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グロー燃料の自作(怪しいブレンド燃料)-2

アメブロから転載した記事です。アメブロに投稿した記事は、この記事を投稿する以前に削除しました。


 自作のグロー燃料の第2弾、自作の要領と使用結果です。


 一斗缶にひまし油4ℓを直接ぶち込むとあふれると思いますから(怖くて試したことはない)一回にオイル1ℓにアルコール4ℓの割合で作ります。計量カップ、ジョウゴ、一斗缶からアルコールを注ぐときの注ぎ口、できた燃料を入れる缶も必要です。できた燃料を入れる容器が空の4ℓの燃料缶であることを考慮し、燃料は2,500ccずつに分けて作って燃料缶2缶に入れてその後ニトロ分を調整するために市販燃料を添加します。
 Putoline Castor Rはご覧のとおりものすごい色をしています。ガソリンと20対1で混合しても色が付くように考えられているのでしょう。
2022-01-18追記:2022年1月現在、Putoline Castor Rは日本の取扱業者のカタログから落ちています。上野アメ横のカワチヤのひまし油に戻らざるを得ません。性能は同じです(僕の使用感)


 出来上がった燃料はこんな色になります。生のオイルより薄くなりましたがまだ青いですね。これを初めて見た人はみんな一様に驚きます。自作燃料に関係ありませんが銀色の缶はホームセンターで買ったペイント用の2ℓ缶、写真のポリのボトルは洗浄ビンを改造した給油ボトルです。GPカー用の給油ボトルは1000円を軽く超えますがこれは200円くらいです。
 今回はクロッツのレッドスペシャル20-20を、ひまし油500cc、アルコール2000ccに対して500cc添加しました。出来上がった燃料は20%ニトロが6倍に希釈された(合計3000ccに対して500cc)ということですから20÷6で約3.3%ニトロになります(計算は間違ってませんよね)。市販燃料を添加しても、自作燃料は4ℓ当たり2000円を切るので市販燃料よりかなり経済的です。


 自作燃料の使用感というか評価です。自作燃料を十年以上使っていますがエンジンに異状はありません。燃料代を安く上げるという目的は達成できています。


 経済性以外のひまし油入り自作燃料の長所を挙げます。
 まず、潤滑性が良いと考えられることです(定量的には表現できない)。合成油系を使っていた時はクランクシャフトを回したとき油膜が切れたような、きしむような感覚を受けることがありましたがひまし油燃料ではつねにヌルヌルした感じです。ベアリングが傷んでシャーシャー音がするエンジンにこの燃料を使うとシャーシャー音が無くなります。エンジンを壊さないという点ではひまし油系自作燃料は市販燃料以上ではないかと思います。
 実車のレース用にひまし油配合のオイルがラインナップされていることを見ればひまし油の潤滑性能は高く評価されているようです。
 日本ではひまし油燃料(又はひまし油含有燃料)は車用を除いてなくなっていると思いますが、ノバロッシのサイトを見ると「In our opinion the best luburicant is castor oil」と明記されていて、ひまし油が高く評価されていることがうかがえます。
 ストレート燃料のままで(市販の燃料を添加しないで)回すと低速運転の調整が微妙になりますが、市販燃料1、ストレート燃料5くらいの比率で混ぜれば(ニトロ3%くらい)低速運転の安定性はぐっと向上します。
 匂いもいいですね。70年代のUコン飛行機を飛ばしていた時の匂いです。


 欠点の第一は出力が落ちることです。ニトロメタンの割合が少ないので15%ニトロや20%ニトロの燃料より当然出力が落ちます。1万回転以上回るエンジンで300~400 r.p.mくらい最高回転が落ちますから飛ばしてみるとはっきり差が分かります。
 50%ニトロのボート用燃料を添加して15%ニトロにしても市販の15%ニトロの燃料より安くなりそうですがそこまでして出力が欲しいとも思いません。


 次の欠点はデポジットが溜まりやすいということです。燃焼室より上流側のエンジン内部は温度が低く、新鮮な混合気が流れてオイルが滞留しないのでデポジットは溜まりませんが、排気ポート付近やマフラーの内側、エンジンの外部のキャブの吹き返しが掛かり、高温になるシリンダーヘッドやマフラーの外側は手入れの悪いテンプラ鍋のように真っ黒けになります。4サイクルエンジンでは排気バルブへのカーボンの堆積が激しく、キノコ形だったバルブがタケノコのようになりました。また、排気マニホールド内側のカーボンの堆積もかなりなものです。このため、4サイクルエンジンに自作燃料を使うのは止めました(現用の4サイクルエンジンは燃費の良いENYA41-4Cなので市販燃料でもコストがかからない)。


 もう一つの欠点としてひまし油自体が放っておくとタール状というかニス状に固まることです。しばらく使わない予定のときは1タンク分市販の合成油燃料で運転したり、内側と外側をベンジンで洗ったりしてひまし油の成分をできるだけ少なくしています。ただし、100%ひまし油でなく、合成油が少しでも混ざっているとエンジンの固着は結構防げます。固くなったひまし油が合成油で緩んでいるような感じです。ノバロッシが飛行機用エンジンの燃料としてメタノール70%、ニトロメタン10%、合成油10%、ひまし油10%の配合を推奨しているのはこんなところからでしょうか。


 このほか、油膜保持性(吸着力?)が強いことは、機体の排気汚れが落ちにくいということと裏腹です。ネバつきが落ちないときはアルコールで拭き取らなければなりません。


 amazonか楽天かは記憶にありませんが、純メタノールを一斗缶で買ってヘリコプター用に使っている人が商品のレビューを書いていました。その人は「経済的に燃料を確保できてうれしい」という趣旨で高評価をしていました。似たようなことを考える人がいるもんだと思いました。こういう人が潤滑油やニトロメタンをどうしているか知りたいものです。

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