのやりかたで作りましたが後に動翼は別に絹張りする工法に替えました。

 エサキシルクの取説でも張り方の説明が変わっています。右の新しい取説はラジコン技術に載った製作記事をそのまま使ったようです。


 軽く仕上げるために色絹クリヤ仕上げですから絹の継ぎ目が目立たないようにします。

 翼端などの処理はどうしてましたか?今回は翼端が角ばっているので絹を引っ張って曲面になじませるのはちょっと苦しいと考えました。

 縁で絹をカットしますが、今回はカッターではなくペーパーでエッジをこすって絹を破りました。

 バルサの地が出たところに絹の端切れを貼り付けました。左は貼った段階の状態、右は貼った端切れをトリミングした後の状態です。継ぎ目はあまり分かりません。

 絹を張り終えて絹の周囲を塗料で固めた段階です。写真で光っているところは塗料が回ったところで絹の目はつぶれていません。この段階までは細かい作業なので屋内でやりました。

 飛行場で塗装作業を続けました。窓の部分で塗料が絹の裏側に回ると仕上がりが汚くなります。
 なぜ裏側に回るのかと言えば塗料を乗せすぎるからです。絹の目がふさがるまでの最初の3回くらいは少ない塗料を慎重に塗ります。少ない塗料を少しずつ塗るためにはシンナー(アセトン)で薄めて粘度を下げる必要があります。
 絹の目がふさがって塗料が絹の裏側に回らなくなればハケの運びが重くならない程度の濃い目の塗料で塗膜を作っていきます。


 絹張りは時間と手間がかかりますから一日では終わりません。この日は部分的にテラテラに光りだすところまで塗りました。回数にすれば絹の目がふさがってから4回くらいです。

使用感は?

 現段階では作業性の評価しかできませんが代替塗料の作業性はドープと同等と感じました。ただ、シンナーの代わりにアセトンを使っているので乾燥が早くてかぶりが出やすい感じです。もっともこれは塗料の問題ではなくてシンナーの問題でしょう。


 期待した「ラッカーうすめ液」は塗料がゲル状に固まるので使えませんでした。ウレタン塗料用のシンナーもだめでした。セルロースセメント用のシンナー(うすめ液)がありますからそれが使えるかもしれませんがお値段がちょっと・・・。ということで今あるもので工夫します。
 ハケが引っ掛かって塗膜が壊れない程度まで乾いた状態でアセトンをあまり入れない塗料で重ね塗りすると塗膜が柔らかい状態になります。こういう状態の塗膜になると(表現が難しい)アセトンでもあまりかぶりは出ません。


 強度と耐久性は完全に乾かなければわかりませんが作業性の観点からは十分ドープの代用になるんじゃないのという感じです。


 セルロースセメントと酢酸セルロースペレットを溶かした自作塗料を比較すると、セルロースセメントの方が粘度が低いのに樹脂成分が多いのか肉持ちは良い感じです(絹の目が早くふさがった)。自作塗料はハケ塗りができるまでアセトンで薄めなければならないので塗る回数が多くなります。ただし、絹を張り終わって絹の目がつぶれた段階での塗膜の差はあまり感じられませんでした。


 次はピカピカに仕上がるかを検証したいと思います。

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