バブレスタンク 排気プレッシャー由来の排油の処理、実験不成立、脱線へ
バブレスタンクを使う上での問題は、僕の考えではタンクの外殻とバルーンの間に溜まる排気プレッシャー由来の排油の処理です。粘度の高い廃油が抵抗になって排気プレッシャーが通りにくくなっては困ります。
先のブログでも述べましたが、普通に使っている分には排気プレッシャーが高くなったり低くなったりのサイクルを繰り返すうちにバルーンと外殻の間の排油は排気と共に出たり入ったりします。また、給油の際に廃油はマフラーに排出されるので一定の量以上にはたまらないので問題にはなりにくいのですが、乳化した廃油の粘度が上がってスラッジレベルになると厄介です。実際にそういうことを経験していますから対策を考えておくことにします。
運転中に廃油を排出する方法、OS 55AXでは実験不成立
こてる61CXで不調になった時はその場しのぎ的に廃油を処理してうまくいったのですが正直運が良かっただけのような気がします。
普通に運転しているときに廃油を排出する方法をベンチテストで実験することにしました。エンジンは譲ってもらってから飛ばしたことがないOS55AXです。
OS 55AXにはアイドルストップスクリューがないのでアイドルリミッターをスロットルコントロールロッドの方に付けました。また、スロットルローターを外側に押すスプリングが入っていないのが気になるのでロッドを外側に引っ張る弱いテンションが掛かるような工夫をしました。手作り感があふれる仕掛けです。
まず、数分間高速回転が多めの運転をして粘度の高い廃油を溜めることにしました。
が、案に相違して溜まりません。
OS 46SFを回したときは1タンク(200cc)でこれくらい溜まりました。
それに対してOS 55AXでは300cc回してこのくらいです。排気プレッシャーのタンク側の出口がふさがれるほど廃油は溜まっていません。
このくらいしかたまらなければわざわざ積極的に廃油しなくても実運用に支障は出なさそうです(給油のたびに廃油が排出される)。
運転中の排気プレッシャーのチューブを見るとOS 46 SFで実験したときは排気プレッシャーチューブの中をオイルがじゃんじゃん行き来していましたがOS 55AXではオイルはほとんど流れません。
理由に思い当たるとことがあります。
排気プレッシャーのニップルを見るとこんな具合です。左は55AX、右が46SFです。55AXではニップルの入口(マフラーから見れば出口)がマフラー内部に突き出ているので内壁に付着して流れるオイルはプレッシャーニップルに入りません。ミストの状態のオイルだけが排気と一緒に入る感じです。
46SFではニップルの入口が内壁とツライチ(面一)ですから内壁を流れるオイルが入り放題です。しかもニップルの直後にバッフルが入っているのでオイルのトラップのようになっています。
思い起こせば昔のラジコン技術にニップルの入口はマフラーの内壁より突き出していなければならないということが書いてありました。中島得一郎さんの記事だったでしょうか。「そんなに影響はないだろう」と考えていましたが影響はあるのかもしれません。
脱線、ニップルの影響を調べよう
仕切り直しで対照実験をすることにしました。
OS 46SFで出口がツライチ(面一)のニップルと突き出しているニップルの二つで排気プレッシャーチューブ内のオイルの流れ具合を比べてみようというわけです。
ニップルの在庫を調べるとマフラーの内側に付き出させることができそうなニップルがありますがねじ山がM4(0.7mm)とかM5(0.8mm)です。OSのニップルのねじ山はM3.5(0.6mm)です。4mmのタップを切ることはできそうですがマフラーに傷をつけたくありません。55AX用のニップルを46SFに使えばいいのですが、55AXと46SFの両方を機体に載せる日が来たら運用に困ります。
ということでニップルを自作することにしました。
材料は3.5mmのねじとナットです。ネジに1.5mmか2mmの穴を通せば作れそうです。
ねじを合板にねじ込んで固定して穴を開けます。ボール盤のようなものはありませんから目分量です。
電動ドリルで2mmの穴を開けようとしてグイッと押し付けたら刃が折れました。
ピンバイスで深さ10mm以上の穴を鉄のビスに開けるのは無理なので(時間をかければできるだろうけど指にまめができる)リューターで1.5mmの穴を開けることにしました。
アルミ合金ならリューターでもサクサクと穴を開けられるのですが相手が鉄だとかなり苦しくなります。
もう少しというところで切れ味が悪くなったのでよく見るとドリルの刃が青く変色していました。無謀なことはしなければ良かった。
刃を交換して無事貫通させました。目分量にもかかわらずセンターがほぼずれていないのは奇跡です。
マフラーにセットするといい具合です。これでニップルの内壁突き出し仕様とツライチ(面一)仕様の対照実験ができます。
ドリルの刃を2本犠牲にしたことを考えると素直にニップルの予備部品を買った方が良かった感じです。