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パイロット人形を作る-5、第一部は竜頭蛇尾

 「パイロット人形を作る」というシリーズですが実際は全然作っていません。

 エリーちゃんはヘアカットして胴体をちょん切っただけですから作った部類には入りません。
 「改造エリー」は顔を塗りなおす予定でしたが手持ちのトールペイント用の絵の具はプライマーを吹いても塩ビに乗らないことが分かりました。ダイソーのアクリル絵の具が使えるとの情報がありますがまだ試していません。
 竜頭蛇尾で終わらせないためには首と肩くらいは作らなければなりません。あと、自作の紙粘土の人形も作らなければなりません。

機体構造による制約

 全体のイメージの中で再現する部分の形をつかむため、設計図というのかスケッチというのか殴り描きというのか上半身から上の図面(絵)を描きました。
 こういうものを未経験者がいきなり描いてもうまくいきません。描くときは「人体、比率」というような語句で検索して絵画系や彫刻系のサイトで情報を集めた方が良い結果が出ます。とはいっても僕のレベルでは調べて描いてもこの程度です。
 腰から上を描いたのですが腕や胴体は再現できません。

首と肩(パイロット部)を作る

 パイロット部の骨組みに紙粘土を盛って首と肩を再現します。


 全くの想像で造形するのは無理なのでお手本を探しました。

 お手本の写真のひとつがこれ、ロシアの女流飛行家のスヴェトラーナ・ヴラジーミロヴナ・カパーニナです。最近の写真ですね。この写真ではスホイじゃなくてエクストラに乗っています。カパーニナは「キャパニナ」と表記されることが多いのですが、Светлана Владимировна Капанина/ Svetlana Vladimirovna Kapaninaですから「キャパニナ」は誤りです。ホンダを「ハーンダ」、SAITOを「セイトウ」と発音するアメリカ人が英語風に発音しているのを聞き取ってカナに起こしたのでしょう。
 カパーニナは1968年ソ連邦カザフ共和国(現在のカザフスタン)生まれで現在54歳です。僕が以前読んだインタビュー記事では、薬学部の学生時代に地元の飛行クラブに入ってパイロットのキャリアを始めたそうです。Wikipediaによればプロのパイロットになる前は薬剤関係の仕事もしていたようです。


 すでに脱線が始まっていますが、この下の小さい文字で書いてあることはさらに大きな脱線ですから模型以外に興味がない方は飛ばしてください。
 カパーニナはツェスカ(ЦСКА/ TsSKA、丁寧に発音すれば「ツェエスカー」)所属という話があります。ツェスカ(TsSKA)は「軍中央スポーツクラブ/Центральный Спортивный Клуб Армии/ Tsentral'nyy Sportivnyy Klub Armii」の略でロシア国防省管轄の組織です。ロシアの飛行クラブは国防省管轄の青少年教育組織が運営していますし、ロシアの有名な競技者がツェスカ所属ということはよくありますから多分本当でしょう。ちなみにロシアでは模型航空機の操縦やチェスもスポーツです。

 サッカーの本田圭佑もツェスカ(PFC CSKA)所属でしたね。サッカーチームのツェスカは「CSKA」と書きますが、これはロシア文字の「Ц」の
ローマ字への翻字の仕方の一種でロシアではこの翻字法が良く使われます。スラブ語圏のポーランドやチェコでは「ts」に相当する発音をラテンアルファベットの「c」で表記するのでなじみがあるんでしょうか。英語式の翻字法では「Ts」になります。PFCはПрофессиональный Футбольный Клуб/ Professional'nyy Futbol'nyy Klub = Professional Football Clubの略語です。
 ロシアでは民間企業(ソ連時代は国営企業)の他に省庁もスポーツチームを持つようです。ツェスカはサッカーチーム、ホッケーチーム、バスケットボールチーム等を保有しています(いました)。よくわかりませんが、サッカーチームはツェスカの名前を受け継いでいますが国営石油企業がスポンサーになったような説明を読んだことがあります。国防省とのつながりは弱くなったのでしょうか。


 話が大幅に脱線しました。
 カパーニナは50代のロシア女性にしては太っていないものの体力を使う仕事をしているので首や肩ががっしりしています。エリーちゃんもGに耐えられるように首を太くし、人力で操縦桿を操作できるように肩幅を機体の胴体幅一杯に広くします。

 使う材料はダイソーブランドの軽量紙粘土「ふわっと軽いねんど」です。人形が何人もできそうな量です。固まらせたらもったいないので封を切ったら未使用分はジップロックに入れておくべきでしょう。
 20年前くらい前に使った紙粘土「ふわふわかる~ん」はポリ袋に入れて輪ゴムで縛っていたのですが使おうとしたら完全に固まっていました。

 紙粘土を板状に伸ばしてパイロット部の骨組にくっつけていきます。紙粘土を伸ばすのには主翼のカンザシを使います。

「ふわっと軽いねんど」の使用感

 軽量紙粘土でパイロット人形を作るという作例はネットで数多く公開されています。「軽量紙粘土、パイロット」で検索してみてください。
 ラジコンファンの作品でも(「でも」は失礼ですね)市販品をはるかに凌駕するクオリティーの作品もあります。こうした方々の製作記事はためになります。本格的な人形作家(ドール製作者、フィギュア職人?)の高度な技術はちょっとマネできないですね。
 僕も自分なりの使用感をアップしてみます。「このやり方ではこの程度の出来になる」という実例を知る意味で参考になるかもしれません。


 20年くらい前に使った紙粘土「ふわふわかる~ん」は粘土っぽくて手にねばつきましたが、今回の「ふわっと軽いねんど」は粘土とはかけ離れた手触りです。手につかないのは良いのですが骨組に密着する感じはありません。
 「ふわっと軽いねんど」は反発力があるというか弾性があるというか、形を作ろうとしても跳ね返って元に戻る感じなので柔らかいうちは手でこねたりヘラ(スパチュラというとカッコいい)で押したりかき取ったりという感じで造形するのは難しい感じです
2023-02-07追記:普通の粘土と比べれば難しいのですができないことはありません。

 乾いた後で切ったり削ったりして整形してみることにして粘土を多めにくっつけて乾燥を待ちます。肩幅はもう少し広くしたいのですが両側の鉛筆のラインよりが肩幅を広げるとキャノピーに入らなくなります。

 裏側はこんな感じです。内側に仕込んだナットで胴体側の台に固定する仕組みです。


 乾いたらカッターやサンドペーパーがうまく効くか試そうと思ったのですが乾燥が遅くて先に進めません。

竜頭蛇尾

 乾いたところで触ってみると「ふわっと軽いねんど」は柔軟性があります。湿った状態でも乾いた状態でも柔軟性があるわけです。削って整形するなどということはできません
 密着性についてもオリジナルのポリプロピレンの胴体にもエポキシ処理した基部にも全然くっついていません。

 こんな感じで「脱がす」こともできます。これじゃ肩と首を造形するどころじゃありません。「ふわっと軽いねんど」の特性を生かした使い道はあるかもしれませんが僕の技術では人形の造形には無理じゃないのという印象です。
2023-02-07追記:骨組みにしっかりくっついていればフニャフニャ感が緩和されて切ったり削ったりできます。まあ、難しいんですけどね


気を取り直して頭だけで運用できるか確認します。


 頭部だけでも乗せることは乗せられます。こんな具合に取り外し可能になっている現時点では頭部だけの人形を、

 胴枠を挟んでセットし、

 キャノピーをかぶせて固定すれば雰囲気は出ます。

 胴体の中身を見ると受信機が邪魔ですが結構空間があります。別の材料を使って腕まで再現したもっとリアルな人形ができるかもしれません。


 「パイロット人形を作る」シリーズは頭しか完成しなかったという、まさに竜頭蛇尾な形で第一部が完結です。第二部は別の粘土で試してみます。現段階では精神的な打撃により作業に着手する意欲がわきません。


 話は変わって重量です。

 エリーちゃんは頭だけで約16g、

 取付け部を含めると約20gです。ちょっと重いですね。最初から自作の頭ならもっと軽くできるかもしれません。
 ハッチを含めると約60gです。スタイロフォームのキャノピーのハッチは約30gですから30gの重量増です。
 価値観の問題ですが、軽めのスピンナー1個分の重量増ででリアル感が増したと満足すべきかもしれません。

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