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自作ホイールパンツを作り直す 石膏雌型の作成① 脱型まで

表面仕上げ

 塗装してから2晩過ぎた塗面はカリカリにまではなりませんが水ペーパーを掛けられるくらいにはなりました。
 スプレー塗装が終わった状態で結構きれいな状態になっているので石膏型が食いつかない程度にゴミやでっぱりをなくします。

母型のワックス処理

 母型を土台に取り付ける前にワックス処理をします。

 塗る、乾かす、磨くの工程を4回繰り返しました。ペーパーの目は埋まったという感じです。

雄型の組立て

 雄型と雌型を離型するときに母型が雌型にもっていかれないようにしっかり取り付けなければなりません。土台の裏側から木ねじで止めるようにします。

 母型の位置を決め、ねじ止め用の下穴を開けます。

 土台の方にもワックスをかけます。光っているところがワックスを3回塗ったところです。ペーパーの目は埋まっています。

 母型の周囲に両面テープを貼って土台に止めますが、これは母型と土台の間に石膏が入り込まないようにするためのもので母型よりわずかにはみ出すようにします。注記:後になって分かりましたがはみ出させても何の役にも立ちませんでした。

 ネジと両面テープを使ってしっかり固定するのは母型が雌型に持っていかれないようにするためです。
 この工夫が良いものかどうか確信は持てません。土台に接着しても良いかもしれません。
 結果的には石膏型の作業なら木ねじ止めの必要はなかったようです。

水防工事

 石膏が流れ出ないように土手を作ります。

 角材を土台の表面に、クリヤファイルを土台の側面に両面テープで貼り付けます。両面テープは石膏の漏れ止めの役目も果たさせます。土手が決壊すると大惨事になりますから外側をボール紙で支えます。土手の隙間の石膏が漏れたり決壊しそうなところはグルーガンで固定します。このグルーガンはダイソーで220円で買ったものですが結構役に立っています。

離型材塗布

 カリ石けんのハンドソープをハケで雄型全体に塗りこみます。

 ハンドソープですから泡の状態で出てきます。半乾きになってからハケでなでれば泡は潰れます。

 塗る、乾かす、ペーパータオルでならすという工程を4回繰り返しました。

石膏作業

 今回使う石膏は1㎏に対して水1ℓと指定されています。一方、これまで使っていた吉野石膏の製品は石膏1㎏に対して水750cc(750g)でした。石膏の化学式は同じなのに製品によって水の量が違うのはなぜかと思って調べると、吉野石膏のサイトでは高級で高強度な製品ほど水の比率が小さくなっていました。
 どうも水の量が多いほど石膏がスカスカになるようです。スカスカになって強度が下がっても表面にエポキシ樹脂を浸み込ませて固めるつもりなので問題ありません。説明書の通り石膏1㎏に対して水1ℓ(1kg)で作ることにします。
 水の温度が高いと硬化が早くなりますから冷蔵庫で冷やした水を使います。

 雌型の容積を計算すると出来上がりの体積は500ccくらいです。余裕を見て石膏400g、水400ccで作りました。石膏は紙コップとポリの容器に100gずつ量りました。

 使い捨ての塗料用のポリ容器に水を400cc入れて、石膏が少しずつ水に沈むように水面に振りかけるように加えていきます。石膏をどさっといっぺんに投入すると泡ができるしダマもできるしで収拾がつかなくなります(経験済み)。
 石膏がすべて水に浸ったら泡が立たないように、だまができないようにかき混ぜます。平たいヘラのようなものや割りばしでかき混ぜると泡ができやすいので太めの丸棒(今回は主翼のカンザシ)で静かにかき混ぜたところ泡を巻き込むことがありませんでした。
 400ccの水に400gの石膏を全部入れると容積は500ccをわずかに超えるくらいになりました。撹拌を始めると水と石膏が混じっているのは350ccくらいのラインまでで、上の方は石膏の粉が水に舞っている状態です。
 結果論ですが石膏1㎏に対して水1ℓ(kg)ではなく、この製品も石膏1㎏に対して水800ccくらいでよさそうです。


 とろみが出はじめるまでかき混ぜるのがセオリーですが4分かき混ぜてもとろみが出ません(水を冷やしすぎたかな?)。石膏と水が混じっている部分と石膏の粉が水の中に舞っている部分が一緒になることもありませんが見切り発車で流し込みました。

 計算通り枠のわずか下まで石膏が流れました。しばらくするととろみが増すとともに表面に水が浮いてきます。水を吸い取ったり厚みが足りなさそうなところにとろみの出た石膏を回します。

 順序が前後しますが石膏を流し込んだ直後に泡を抜きます。今回は電動ドリルにマイナスドライバーのビットをつけて型の隅に当てて振動させる仕組みです。振動させるというか揺さぶるという感じです。2分くらいゴトゴトと動かしました。
 細かな振動を発生させるエロチックなマッサージ器具を使って脱泡している動画もありました。歯科技工士用に「振動機(器)」という専門の道具あります。

型から外す

 石膏は硬化するとき体積が増えるそうです(吉野石膏の受け売り)。ポリエステル樹脂が硬化すると収縮するのとは違います。これが本当なら今回のように雄型の外側を囲むような形だと型から外すのが楽だということです。また、外側の枠は早めに外した方がよさそうです。

 石膏が崩れなくなる程度まで硬化が進んだ段階で土手を外しました。弱めの両面テープを使ったのは正解でした。
 硬化が進むとほのかに暖かくなります。石膏が厚いところが先に暖かくなるような感じです。全体が暖かくなった段階で石膏を外しました。メリメリという感じではなく、ボコッという感じで外れます。本当は冷めてから(反応が終わってから)脱型する方が良いようです。

 成功の部類でしょうか。ホイールパンツの輪郭に縁取りが見えますが両面テープの跡です。両面テープは輪郭ギリギリに切った方が良かったかもしれません。

 細かく見ると気泡は巻き込んではいませんが石膏が雄型に持っていかれたところがあります。修正は簡単そうです。

 雄型に石膏が残っています。縁の部分の脱型が少々微妙ですね。
 母型自体が雌型に持っていかれるのではないかとの心配は杞憂でした。雄型は掃除すれば再使用が可能です。シリコン製雌型の試作にも耐えられそうです。


 硬化前の石膏を下水に流すと大変なことになるそうですから余った石膏は固めてから燃えないゴミとして捨てます。

今後の作業 

 石膏型になにも表面処理せずにFRPを貼り込むと悲惨なことになります(経験済み)。完全に乾燥してからエポキシ樹脂を浸み込ませて強化し、ラッカーを塗って平滑にしなければなりません。
 その前に型に残っているかもしれないカリ石鹸を洗い流す作業もあります。


 吉野石膏のサイトによると、乾燥に必要な時間は通風の良い室温で1週間、50~60℃で24時間だそうです。乾燥させるとき70℃の環境に長時間さらすともろくなるそうです。車の中は70℃以上にはならないでしょうから2~3日車の中に置いておくことにします。


 このような理由でFRP作業はかなり先になります。石膏型が乾くまではシリコン雌型の作業でもすることにします。 

閑話休題:義務教育の敗北

 他人のことは言えないのかもしれませんが愕然としたことがあります。
 石膏作業をするにあたり、石膏の量、水の量、完成した製品の容積の関係をネットで調べていると一般向けのQ&Aサイトに「石膏の水の割合について、2㎏だと約1700ccの石膏の場合500gだと何ccですか」という質問がありました。
 何を聞きたいのかはわかりますがもう少し分かりやすい日本語にした方がいいですね。質問内容は小学校レベルの算数です。
 「500gは2kgの4分の1なので1700ccを4で割る」という回答がベストアンサーでした。質問者が回答を理解できたようなのがせめてもの救いです。

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