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ENYA SS35 Ringの調整、ENYA 40XZのリベンジ

 せっかくベンチにセットしたのでENYA SS 35 Ringの調整をすることにしました。力比べの時はキャブレターは工場出荷状態で未調整でした。あまり回していないらしいエンジンですから慣らしの意味もあります。
 実際に飛行機に載せるときにも調整しなおさなければなりませんからベンチで調整しなくてもいいんじゃないかという指摘はごもっともですが手に入れたものはいじりたいのです。

調整前の細工

 調整の前にいろいろと細工しました。

エアフィルター(吹き返し抑制装置)

 キャブレターのインレットにこんな部品を付けます。13mmと15mmのアルミパイプを適当に切ったものです。13mmのアルミパイプの内径はキャブのインレット(11mm)にぴったり合います。

 エンジンに付けるとこんな感じになります。アルミパイプ同士を接着するのとOリングの抜け止めを作るのにJBウェルドを使います。キャブレターには万能接着剤で止めます。使用中は外れませんが外したいときはこじればむしり取ることができます。
 持っている2サイクルエンジンにはすべてフィルターを付けています。冬場の砂ぼこりが舞う飛行場でキャブの内側に砂ぼこりが付くのを見てこれを始めました。

 フィルターを付けたらこんな感じです。キャブの入口を指でふさいで燃料を呼び込むのには支障ありませんが直接燃料を入口に垂らしたいときはフィルターを外す必要があります。フィルターが付くところの口径が大きいためかフィルターを付けても回転数は変化しません。フィルターが素通しで役目を果たしていないからじゃないかとの疑問もおありでしょうが、害になっていないことは確かです。

 フィルターの素材は緑茶(紅茶でも良い)のティーバッグです。購入費は家計から支出されるので材料費がかかりません。フィルターの目が崩れなければ洗って再使用できます。
 このフィルターはYSを除く4サイクルエンジンには使えません。4サイクルエンジンで逆転するとキャブから噴き出す燃焼ガスで一発でナイロンフィルターに穴が開きます。
 ほこりのない空を飛ぶものですからエアフィルターなんか要らないと言えば要らないのですが倒立搭載で着陸であごをついたときなどに砂やゴミがエンジンに入ることを防ぐ効果は明らかにあります。キャブからの燃料の吹き返しを減らす効果もあります。マフラーやシリンダーヘッドに付着するバニッシュが少なくなったような気がします。

バニッシュの清掃、激落ちくんは微妙な効果

 ひまし油燃料で運転するとすぐにバニッシュが付きます。

 数百ccの運転でこんな具合になりました。キャブからの吹き返しとドライブワッシャから飛び散ったオイルが付着するのでしょう。
 アルコールと歯ブラシ、ペーパータオル、メラミンスポンジの「激落ちくん」で数分間こすりました。

 バニッシュからカーボンになる前ならかなりきれいになります。マフラーの上のものは激落ちくんです。激落ちくんは調理具の焦げを落すということなのでバニッシュやカーボンを取るのに役に立つのではないかと思って100均で買いました。
 が、バニッシュの除去にはアルコールとペーパータオル(ティッシュ)の方がはるかに役に立ちます。激落ちくんはアルミを削るほどの研磨力ですがバニッシュだけを削り落とすという芸当はできないようです。
 激落ちくんのサイトを見ると「金属製品は磨けば光るというイメージがありますがメラミンスポンジを使用すると表面が削れてしまうので、せっかくの質感が損なわれてしまうことも…」と書いてありました。
 お掃除関係のサイトを見てもステンレスのシンクにこれを使うと光沢が無くなるので使ってはいけないとありました。傷がつくのを許容するならマフラーの吸音材に使えるかもと思って買っておいたステンレスウールで良いかもしれません。

サブマフラーの排気漏れ対策

 サブマフラーの気密テストでは思いっきり息を吹き込んでも空気の漏れは確認できませんでしたが運転中は貫通パイプとアルミ缶の間の継ぎ目から油が漏れているようです。
 運転中に油が漏れるのは、サブマフラーの中のパイプの方が高温になる、パイプが伸びる、パイプと缶の間に隙間ができるという理屈によると見当を付けました。

 隙間が空いても漏れないように液体ガスケットでシールしました。運転してみると油漏れは解消されました。

高速ニードルの調整

 8月19日金曜日、メンバーがあまり来ない平日に調整しました。

 最高回転数は12,600 r.p.mです、というか12,600 r.p.mにしました。エンジンを壊したくないので高速ニードルを絞っていって回転が上がりきったところから4コマ戻したときの回転数です。
 液面の差でニードル位置が変わりますから燃料が空に近くなった時は12,700 r.p.mを上回りますがまだ混合気は甘い状態です。
 サブマフラーから油が漏れないので手がべたべたしません。

低速ニードルとアイドルストップスクリューの調整

 そもそもの話ですが低速運転の調整は飛行機に積んだ状態の方がはるかに楽です。
 ベンチで調整するときはベンチの横にうずくまってスロットル操作を含めすべての操作をしなければなりませんから翌日は筋肉痛になります。飛行機に積んでいればうずくまるのは始動のときと低速ニードルをいじるときだけで済みますから肉体的にかなり楽です。
 でも機体ができていないのでしょうがないですよね。


 出荷状態の低速ニードル*の位置では取説に書いてあるように混合気は濃い目というか濃過ぎの状態になります。メーカーとしてはユーザーがどんな使い方をするかわからないのでエンジンが始動しなかったり焼き付いたりしないようにマージンを取っているんでしょうか。
* ENYAは低速ニードルのことをエンジンの取説では「スローニードル」、TN型スロットルバルブの取説では「混合気調整ニードル」と書いています。書いた人が違うんでしょうか。


 8月14日の動画のキャプチャーです。工場出荷状態で低速回転させたときの絵ですが、生の燃料のしずくが出ているのがわかります。こんなに濃いとアイドルの回転数を下げられませんから低速ニードルを絞らなければなりません。


 低速ニードルを調整するときにスロットルが閉まりすぎてエンストすると手間がかかりますからアイドルストップスクリューでアイドリング時のスロットルを開き気味に規制します。
 ENYAのTNタイプのスロットルバルブには最近の(FX以降?の)OSと違って独立したアイドルストップスクリュー(ENYAの取説では「低速調整ビス」)があるのでアイドル時のスロットルバルブの開きを機械的に規制できて便利です。


 飛行機に積んでいればプロポのエンドポイント機能でアイドルのときのスロットル開度を増減します(僕の好みですがアイドリングのスロットル開度の調整にエンコントリムは使いません。エンドポイントの数字で掌握します。)。


 低速での混合気が濃いのか薄いのかは、しばらく低速で運転させてから燃料チューブを指でつまんで燃料供給を断つことで判定できます。燃料チューブをつまんで段々回転が上がっていくのであれば燃料供給が多すぎる、つまり、混合気が濃いわけです。つまんですぐに止まれば適正な混合気ですが実用的には薄すぎます。つまむとわずかに回転が上がってやがて止まるくらいがちょうどよい感じです。

Pinch test of ENYA SS 35
 実際には、低速にする、回転が落ちてくる、燃料チューブをつまむ、回転が上がる、燃料チューブを離す、回転が落ちる、なるほど混合気が濃いんだな、という感じで判定します。


 これはSuper Tigreの取説をパクったやり方です。日本でもやっている人はいるかもしれませんがネットで検索すると日本語ではこのような混合気の判定の仕方は出てきません(僕の調べ方が悪い?)。英語で"pinch test engine"で検索するといろんな情報がヒットします。


 この写真は低速ニードルをいじっているところです。安全のためエンジンを止めてから低速ニードルとアイドルストップスクリューをいじるので非常に手間がかかります。8月19日はそれほど気温が上がらなかったのでマシでしたがベンチでの調整は苦行というか拷問という感じです。あまりに苦しいので「これなら飛行機に載せてもどうにかなるな」くらいで区切りを付けました。
 僕のエンジンの場合ですが最終的に低速ニードルは工場出荷状態よりも1回転以上締めましたがまだ閉めなければならなそうです。このエンジンを乗せる飛行機ができてから調整を詰めようと思います。

ENYA 40XZのリベンジ

 ENYA SS35 Ringの調整に一区切りつけた後、ENYA 40XZを回してみました。

 8月14日の結果に満足できず、もっと回るはずだろうと思って時間をかけて高速ニードルを調整したら13,000 r.p.mをコンスタントに超えることができました。一時的に13,100 r.p.mまで行きます。
 8月14日に12,600 r.p.mしか回らなかったのは、高速ニードルを絞り切れなかったのでしょう。昔、絞りすぎでエンジンを壊したことがあるのでニードルを絞るのが怖いのです。
 8月14日の位置から絞りましたがまだ濃い目です。行程容積が大きいだけに同じ日に回したENYA SS 35 Ringより400r.p.m余計に回っています。

40XZ test run
 低速運転の安定性も調整未完のSS 35 Ringとは段違いです。小さ目のプロペラなのですがやや濃いめの混合気で3,000 r.p.m以下で回ります。

保管

 この二つのエンジンはベンチから降ろして保管状態にします。
 排油とひまし油をベンジン(灯油がないからベンジンを使っているだけです)でできるだけ流してから防錆油をエンジン内部に回しておきます。ビスの頭とか外に出ている鉄の部分は錆びやすいので油を塗っておきます。
 このエンジンは石油系の溶剤で侵されるものは使っていないと思います。取説にも「燃料又はガソリン等」で洗えと書いてあります。ニップルの蓋にしているシリコンチューブはベンジンで膨潤しますがただの蓋ですから問題ありません。

 保管にはジップロップ、又はジップロップでなくても密閉できるポリ袋(ビニール?袋)を使っています。乾燥材とかを入れた方がいいのかもしれませんが入れなくても錆びたことはありません。

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