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ENYA 41-4Cにガスケットを入れたら? 実証編

 11月6日は快晴微風でENYA 41-4Cにガスケットを入れた結果を実際に飛ばして確認するのに好都合です。
 こてる32の機首ブロックの工作に区切りをつけて飛行場に出発しました。

ガスケットの効果はあったかな

 地上での最高回転はガスケットなしの状態では、全開にして数秒後に12,000r.p.mに達して十数秒後に11,800r.p.mくらいで落ち着きます。プロペラはAPCの10.5×6です。


 ガスケットを入れた状態での運転でどうなるかを記録に残すために動画を撮りました。

 全開にしてから数秒で12,000r.p.mに跳ね上がります。写真では121になっていますが、この数字が出るのは一瞬のことです。

 しばらくすると11,800r.p.mくらいに落ち着くのはガスケットがないときと同じです。疑い深い人はニードル位置が変わっていないことに注意してください。全開直後のこの程度の回転の落ちは熱ダレではなく、数分間全開運転してオーバーヒートで回転が落ちるのが熱ダレかもしれません。都合の良いように解釈します。
 地上運転では回転数の差は出ませんでした。圧縮比を減らしても出力の低下がないのは良いのですが異常燃焼は収まるのでしょうか。


 土曜日よりもニードルを2コマ絞って実際に飛ばしてみると垂直上昇をどれだけ続けても(150m以内で)異常燃焼の音がしません。
 この日は出席者が多かったのですが、みなさん会話に熱中しているのでどんどん飛ばす順番が回ってきたので午前中だけで4回飛ばしました。いずれの飛行でも異常燃焼の音は確認できませんでした
 土曜日の運転と日曜日の運転で変えたところはガスケットの有無とそれに伴うバルブクリアランスの調整だけです。気温・湿度もそれほど変わりません。したがって、ガスケットによって異常燃焼が抑制されたと考えてよさそうです。


 現象として異常燃焼の音がしなくなったのは事実です。ガスケット以外の要因は思いつきませんが(バルブクリアランスの調整?まさかね)本当にガスケットの効果なのかは個人的には納得できていません。
 プロペラの負荷はそれほど大きくないし、負荷が大きい地上運転で異常燃焼の音が聞こえないのに負荷が減る上空で異常燃焼の音が聞こえるのに違和感があります。垂直上昇では負荷が掛かると言っても対気速度ゼロの地上運転より負荷が大きくなるとは思えません。地上運転では異常燃焼に気が付きにくいのでしょうか。


 ともあれエンジンの調子が良いので久しぶりにナイフエッジループをやってみました。後ろで見ている人から「高すぎてよく見えなかったからもっと下でやってよ」とけしかけられましたがそういう無謀なことはしません。最後の1/4でどんどん高度が下がって恐ろしいので3/4回転までなら何度でもするのですが。

グローエンジンの燃焼室では何が起きているか

 異常燃焼つながりでアマチュアがいろいろ調べた結果をつらつらと書いていきます。情報量が多いのでシリーズ化するかもしれません。
 グローエンジンは、こういうものを作ろうと思って作られたものではありません。運転中の模型用ガソリンエンジンの点火系統を切っても回転が続く現象が起きる原因を調べて、プラグの電極が赤熱状態になって燃料に着火するからだとわかりそれを人為的に起こすためにグロープラグの実験を始めたそうです。米国のAMAが出している資料ですから本当のことなんでしょう。

https://www.modelaircraft.org/sites/default/files/ArdenRay.pdf
 グローエンジンでの混合気への点火は、火花点火機関でいうホットスポットが原因で起きる異常燃焼を通常の運転で起こすという仕組みということになります。
 こうなるとグローエンジンは異常燃焼状態で運転しているのが正常ということになります。


 調べてみるとグローエンジンの燃焼室での燃焼のメカニズムは最近になって理論づけられたようです。次回以降のブログでそうした文献を紹介します(こてる32の製作が行き詰ったらですけど)。

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