年金生活フライヤーのブログ

ラジコン飛行機関連のブログ

ホイールパンツの新規作成⑬ 悪戦苦闘の雌型作成

 前の記事でポリエステル樹脂の缶の蓋が開かなくなったと書きました。「対策を考えなければなりません」と書いたので対策を講じます。


 雌型の作成の悪戦苦闘の始まりです。

缶に穴を開ける

 最初は蓋を壊して蓋だけ交換しようと考えましたが蓋と口金が一体化しているので蓋の前に口金の方が先に壊れそうになりました。缶に穴を開けざるを得ません。

 液の出口になる穴と空気抜きの穴を開けました。

ポリエステル樹脂とグラスマットで雌型を厚くする

 家人が留守なのでFRP作業を家の中でやりました。ドープを塗るよりはマシですがポリエステル樹脂と硬化剤の匂いは強烈です。
 ・・・外でやった方が良かった。

 使った道具です。ハケをアセトンで洗うとかすると代替ドープのシンナーに使うべきアセトンがもったいないのでハケは使い捨てです。塗装に使えなくなってサッシの掃除に使っているハケを使いました。
 FRP樹脂の缶に紙が貼ってありますが、混合比を間違えないためのメモです。
 昔、硬化剤を正確に測ろうと思って一滴当たりの重さを量ったことがあります。1滴で0.025gだったので混合比を1%とすれば10gあたり4滴ということになります(これでいいのかな?)。
 50gずつ2回に分けて混合しました。FRP関係のサイトを見ると0.5%でも気温が高ければ硬化するそうですが気温が低いので硬化剤は1%より多めにしようと考えて30滴ずつ滴下しました。

 まず、雄型の上に樹脂を塗り、

 型になじみやすくなるようにマットをもみました。積層作業をしてみれば型の上でハケでつつけばなじむのでその必要はなかったようです。

 ポリエステル樹脂でグラスマットを貼っていきます。樹脂が浸み込んでからハケでつつくとマットが春雨のスープのようになって型になじんでいきます。樹脂がゲル化するまでハケでツンツンしてできるだけ泡を抜きました。

 ゲル化する寸前でこういう状態になりました。グラスマットは全体としては1層、部分的に2層になっています。見たところ泡はできていないようです。


 ローラーで脱泡とかいう高度なことはしませんでしたが脱泡用のローラーがあった方が良いでしょう。脱泡するにはハケではちょっと効果が薄い感じです。
 ホームセンターのFRPのコーナーに置いてある塗布用又は脱泡用のローラーはこういう小物に使うのには大きすぎるので脱泡ローラーを自作するかもしれません。


 缶の中には結構樹脂が残っていますがそのままにしては置けません。缶が倒れたら大惨事になります。

 ティッシュに木工ボンドを塗りたくったもので穴に蓋をしました。数日後にカウルの雌型を使うまでもてばいいという考えですからいい加減なものです。大丈夫かな?


 ポリエステル樹脂は硬化が速いのですが、完全に硬化した方が良いだろうと考えて暖房用のヒーターのそばで数時間温めた後に脱型作業に掛かりました。

脱型に悪戦苦闘

 さて脱型です。

 大惨事になりました。原型が雌型に持って行かれました。型をひねるとパキパキいって、剥離しそうな手ごたえはありますが母型を引っ張り出すための把手というかつまみというか、そういうものがないのではがせません。
 母型を両面テープで台に貼り付けたくらいではだめでした。台にねじ止めするか接着するかすべきでした。


 原型を壊して外すほかなさそうですがせっかく作った母型がもったいないので、壊すのは最終手段として悪あがきをしました。

 まず、原型に把手を取り付けてみます。しっかりつけるためにエポキシ接着剤を使います。

 暖房用のヒーターであぶって硬化させます。これをこじってはがそうという考えです。こんなことが上手くいくはずもなく把手がはがれただけでした。


 ここで諦めるくらいならラジコン機の自作なんかやってられません。最終手段として原型を壊し、雌型だけでも使えるようにします。

 まず1個目、丸刃の彫刻刀でザクザク削っていきます。化石の発掘で余計な岩を削り取る作業のようです。
 FRPの地が見えてくると「どうにかなりそうだ」という希望が湧いてきました。
 

 1個目の発掘作業でコツをつかみました。型がもろくなるまで削るとこじればパリッとはがれます。


 2個目はこんな具合ではがれました。1個目の作業量の半分以下です。


 最後の4個目は型をねじりながら削っていくと簡単に外せました。


 剥がした原型を上から下に1個目から4個目まで並べてみると技量の向上が見られます。1個目をはがすのに20分くらいかかりましたが後半は作業に慣れたのでトータルで1時間くらいの作業でした。


 後知恵ですが型に太めのピアノ線を斜めに差し込んでこじれば原型を温存させたまま外せたかもしれません。


 雄型を温存するという目論見は外れましたがともあれ雌型はできました。雌型に残った塗料は爪でこすればはがれました。
 雌型の出来ですが、気泡はできていないもののところどころに欠陥があります。でも僕の基準では成功の部類です。エポキシの層とポリエステルの層が剥離するんじゃないかという心配は今のところなさそうです。

×

非ログインユーザーとして返信する