低オイル燃料の先駆け
模型エンジンについてYouTubeにアップしている人がいます。
ほぼ週1レベルでアップしているDavid McIntire(デビッド・マッキンタイヤーと読むのかな?よくネタが尽きないな)さんのチャンネルに1960年代末頃のFoxエンジンのレビューがありました。
Fox 74 RC Redhead A Quick Look
エンジンはFox 74R/C用です。
プラグが二つ付いてますね。OS Max 80は縦に並んでいましたがこのエンジンは横に並んでいて高さが違います。動画の最後の方でFox 60R/CとFox 74R/C用のマニュアルが紹介されています。取説では非常に細かい指示がされています。
低オイル燃料の先駆け
その中で懐かしい低オイル燃料の先駆けのような記述があります。
かいつまんで言えば、このエンジンは少ないひまし油でも回ることを考慮して設計され、1ガロンの燃料を1ガロンのメタノールで割る、つまりオイルの量を半分にすると素晴らしかったそうです。ひまし油を4%にまで減らしても回る、ただし10%以下にするとシリンダーの摩耗が大きくなるそうです。
20年くらい前に提唱された低オイル燃料がそれより30年以上前にエンジンメーカーで試されていたわけです。当時のことですから環境のためではなく費用の節約のためだったのでしょうが当時のオイルは当然自然由来のひまし油です。それを半分以下にするのですから環境にも非常に優しいことになります。
ところで低オイル燃料(低オイル・低ニトロ燃料)とは何だったんでしょうか。出発点は環境問題だったような気がしますが、誰か(燃料メーカー?)の得にならなければあれだけの動きにはならなかったような気がしますけど。
推進する側の記事のリンクはこの通りです。ラジコン技術に掲載された記事でしょうね。
http://www.rc-tech.co.jp/msb/pdf/low_oil.pdf
低オイル燃料に見切りをつけた人の記事がありました。20年以上前の記事が残っているのはすごい。
http://www.torisan-i.com/kigatuitakoto/teioil.html
僕のクラブでも使ったことがある人がいて特に問題もなかったようでしたが低オイル燃料は主流にはなりませんでしたね。
今では飛行機・ヘリ用ではYSのサイトにBlack Special ECO 25-10が、クロッツのサイトにオイルに10%の燃料が出ているだけのようです。エンジンメーカーも低オイル燃料は推奨していませんでした。
もっともエンジンが壊れない限りオイルが少ない方が回転抵抗が減るのでできるだけ減らすという方向性はありでしょう*。
* あやふやですが、ENYAの取説で「オイルの混合率が多すぎる燃料では低速運転が安定しない」とか「オイルの比率を15%に下げると低速安定性が良くなる」とかいう記述を見た記憶があります。
ところで4万回転近く回す車用エンジンの燃料がオイル12%とか15%なのはなぜなんでしょうか。レースの途中で焼き付いて止まらなければ寿命は犠牲にしてもいいんでしょうか。
それにそもそもの話ですが環境に配慮するなら低オイルより低ニトロを優先すべきだったんじゃないですかね。オイルは煙いだけですがニトロメタンが燃えれば窒素酸化物が出放題です。
僕のようにひまし油系の低ニトロ(3.3%)燃料を自作するのが一番環境にやさしいということになります(本当はお金がもったいないからなんですけど)。
付けたし、50フライトごとにエンジンを降ろして点検?
手入れについても細かい指示があります。50回飛ばしたらエンジンを降ろして整備するのが良いと勧めています。その際、「最近プラグを交換したのでなければプラグを両方とも交換しろ」と書いてあります。
50回飛ばすごとに1回エンジンを降ろすということは、10~20回飛ばしに行ったら、又は5~10リットル燃料を消費したらエンジンをおろすという頻度です。僕の基準では多すぎるんじゃないのという感じです。カウルを外せばエンジンがむき出しになるような仕様(僕の機体はたいていそういう仕様)にすればエンジンを降ろさずに点検できるんじゃないでしょうか。
僕はエンジンをいったん積んで運用を始めたら、機体を修理するときにエンジンが邪魔になるとか以外はエンジンを降ろしません。
50フライトでプラグを交換というのもFoxが自社のプラグを売るための計略のような気がします。