FRP製品の雄型をスタイロフォームで作る② 新型カウルの雄型
こてるRCGFのカウルが飛行中に外れたことを記事に書きました。オリジナルのバルサ骨組みにスタイロフォームを積み上げて作ったカウルはまだ無事なのですがFRP製のカウルを作ってみる気になりました。
このカウルについては以前のブログで新シリーズにすると予告しています。
スタイロフォームで原型(雄型)を作るのですが、いろんな作例を見習ってスタイロフォームを樹脂とガラスクロスでがちがちに固めることにしました。
50mm厚のスタイロフォームを2枚重ねて100mm厚にしたブロックをカウルのシルエットを写した型紙で挟んで切り出し、胴体幅に合わせて薄くします。
長方形断面になったブロックを整形するのですが、削りかすが大量に出るのでゴミ袋の中で削ります。
こんな感じになりました。スタイロフォームだけあってここまでの加工は非常に楽です。でも、このままでは原型にはなりませんから強化しなければなりません。
ここからが面倒くさいんですよね。
グラスを貼るのですが製品を作るわけではないので、こういう時のためにとっておいた端切れを使います。樹脂はお手頃価格のセメダイン1500です。
今回はクロスが跳ね上がらないようにラップテープというものを使ってみました。こういう単純な形では効果を発揮します。
グルグル巻きにしたラップテープをはがすとクロスは密着していましたがしわが出ています。切り出しで削るとクロスがしわになっているのではなく、ラップのしわに樹脂がたまっただけのようでした。
ラップの引っ張りに負けて型のエッジが丸くなっています。これを何とかしなければなりません。
原型の底にクロスを貼るとともにマイクロバルーンを混ぜた樹脂を塗ってプラスチックの板に乗せて硬化させ、エッジを強化します。
ところで大問題に気が付きました。型の寸法を測ってみると胴体の幅より数ミリ細くなっています。ブロックを切り出したときにすでに寸法を間違っていました。
原型の幅を広げるには両側に肉盛りするより真ん中で切って広げる方が楽です。
型をのこぎりでちょん切って隙間を空けて固定して、隙間にスタイロフォームの粉をエポキシ樹脂で練ったもので埋めました。これで強度は保てました。
マイクロバルーンを混ぜた樹脂を塗っては削りを繰り返します。
写真は2回目を塗った直後と削っている途中の状態で、側面をだいたい削り終わったところです。光ったところが無くなって曇りガラス状態になれば平滑になったということですが、光ったところを全部なくそうとするとグラスの層が無くなる可能性があるのでほどほどにします。
歯ブラシでサンディングブロックに詰まった削りかすを落とし、ハケで本体のほこりを払います。
さて、色が付いていない樹脂では表面の状態がよく分かりません。
色ドープを作るために買ったチタニウムホワイトをパテ代わりの樹脂に混ぜて色を付けることにしました。粘度の高いセメダイン1500に混じるかどうか実験です。
うまく混ざって色が付きました。チタニウムホワイトは油絵具を作るときにも使うものですから当然と言えば当然です。
これをカウルの原型に塗ってみます。
なんか微妙な結果です。白で塗装したようには色が付きません。でも、雌型を作るときのゲルコートの代わりにはなりそうな予感がします。
3回目に削った状態です。大体平滑になったのでエポキシでの処理はこのくらいにします。
カウルの原型もホイールパンツと同様に、マイクロバルーンを混ぜたエポキシ樹脂で縁の部分の平面を出します。
硬化が進んだ後にプラスチックのシートをペリペリとはがすと平面が出たようです。
ある程度樹脂が固まったら切り出しで縁を切り取ります。というよりセメダイン1500なら完全に硬化してもパリパリと割れることがないのでこういう工作がやりやすいと思います。
この後は塗装で表面を平滑にします。