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OS FS-52S サーパスをいじる

 譲ってもらったOS FS52 サーパスを調べなおしました。せっかくのエンジンを遊ばせておくのはもったいないので機体に載せるためのチェックをしました。

キャブレターの向き

 ニードルバルブがエンジンの右側、排気管側に向いています。OSの愛用者なら気にならないのかもしれませんがサイドマウントで搭載したらマフラーが近いのでやけどしそうです。また、倒立にするとニードルのつまみが機体の左に来て操作しにくくなりそうです。キャブレターは裏返しにする(左右を入れ替える)ことができるのですが写真のとおりニードルバルブ関係が左側飛び出た感じになりますし、スロットルアームが機体の中心線に近づくのでリンケージに苦労すると思います。こりゃやめた方が良いと判断しました。

防錆油注入用ニップルの追加

 こんなことをしていると後ろ蓋におあつらえ向きのボスがあることに気が付きました。以前の4サイクルエンジンはOS、SAITO、ENYAを問わずブリーザーニップルがクランケースの後ろに付いていました。このボスもその名残でしょう。
 最近のエンジンがクランクシャフトの下あたりにニップルを付けているのはクランクシャフト回りで劣化したオイルが滞留することを嫌ったんでしょうか。カムギヤの潤滑にはよさそうです(ENYAでもそうなっているのはクランクシャフトベアリングの潤滑のためかな?)。
 ENYA41-4Cでは元からついていたクランクケース後部のニップルに加えてクランクシャフトハウジングにもニップルを付けました。ブリーザーニップルを2つにしたわけではなく運転中は片方は閉じておいて(開けておいてもいいんですけど)、運転後は両方とも開けて防錆油を注入するための入口と空気抜きにします。空気抜きがあると運転後のエンジン内部への防錆油の注入が楽になります。
 ENYA 41-4Cでの工作については「ENYA 41-4C 運用記 クランクケース換気システム 飛ばしたら問題発生→最終仕様」を参照してください。
 ニップルを二つにするのは僕だけではありません。ラジコン技術でも4サイクルエンジンでヘリを飛ばしている方がこんな工夫(僕なんかより高度なんですけど)をしていることを紹介していたと思います。
 OS FS-52Sでも同じことをしようと考えました。

 後蓋を外して下穴を開けます。センターがずれているのは目分量で穴を開けたからです。電動ドライバーの刃が2mm、4mm、5mmしかないので2mmの穴を開けました。正確には下穴の下穴です。手作業でちゃんと垂直に穴を開けるのはなかなか難しい。

 手持ちのニップルはM4ねじです。タップの説明書によれば下穴は3.3mmです。が、3.2mmしかありませんからリューターで3.2mmにします。いつもこれでやっていて大丈夫です。

 下穴が開いたらねじを切ります。ナメたらもう付け直す場所がなさそうですから緊張します。

 ニップルを付けます。液体ガスケットでシールするのですが液体ガスケットのチューブの出口は以前紹介したようにシリコンの硬化防止のために発泡スチロール用の接着剤で密閉してあります。「ラジコン飛行機工作の小技 いかにしてRTVシリコン系ガスケットの硬化を防ぐか」をご覧ください。

 手持ちのニップルは穴の口径が1.5mmくらいのものとピンホールレベルのものがありました。防錆油を流しやすくするためと、元からあったニップルの口径が太いことを考えて太めの穴のニップルにしました。昔のENYAエンジンではピンホールレベルの穴だったような気がします。
 言っときますけどこんなことをしても出力が増大するとかいうことはありません。

クラフト紙でガスケットを作る

 前のオーナーは後ろ蓋のガスケットを自作しています。きれいに切り出され、ネジが通る穴もきれいな丸になっています。とはいえややヘナヘナになっていますから作り直すことにしました。

 厚めのクラフト紙(手提げ袋)で作り直すことにしました。ガスケットを自作する人は多いでしょうね。僕に特別のノウハウがあるわけではないので作成過程の写真は挙げません。
 調べてみるとねじ穴の位置をマークするためにスタンプのインクを使うなどいろいろな工夫が紹介されて参考になります。実車のオイルパンのような複雑な形の部品のガスケットを自作する人もいます。

 ひとこと言わせてもらえば、ねじが通る穴をあけるにはパンチがあると便利です。別に手芸用品店の革細工コーナーで買う必要はなく、真ちゅうパイプで自作できます。左から2.6mm、3mm、5mmの真鍮パイプで作った(とは言えないほどの加工)パンチです。


 ところでこういう道具(punch)はパンチなんでしょうかポンチなんでしょうか。ドリルの刃を当てる目印を付けるのはポンチ、穴をあける道具はパンチと思っていたのですが穴を開ける道具もポンチという例を見ました。飲み物ではフルーツポンチは炭酸なし、フルーツパンチは炭酸入りという区別があると思うんですが。

FS-52S用のマフラーがあった

 マフラーを入れている箱をひっくり返すと使えそうなものが出てきました。一番上がOS純正、真ん中の組立済みのものはENYA 41-4Cに付けていてねじを馬鹿力で締めてクラックを入れてしまったK&Sのマフラー、一番下は今回発掘したK&Sマフラーの前半分です。下の二つから完成品を一つ作れそうです。
 K&SマフラーはOS純正より容積がわずかに大きくバッフルは入っていません。尾管の口径もOS純正の5.5mm(実測)に比べて6mmですから音は大きくなるかもしれませんが出力低下は少なくできそうです(入口と出口が偏心しているから消音効果もあればいいな)。

脱線、エンジンの防錆の勧め

 他人のことをとやかく言うのはどうかと思うのですが、グローエンジンを使い終わってそのままにしておく人が結構います。
 上の方に書きましたがニップルを2つにするのは防錆油を注しやすくするためです。
 エンジンを使い終わったら2サイクル、4サイクル問わず防錆の措置をしておくことを勧めます。競技に使うとかでなければ錆びさせさえしなければエンジンはほぼ半永久的に使えるんじゃないかと思います。


 最後の飛行が終わったらエンジンをフルスロットルでしばらく回してエンジンの温度を上げ、エンジン内部に錆の元になる酸性の水溶液や未燃焼の燃料が残りにくいようにします。十分温度が上がったらアイドリングにし、燃料パイプをつまんでエンジンが燃料切れで止まるのを待ちます。
 その後防錆油を注して油をエンジン内部に回しておきます。2サイクルではキャブから防錆油を注してプロペラをフリップすればよいのですが4サイクルではちょっと困ります。ブリーザーチューブから入れても下手にプロペラを回すと入れたはずの防錆油の多くが排出されたりします。そこでニップルを2つにするわけです。


 4サイクルエンジンと錆に付いて屁理屈をこねた記事もありますからご覧ください。
ENYA 41-4C 運用記 クランクケース換気システム 序章-1 防錆 - 年金生活フライヤーのブログ

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