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グローエンジンのならし運転-2、温度管理、驚愕のならし運転

 飛行機をニードルを甘めにして普通に飛ばしていればやがてエンジンはなじむのですが調べてみると参考になることや、そこまでするのかというならし運転の仕方が見つかります。僕が知らなかっただけかもしれませんが。

温度管理

 ABC(OSはABN)エンジンでは低温で運転するとクリアランスがきつい状態ですり合ってしまうので良くないことは想像がつきます。

 SuperTigreの取説ではリング入りエンジンとABCエンジンではならしの仕方が異なっていて、ABCでは暖機を30秒してから全開にしてニードルを絞り、大部分が2サイクル運転で時々4サイクル運転が混じるポイントで5分回せと書いてあります。OSの説明よりは温度が高めになるでしょうね。
 でもコンロッドなんかがなじんでいないうちに2サイクル運転の下限の混合気で高い回転で回すのは心配です。
 各部に負担を掛けないように濃い混合気かつ低回転で、しかも温度を上げてならしをするにはどうすりゃいいんでしょう。
 

 GPカーのならし用にこんな工夫をしている人がいます。シリンダーヘッドを覆って保温して濃い混合気でもエンジンが冷えないようにするということです。
 ヒートガンで温めているのもこだわりです。上死点できしむエンジンを始動するには良い工夫ですが電源がない所ではどうするんでしょう。
 nitro engine break inで検索するとこういうものがたくさんヒットします。
 こういうことに気を使っている人は非接触型の温度計(赤外線温度計)で頻繁にヘッドの温度を計って華氏で200度、摂氏で100度を保つように気を使っています。日本でもこういうことをしている人がいるのかもしれません。


 飛行機用エンジンでも、OSのABN方式のエンジンとからなら最初に火を入れる時は濃い目の混合気(低温)で運転することになるのでウエスでシリンダーをくるんだ方がいいかもしれません。実際、僕はリングなしの特殊メッキ仕様(真ちゅうのシリンダーライナーだけどクロームメッキじゃないからABCではないのかな?標準取説ではABNになっています)のENYA 40XZを最初に始動したときはウエスでシリンダーをくるんで、ヘッドは触れないほど熱くなるけれどブスブスの濃い混合気という状態にしてハーフスロットルで10分回してみました。現在調子よく回っているのでウエスでくるんだおかげと考えておくことにします。

走らせずにならし運転する仕掛け

 車用のエンジンのならしは、エンジンメーカーの取説には走らせながらならす方法が記載されていますがレースで勝つにはそれでは不十分と考える人がいるようです。

プロペラでのならし

 プロペラを回してならし運転をするということは広く行われているようです。これなら車体は消耗しません。

 日本のマニアはこんな具合にやっています。エンジンが冷えすぎないようにカバーしてあります。この人はプロペラでエンジンを掛けた経験が少ないようで始動するときにおっかなびっくりです。車用のスターターボックスはあっても飛行機用のスターターまでは持っていないんでしょう。
 車用のエンジンのクランクシャフトは飛行機用と違っていますがプロペラが付くもんなんですね。

 既製品としてこんなものがあります。エンジン本体より高そうなマシンです。プロペラを付けるために特別な仕掛けをしているようです。それにしてもずいぶんと小さいプロペラです。
 こういうことはマニアや物好きなメーカーだけがやっているわけではなく、エンジンメーカーもやっています。

 これはノバロッシの工場見学の様子です。ベンチに据えてプロペラで回しています。シリンダーヘッドにはカバーがかけられていて冷えすぎないように考慮され、温度と回転数を頻繁に測っています。排気はダクトから吸い込むようになっているようです。強力なベンチレーターが付いているんでしょうね。
 この動画は見ものなのでリンクを貼っておきます。ものすごい回転数で飛行機ファンが聞いたことがない領域の排気音を出しています。

Screaming! Full Throttle Nitro Engine Break-In! - Inside The NovaRossi Engine Room | RC Driver


 車用エンジンを車に載せずにプロペラで回してならすことまでは納得できます。でも車の世界ではもっとすごいならし方があります。


外力でエンジンを回す仕掛け

 こういう製品が市販されています。まさに驚愕です。

 熱くしたオイルを満たしたオイルバスの中で外力でエンジンを回す仕掛けです。商品として存在しているので日本でもこれをひそかに使っている人がいるかもしれません。
 燃料を使わずにならしができるのですが、電気代がかかりそうです。
 シリンダーで燃焼したガスでエンジンが回るのと外力でエンジンを回すのとではあたりの付き具合が違うと思うんですがどうでしょう。
 また、実際にエンジンが回るときはシリンダーは熱く、クランクケースは冷たい状態で回るのにこのシステムで回すとエンジン全体が同じ温度になるのも気になります。


 と、他人がやっていることにケチばかり付けているのですがこういうことをして結果を出しているのなら見習っていいと思います。

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