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2サイクルグローエンジンの4サイクル運転

 2サイクルエンジンを運転するとき、濃い混合気での運転からニードルを絞っていくとある臨界点を超えると運転が円滑になって排気音の調子が変わります。この現象を「4サイクル運転から2サイクル運転に移った」と表現することがあります。
 OSの取説では「ブー」と濁った排気音の状態での運転、「ピー」という澄んだ排気音での運転と表現しています。
 米国の1950年代のUコン用エンジン「Johnson 29-32-35」の取説で「four cycling」や「two cycling」という表現が使われていますから古くからある表現のようです。
 実機エンジンでもWalbroキャブレター装備のチェンソーエンジンの取り扱いについての情報でフルスロットルでの濃い目の混合気での運転状態を表現するときに動詞として「four-cycle」が使われています。「If you do not have a tachometer, set the RPM level so that the saw “four cycles” or “blubbers” at wide open throttle.」とあります。

2サイクルエンジンが4サイクル運転することはある

 僕は「4サイクル運転」で本当に2回転に1回ずつ爆発が起こっているか懐疑的で、単に燃焼が不規則になって失火するサイクルが混じっただけではないかと思っていました。
 調べてみると米国のRC掲示板に2サイクルエンジンの4サイクル運転についてのスレッドがたびたび立てられています。
 RC Universeが運営している掲示板に「グローエンジンが4サイクル運転しているとき、正確には何が起きているのか Exactly What Happens When A Glow Engine 4 Cycles?」というスレッドが2013年に立てられていました。
URL:Exactly What Happens When A Glow Engine 4 Cycles? - RC Gro計ってups
 そのスレッドの投稿に回転中の2サイクルグローエンジン(ST46)のトルクの変動を計って2回転に1回燃焼が起きている様子を明らかにしたグラフのリンクが貼ってありました。

 リンク先のグラフを見ると、燃焼が起きて強いトルクが出ている回転(高い山がある)と燃焼が起きない回転(山が低い)が交互に繰り返されています。
 残念ながらこの図が載っているページのリンクを今回改めてたどってみると今は「Page not found」になっていました。キャプチャーしておいてよかったと思います。
 このグラフは4サイクル運転(four cycling)は単なる感覚的な表現ではなく、現象として存在していることを示しています。この現象が起きる理由について、スレッドでの議論がありましたがアマチュアのフォーラムですから納得のいく説明はありませんでした。
 素人なりに考えれば、燃焼ができない回転の次に燃焼ができる回転が来るのは、燃焼が起きた次の回転ではただでさえ火の付きにくい状態(濃い目)の混合気が燃焼済みのガス(既燃ガス)で汚染?されて燃焼できなくなるが、次の回転では既燃ガスの影響が弱まって混合気が燃焼できるということで、燃焼する回転と燃焼しない回転が交互に繰り返されるということでしょうか。
 Uコンで「スイッチング」と言ったりするのは水平で4サイクル運転、引き起こすと2サイクル運転になることのようですが、4サイクルから2サイクルに切り替わるのは機首が上を向いて混合気が薄くなるだけが原因でしょうか。どうも違うような気がします。負荷の変動なんかも影響しているかもしれません。舵を切る、負荷が大きくなる、エンジンでは充填効率が上がる(シリンダーに入る混合気が増える)、既燃ガスが押し出されて混合気が燃えやすくなる、2サイクル運転になるという仕組みかもしれません(僕の想像)。
 近くでUコンをやっている人に聞くと最近はスイッチングは流行らないそうですけど(確かに音を聞いていると引き起こすときに「ウワン」とうなる機体はない)。

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