ホイールパンツをピアノ線脚に付ける ブラケットの作り直し
ホイールパンツ自体はめでたく完成しました。「2000円くらいでも売れる」という高い評価(お世辞)もいただきました。
手前のOKのポリプロピレンのホイールパンツは優秀な製品ですが、僕の自作ホイールパンツのほうがパーティングラインがない、ピカピカ光っている、とかの分だけ高級感は勝っていると言えます(自慢タラタラ)。自分で設計しただけあって形も僕好みです。
これは事故時の再現画像です。この状態で着陸滑走したので右のホイールパンツがそりの代わりになったのですが言われなければ気が付かない程度の擦り傷が付いただけです。つまり強度も十分です。
新しいブラケットを作ろう
現有の機体でホイールパンツが付いていないのはピアノ線脚の機体だけで、カーボン脚の機体にはすでにホイールパンツが付いています。
せっかくできたホイールパンツを無駄にしないためにピアノ線脚に付ける工夫をしなければなりません。
脚に取り付ける部分は1mm厚のFRP板を仕込んであるので丈夫です(と思います)。問題は脚側です。
0.5mmの真ちゅう板ではピアノ線と接合する面積が足りません。写真のように接合部の面積を稼ぐためバリを残しておいたのですがこんなものでは焼け石に水でした。もう一回はんだ付けしても同じことが繰り返されるだけです。ロウ付けなら大丈夫じゃないのと言われましたがバーナーは持っていても銀ロウもフラックスも持っていません。
ホイールパンツの取付け部の状況を見たクラブ員によれば「ガソリン機ではアルミのブロックをホーローねじで脚に止めて、アルミブロックにスパッツをねじ止めする」とのことです。
アルミのブロックを切削して正確に穴を開けるというような道具も技術もありませんが、その理屈をまねして新しいブラケットを作ることにしました。
強化ブラケット
材料を見つくろうと内径3.2mmの鋼鉄製ホイールリテーナーがありました。これは使えます。
こんな鉄製のアングル材がありました。厚さは0.8mmくらい、0.5mmの真ちゅう板よりは丈夫でしょう。
とはいっても金切りばさみで切れるレベルですから強度は五十歩百歩かもしれません。
3.2mmの鋼鉄製のホイールリテーナーにこれをはんだ付けすることにしました。はんだが乗る面積はかなり広くなりますからピアノ線にブラケットをイモ付け状態ではんだ付けするよりましでしょう。位置決め用の団子の串にご注目下さい。太さは3mm強、1分(1/10寸)で作っているのか1/8インチなのかはわかりませんがぴったり合います。
はんだはちゃんと流れたようです。
はんだ付けが終わって余分なところを切り取ります。金切りばさみだと製品の方が曲がりそうですから気を付けます。このブラケットは外から見えますから金やすりでもう少しきれいにしなければなりません。
3.2mmのピアノ線でホイール、ホイールパンツ、ブラケットの関係をチェックします。非常にタイトです。もう少し余裕を持った設計にすればよかったとつくづく思いました。
ホイールを脚に取り付けたままホイールパンツの取り外しができることを確認します。
問題点があります。ブラケットの厚み分だけホイールパンツを外側に移さなければなりませんが今まで使っていた脚は軸の長さが足りないので使えません。
寸法的に長さ500mmの「さら」のピアノ線から片方分しか取れません。なんか1万円札を崩すようなもったいなさを感じます。
ジャンク箱をあさると落とした機体から外したのか、カーボン脚に交換したので取り外したのか、使えそうなものが出てきました。ピアノ線を曲げて新しく作るのは(僕にとって)難しいので助かりました。
自慢することではないのですが、僕が作る機体は似たような寸法なのでこういうことができます。
台風が通過したら実用試験ができそうです。
追記:ガソリン機ではアルミ削り出しのブラケットでホイールパンツを付けていると教えてくれた人によればホイールパンツはブラケットの外から被せるそうです。
実機もそうだよなと思いながら改めて調べてみると、模型用でそういうものがありました。
SIGの製品で、ブラケットはホイールパンツの中に隠れ、ホイールパンツは外からセルフタッピングビスでブラケット(製品名はWHEEL PANT MOUNT)に止める仕組みです。
形は僕のブラケットに似ています、というよりも、僕がかつてこういう製品を見ていて潜在的な記憶に残っていたので今回のブラケットを思いついたのでしょう。
僕のはホイールパンツ側に雌ねじを仕込んでいるのですがブラケット側に雌ねじを仕込む(SIGのはセルフタッピング)方がホイールパンツの工作が楽だし、取付け取り外しも簡単そうです。
次回は厚めのホイールパンツをつくり、これをパクってお手本に内側にブラケットを納める仕組みを試したくなりました。