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FRP製のエンジンカウルを作る② 余計な試みは失敗、作り直し

 最初にお断りです。
 今回の記事は最初の方はまともなことを書いていますが後半部分は失敗の記録です。こういう失敗をしないようにしようという教訓を得たい方がご覧ください。

 硬質発泡ウレタンを使ったときの失敗例なのですが、硬質発泡ウレタンは使い方を間違えなければ優秀な素材であることをお断りしておきます。


 エンジンカウルの工作は「FRP製のカウルを作る①」からかなり時間が空きましたが作業を放棄したわけではありません。

 ホイールパンツの作業は厚塗りした雄型の塗料が完全に硬化するまでしばらく中断しなければなりません。その間にカウルの作業を進めました。


 昔、気力が充実していた頃は、雄型を作って雌型を起こすというオーソドックスな方法でこんな製品を作ったことがありました。

 これを作るにあたっては大変な苦労をした覚えがあります。今回はこれほど凝った製品にはしないつもりです。


 雌型を左右2分割にする関係で原型となる雄型も中央線で左右2分割にします。この作り方はホイールパンツと同じです。



 ところで、ホイールパンツを作るときにも書きましたが、雌型を左右2分割にする場合、本職は勿論のことアマチュアでも経験豊富な方々の作例を見ると一体式の原型に枠を当てて左右の雌型を作るのが主流です。
 原型の雄型を2分割にした方が楽だと思うんですけど製作例がないのはなぜでしょうか。「オレのやり方は間違ってるんじゃないか」と心配になりますがうまくいっているのでこれで行きます。

骨組みというか土台というか

 カウルの雄型はホイールパンツとは違う工法で作ります。趣味の世界ですから自分の寿命が来るまでいろんなことを試したいものです。

 保存してあったカウルの図面を出力してMDF板に貼り付けて切り出します。

 同じ形のMDF板を2枚作るのですが、左右の型をまとめて整形するために左右の板を仮止めします。本当に接着してしまわないように接着剤を付けるところにマスキングテープを貼っておきます。

 クリップで挟んで接着剤を乾かし・・・、

 切り出しやサンディングブロックで整形します。これで横から見た断面(側面形)が決まります。


 骨組みはこれだけでは足りないのでさらに部材を切り出します。

 正面から見た図と、

 上から見た図も出力し、

 MDF板を切り出します。3mmのMDF板なら頑張ればカッターで切ることができます。

 カウル雄型の骨組みの部材の切り出しが終わりました。

 骨組みの部材を組み立てるとこんな具合です。「ぴったり合ってねえじゃねえか」とのご指摘はあろうかとも思いますが僕の工作では良くあることです。
 部材を直角に組み立てるためにはホームセンターで買った写真右上に写っている5㎝角の直方体の木のブロックが役に立ちます。


 この骨組みに肉付けして雄型(原型)を作ります。骨組みというよりは土台ですかね。

硬質発泡ウレタンで肉付け、やらなきゃよかった。

 雄型を作るにあたり、最初はスタイロフォームのブロックを4つ土台に接着して削ろうと思いました。しかし、スタイロフォームで雄型を作る経験は何度かあります。同じことをしていては進歩がないので新機軸を試すことにしました
 僕はあと20年は生きるつもりですから寿命が尽きるまで新しいことに挑戦し続けます(ずいぶん大きく出たな)。


 手持ちの資材としてこんなものがあります。

 硬質発泡ウレタンです。軽くてグロー燃料やガソリンに強い素材として使えるんじゃないかと思って東急ハンズで買ったものです。
 実際に一品物のカウルをこれで作りました。発泡の具合が均一でなく、スタイロフォームレベルのスカスカの部分とソフトバルサかなと思えるほどの部分ができて仕上がりがきれいでなく、表面の気泡が荒いので表面をきれいに整えるとそれほど軽くはなりませんでした。
 特にまずかったのはエンジンのシリンダーの回りの部分の気泡のガスが熱で膨張して火ぶくれ状膨らんでしまったことです。「あんまり使い道がないな」と思って死蔵して置きました。
 使わないでおくのはもったいないし、ウレタンならポリエステル樹脂にも耐えるのでポリエステル樹脂で雌型を作るときにスタイロフォームより安心です。

 骨組みの回りに土手を作ります。発泡ウレタンの接着力は強力ですからこういう準備をしておかないとあちこちに漏れて大変なことになります。

 ウレタンを節約するため、かさ増し用のスタイロフォームを適当にくっつけます。

 こういうものはきちんと電子秤で正確に重さを量らなければなりません。

 1回目の流し込みです。どのくらい膨らむのか見当がつかないので様子をみながらです。左側は主剤・硬化剤5gずつ合計10g、右側は主剤・硬化剤10gずつ合計20g流し込んだ様子です。
 混合を始めた途端に発泡が始まり、数分で発泡が納まって10分で扱えるくらいに固まります。もたもたしている暇はありません。

 2回目の流し込みです。実はウレタンの残りが主剤・硬化剤合わせて20gもありませんでした。全部流し込んでも足りません。右も左も苦しい状態です。


 どんな具合になるか左右を組み合わせてみました。

 発泡ウレタンを追加で流せばどうにかなりそうですが新しい発泡ウレタンを買う気になりません。使い道のなかった発泡ウレタンに最後の活躍の場を与えただけの話でした。ウレタンが足りないところにスタイロフォームのかけらをはめ込むとなると作業量は膨大です。


 余計なことを考えて余計な試みをしたのですが今回は失敗です。が、発泡ウレタンが十分にあれば順調に作業できたかもしれません。
 硬質発泡ウレタンの強度と切削性を考えると何かの型を作るときの素材としてはスタイロフォームより優秀だと思います(気泡の大きさにばらつきはありますけど)。賢く使えば利用価値があるでしょう。

原型作成は仕切り直し

 硬質発泡ウレタンでの雄型作成に見切りをつけてスタイロフォームによる作成に方針を変えました。
 作りかけの骨組(土台?)からウレタンをはぎ取るよりは骨組を作り直す方が早いと判断しました。

 このブログの冒頭の方に書いておいたやり方で、1時間くらいで切り出しから組み立てまで進みました。
 MDFは使いやすい!

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