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FRP製品にアクリルとウレタンで木目調塗装

 今回もカウルとホイールパンツに木目調塗装をします。


 木目調塗装については過去の記事でも書いたことがありました。



 1回目の木目調塗装では「結構うまくいくもんだ」(自己評価)と感じました。



 2回目の木目調塗装は「技量が進歩したかな」(これも自己評価)という感じです。


 いよいよ3回目の木目調塗装です。

本題の前に能書きを長々と語る

 実際の作業の前に能書きを語らせてもらいます。

木目調塗装なら軽くできるんじゃないか

 木目調塗装にするのは、バルサのクリヤ仕上げの胴体との違和感をなくすという見映えの問題が第一の目的ですが、塗装による重量増加を避けられるんじゃないかという期待もあります。


 普通の色塗装ではしっかり色を付けなければなりません。黄色や赤のような隠ぺい力の弱い色だと白で下塗りする必要がありますがそもそも白くするまでに何回か塗らなければなりません。それにサーフェサーかその代わりの塗装も必要です。
 また、普通の色塗装の場合、表面を平滑にしなければ見ばえが悪くなるのでそのためにも重ね塗りが必要で、これも重量増加の原因になります。
 技量があれば軽くきれいに仕上げることができるのでしょうが僕には無理です。

 このカウルは20年ほど前に作ったものです。蛍光灯の映り具合で表面が平滑であることが分かります。しっかり色が付くまで、また、平滑になるまで吹いたり研いだりを何回繰り返したかわかりません。


 これに対して木目調塗装では下地がクリーム色ですから白より隠ぺい力があるし、バルサをイメージした表面ですから多少色むらがあっても、また、それほど平滑にしなくても見映えはそれほど悪くはなりません(僕の個人的意見です)。

 これは現用の木目調カウルです。蛍光灯の映り具合でデコボコなのが分かります。木目のお蔭でデコボコがごまかされています。


 バルサ色を1回吹いて色を付け、トールペイント用のアクリル塗料(絵の具)で木目入れ、その上にクリヤにわずかに色を付けた塗料(ミルキーカラー)を1回吹いただけですからきれいに仕上げた色塗装より軽くなっているかもしれません

木目塗料の耐久性

 木目調塗装は僕の場合(僕以外にラジコンで木目調塗装するようなモノ好きはいるのかな?)、上述のとおり、バルサ色のウレタン塗装、木目を入れるアクリル塗料、トップコート兼用のウレタンクリヤにわずかにバルサ色を混ぜたミルキーカラーをかけるという仕様です。
 心配だったのは、ウレタン、アクリル、ウレタンの順番で重なっている塗面が層間剝離?を起こすことでした。
 上の写真の現用のカウルのようにあちこちぶつけてデコボコになってもウレタン、アクリル、ウレタンの層の間でペリペリはがれるということはあまりありません(完全にないとは言えないけど)。


 テストピースもあります。

 左側にすでに木目が入っていますが、これは一昨年(2022年)の9月に練習したものです。マスキングの跡がありますがそこからひっかいてもはがれることはありません。
 アクリル塗料(絵の具)をごってり塗らない限り、下地のウレタンとトップコートのミルキーカラーのウレタンは、アクリル塗料(絵の具)の層を通してなじむ感じです。

本物の木製品のマネはしない(できない)

 これはバルサの端材を組み立てて作ったカウルです。本物の木で作るとこのようになります。材料の継ぎ目があるし、木口も出ます。
 これを再現するのは大変ですし、うまく再現できたとしても「それがどうした」という感じでしょう。


 これは以前の記事でも紹介したバイクのタンクです。本物の木でタンクを作ったらこんな木目の出方にはならないはずですが十分に木に見えます。
https://www.virgintriumph.com/topics/topics-20150128/
 これに近い出来の作品ができれば大成功です。

バルサの木目の再現にはそれなりのやり方

 さて、バルサは四季のない熱帯の木ですから年輪はありません。細かい真っすぐな木目がたくさん通っていてほかの木材とはちょっと違います。


 前回と同じことをしても進歩がないので木目調塗装について調べなおしました。
 自動車系の動画ではマホガニーっぽい木目の再現例が多いのですが、YouTubeの検索機能を使って「Faux wood grain furniture」で検索すると家具を木目調塗装する動画がヒットします。

 木の節や年輪の再現はするつもりはないので、そういう動画はスルーして、バルサに似た木目を再現している動画を探しました。

 この動画では一旦塗った塗料を荒いブラシで掻きとる技法が紹介されています。スポンジで掻きとる技法もあるようです。

ベースカラー

 ベースカラーの塗装は以前のブログ記事で書いています。

 多少ムラがあってFRPの地が透けているところがありますが木目模様でごまかせるので気にしません。軽く仕上げたいですしね。

木目入れの練習

 まず、テストピースで試します。

 水性アクリル系のトールペイント用塗料ですから乾燥前なら水で拭き取れますし、完全に乾いてもアルコールで落とせます。

 色々やってみて、ボロボロのスポンジにわずかに水を含ませてアクリル塗料を広げるというかぬぐい取るとこんな状態になって一番バルサっぽい感じです。細かい木目を再現できました。右の一昨年(2022年)9月の木目より良い感じです。

 本物のバルサと比べるとこんな具合です。バルサそのものとは言えませんが「バルサに見えなくもない」という仕上がりじゃないでしょうか。

木目入れ本番

 FRP製品で本番です。と、思ったら機首の上の目立つところにピンホールが残っています。

 ラッカーパテで埋めることにしました。ラッカーパテのごく薄くグレーかかった白が残りますが木目を入れるのでわからなくなるでしょう(いい加減だな)。

 これくらいなら木目模様でごまかせるでしょう。
 パテが乾いたら800番の耐水ペーパーで色が抜けない程度に表面をザッとならします。

 木目を入れ終わりました。なんだか薄汚れただけという感じがしないでもありません。

ミルキーカラーによるトップコート

 アクリル塗料にトップコートを掛けることと、木目を沈み込ませるように見せるため、ミルキーのような色のクリヤにバルサ色をわずかに入れた塗料(ミルキーカラー)を吹いて木目調塗装は完了です。

 写真のビンのラベルには「カラークリヤ」と書いてありますが、カラークリヤが染料を入れたクリヤ塗料(そうなんですよね?)なのに対して顔料入り塗料をクリヤで薄めたものですからミルキーカラーです。


 1月20日の土曜日は風はないものの曇天でした。晴天でないとクリヤ系の塗料の乗り方が分からないのですがせっかく飛行場に来たので塗装を強行しました。

  塗装直後の状態です。枯草の中に落としたら見つけにくそうです。


 家に帰ってから塗装表面をチェックしました。

 大体きれいに塗膜ができていてツヤが出ています。木目がミルキーカラーの下に沈み込んでいる感じも出ています(写真じゃわからない)。

 結構うまくいったなと思いましたが、細部を見ると欠陥もあります。右の写真のように塗料が足りなくてゆず肌になった部分があります。塗装の最中に塗膜の出来具合が見えないのでこうなりました。お日様が出ているときに塗装すべきでした。
 もう一回吹くか?とも思いましたがまあいいんじゃないのと妥協しました。


 機体に付けてみました。

 調色しなおしたのですがまだ赤みが強いですね。まあ、木かFRPかと言われれば木に見えるんじゃないでしょうか。
 ちなみに写真の左端のキャノピーの白のフレームより前の部分も木目調塗装です。こことカウルがバルサ色でなくて白だったりすると全体のトーンが合わず違和感があったと思います。
 木目を入れずにバルサ色にしただけでもいいんじゃないのとの考えもありますが木目調塗装は本人としてはやって良かったと思います。

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