車のちょっと丁寧なお手入れ
去年の夏、フロントグラスやヘッドライトが古ぼけてきたのに気づきました。ほっときゃ安全走行に影響が出るんじゃないかと心配になって車の手入れをするようになりました。
素人が手を出したら危ないことはディーラーに丸投げするとして、素人ができることと美観に関わることに手を出します。
洗車についてはネットでいろいろな情報が発信されていますが「ほんとにそんなことしなきゃなんないの」という疑問符が付きますからそのまま実践するつもりはありません。
青空駐車では洗車は最低でも1週間に1回、洗車は専用シャンプーを使って泡立ててやる、ワックスがけは月1回以上なんてことをやってられません。
塗装面は塗膜が朽ち果てないで最低限の美観を保つ程度にとどめます。具体的には水をはじかなくなる前にワックス(コーティング剤)を掛けます。
撥水剤(ガラコ)を塗りなおす
去年の夏、20年ぶりくらいに車の窓ガラスに撥水剤(ソフト99の「ぬりぬりガラコ」)を塗りだしました。雨水を弾かせるよりもガラスに皮膜を作ってウロコが付くのを防止するのが目的でした。
1回塗れば3か月くらいではまだ水をはじくのですが、ウロコ(スケール)の付着防止の観点から水を弾かなくなる前ということで年間4回撥水剤を塗ってきました。
今回はガラスのウロコを取って1年目ということでガラスに残った古い撥水剤をはがしてまっさらのガラスの上に塗りなおすことにしました。
撥水剤をはがすのに一苦労
撥水剤をはがすのに去年買ったウィルソンの「ガラス用ウォータースポットクリーナー」を使いました。
撥水剤を剝がした後に雨が降ったのですが、後ろの窓はこんな具合になりました。
撥水剤がはがれたところは水が貼りついています。
上下左右の縁と四隅で水がはじいているのは撥水剤が完全に剝がれていないからです。
四角い部屋を丸く掃く状態になっているのですがこういう部分はガラスの内側から塗装されていてそもそも内側からは見えないので視界には影響はありません。というのは言い訳で、作業の途中で根気が尽きて全部剥がしきれませんでした。
研磨剤入りのウロコ除去剤「ガラス用ウォータースポットクリーナー」は固いウロコ(炭酸カルシウムとかの無機質の水垢、スケール)を取るくらいなので撥水剤なんか軽く落とせるんじゃないかと考えたのですが予想と異なりました。
こすっているうちに液剤をはじかなくなれば一皮むけて撥水剤がはがれたしるしなのですがそこまでいくのが大変でした。まあ、撥水剤がしっかり付着しているということでしょう。
メタノールでもダメだった
前と後ろの窓ではウロコ除去剤で苦労したのでドアの窓では別の手を試しました。
「 ガラコは溶剤にIPA(イソプロピルアルコール、イソプロパノール)を使っていたよね」
「 ということはガラコはIPAで溶けるということだよね」
との予想の下、源平合戦のひよどり越えの「鹿も四つ足、馬も四つ足」ではありませんが、
「IPAもアルコール、メタノールもアルコール(メチルアルコール)」だから溶かせるんじゃないかという期待を込めて、メタノールで撥水剤(ガラコ)が剥がれるか試しました。
霧吹きで水をかけるとはがす前はこのように一様に水をはじいています。
スプレーボトルに小分けしたメタノールを窓の後ろ半分に吹きかけて・・・、
メタノールが飛ぶまでごしごしこすってからもう一度水をかけましたが・・・、
何の変化もありません。もっとこすれば落ちるかもしれませんがウロコ除去剤より楽ということはなさそうです。
撥水剤(ガラコ)はIPAには溶けるがメタノールには溶けないというんでしょうか。それとも塗ってから何らかの反応で硬化して溶剤に溶けなくなってしまったんでしょうか。
いずれにせよメタノールではだめだということが分かりました。結局、地道に「ガラス用ウォータースポットクリーナー」でゴシゴシこすりました。
・・・ガラコを塗るのは簡単でしたね。すべての窓を処理するのに乾燥時間を含めて20分もかかりませんでした。
塗装面以外の美観の維持
少し前のブログで「塗装部分、樹脂部分、ゴムのいずれにも使える製品がありそうですからイオンコートとアーマオールが無くなったらそういう製品を探すつもりです」と書きました。
塗装面用のイオンコートも樹脂用の手入れに使っているアーマオールプロテクタントもまだ残っているのですが、アーマオールプロテクタントが外装用には今一つの感じがしたのでとりあえずアーマオールプロテクタントの代替に使おうと言うことで僕が希望する「万能」の手入れ剤を調べました。
ワコーズのバリアスコートは僕には高級すぎます。「ガラス系」というのも引っ掛かります。ガラスにもいろいろ種類がありますが、無機物*であるガラスが有機物である塗膜に付着する理屈が良くわかりません。知識が乏しいのかもしれませんが良くわからないものは使いたくありません(貧乏人の負け惜しみかな?)。
* アクリルやポリカーボネートのような有機ガラスもあるんですけどね。
高官用の黒塗りの官用車*の操縦手は待機時間中の車の手入れにグラスターゾルを使っていました。これは格安ですがプロの運転手が毎日お手入れするためのケミカルのような感じです。一回吹き付けたら何か月も効果が持続するものではなそうです。
* カー用品店に米軍御用達の「プレクサス」が置いてありました。防衛省御用達のグラスターゾルと似たようなものかもしれませんが結構なお値段です。
調べてみるとよさそうな製品が見つかりました。
CRC5-56のクレで扱っているMade in the USAのスピードビードです。店頭価格で2000円を超えましたが651mlと大容量ですから同種の製品に比べてそれほど割高ということはありません。塗装面の他、ガラス、プラスチック、ゴムにも使えて汚れ落としの機能もあるという製品なので雑な手入れをする者にはぴったりな製品です。商品説明どおりならドアにワックスを掛ける時などは塗装面とゴムモールをいっぺんに手入れできます。
成分の界面活性剤はポリマーを水に分散させるためのものでしょうが洗剤としての効果も期待できます。
塗装面はまだワックス分が残っているので2回の台風でアーマオールプロテクタントがほとんど抜けてしまったプラスチックとゴムの部分にスピードビードを塗ってみました。
まずバンパー(材質はポリプロピレンだろうね)の未塗装部分です。
塗る前は白っちゃけていて縞模様(フローマーク)が出ています。
1回塗るとカサカサ感は改善されましたがテカテカに光るわけではありません。縞模様(フローマーク)は目立たなくなりますがまだ見えます。全体に黒くなったので古ぼけ感はかなり解消されました。
ワイパーの下の所(こういうところは何と呼ぶんでしょうかね?カウルトップパネル?)のBeforeです。ガサガサにはなっていませんが白っぽくなっています。
2回塗ったのですが、マシになったかなという程度です。
Bピラーのカバーと周囲のモールとゴムのウェザーストリップは塗る前はこんな具合。
塗った後の写真です。同じ写真じゃありません。肉眼で見ても多少マシになったかなという程度です。ゴムは干からびていたのがしっとり感は出ましたが、ピラーとモールのハゲチョロ感はほとんど改善されていません。
ちなみに、ガラスに写り込んでいる人物は気にしないでください。老眼なので近視用眼鏡をはずさないとスマホの画面が見えません。
白っちゃけた樹脂部分は新品同様にはなりませんし、コーティングがはがれた部分に新たなコーティングを掛けたような状態にもなりません。
スピードビードの説明書きには「劣化した面や再塗装面には使用しない」と書いてあるので僕の場合はすでに手遅れかもしれません。それでもこれ以上の劣化の進行を防ぐ効果があることに期待します。
劣化してからどうにかしようとするより劣化する前に予防する方が良いということでしょう。
次のブログでもスピードビードの使用感などを述べていきます。