自作ホイールパンツを作り直す シリコン雌型の作成、序章
石膏の雌型は乾燥中です。
日中の車の中は50℃くらいにはなるでしょうから陰干しよりも早く乾燥するでしょう。
石膏型は完全に乾燥させたうえでエポキシを浸み込ませて強化し、欠けたところなどの欠陥を修正し、ラッカーで表面を平滑にする必要があります。
その間にシリコンの雌型を作ることにします。
シリコンの雌型に注型して製品を作るのは趣味の世界でよく行われている手法です。
ラジコン機のカウルなどをシリコン型利用のFRPで作っている人もいるので「オレもやってみよう」という気になりました。
初めてやることなので成功する自信はありませんがお付き合いください。
専用品は使わない
注型用のシリコン樹脂は高いんですよね。せっかく買って今回の実験が失敗すれば無駄になってしまいます。代替手段を探しました。
チューブ入りのシリコン系コーキング剤は注型用のシリコンよりも割高ですがコーキングガン用の製品はびっくりするほど安価です。
手芸関係ではコーキング剤にコーンスターチや小麦粉を混ぜたりして粘土状にしてハンドクリームやタルクをまぶした母型を押し付けるという手法があります。このやり方を採用はしないものの雌型として使っている人はいるわけですから心強く感じました。
成分表的なものはありませんが匂いはチューブ入りの製品と似ています。硬化中にメチルエチルケトオキシム(MEKO)が出るのもチューブ入りの製品(コニシのバスボンド)と同じです。
セメダインのサイトに詳しい製品情報が載っています。アルミとガラスに対する接着力が強力なようです。こういうことを公表してくれるのはありがたいですね。
離型は?
型どり用のシリコンは母型に食いつきにくいようですが、同じシリコンのくくりでもコーキング用のシリコンは接着力が強力でしょうから離型の処理を確実にしないと型と一体化しそうです。
コーキングガンを使わないチューブ入りのバスコーク(商品名)は主翼と胴体の隙間を埋めるためによく使ってきました。石けんで離型できることは経験済みです。
シリンダに入っているコーキングガン用の製品とチューブ入りの製品の単位容量当たりのお値段にかなりの差があります。それだけ差があるということは成分が違う(匂いは似ているけど)、したがって離型材として石けんが効かないということになるかもしれません。とは言ってもいい知恵が浮かばないので石けんも離型剤の候補になります。
実験
離型材が効かなくて雄型とシリコン型が一体化したら困るので実験することにします。
雄型の土台の部分で左から①ワックスの上にPVA、②ワックスの上にカリ石けん、③ワックスだけの3つの仕様を試すことにしました。
離型剤がしっかり乾いてから押し出す練習を兼ねて盛ってみました。うまく押し出せば泡を噛むことなく盛ることができそうな感触を得ました。本番でも成功すればいいんですけど。
これだけの大容量(330ml)の製品を使い切りにするのはもったいないので口とノズルの周辺に密閉措置を施しました。発泡スチロール用の接着剤を塗っただけですけどね。シリコン系の液体ガスケットで効果があった方法です。
次の工程は?
シリコンの離型の実験が終わらなければ次の工程に進めません。石膏型も作業がストップ、シリコン型も作業がストップの状態です。
焦ってもしょうがないので日曜日は作業をせずに石膏の乾燥とシリコンの硬化を待つことにします。