スタイロフォームでフロートを作る②
フロート本体のスタイロフォームブロックと竜骨?ができたので組み立てを始めます。
フロート本体の組み立て
フロートを組み立てるときには平らな面の上に重しをかけて歪みが出ないようにしたいのでいったん長方形の断面に戻します。
本体に切り離した端材を組み合わせるのですが「どのブロックから切り出した端材か」が分かるようにマジックで番号を振っておきます。
理屈から言えば図面(型紙)どおりに切り出していれば別の端材との組み合わせでもぴったり合うはずですが現実世界ではそううまくは行きません。
片方に竜骨を接着してきちんと固定してからもう片方とくっつけます。僕の場合、こういう工作をいっぺんに済ませようとするとたいてい失敗します。
組立には接着剤が外にはみ出しても削りやすいボンド発泡スチロール用を使いました。接着剤の説明書によればゴム系の接着剤と同様、両面に塗ってある程度乾かしてから圧着するのが正しい使用法ですが、それでは部品同士をくっつけてからヌルヌル動く状態で接着位置を修正することができません。接着剤を塗ってすぐに左右のブロックをくっつけ、位置が決まったら重しを掛けました。
写真を見れば端材と本体を組み合わせてあることが分かると思います。
ボンド発泡スチロール用を説明書と違う使い方をするので接着剤が固まるまで時間がかかります。1時間くらいで動かなくなりますが溶剤が完全に飛んでカチカチに固まるまでに2~3日かかります。重くなりますが30分硬化型のエポキシ接着剤を使ってもいいんじゃないでしょうか。
朝一番で組み立てたフロートが扱えるようになったので昼前に整形を始めました。
整形の基準を出すためにまず上面の平面を出します。写真じゃわからないかもしれませんが端材が役に立っています。
大体平面が出てきました。
側面を削っているところです。全体がスエード調になるまで削ります。
大量に出る削りかすはビンに貯めて保管してエポキシと混ぜて揺変性軽量パテの材料にします。
整形がほぼ終わった段階で支柱取付け用の合板をセットする溝を切ります。テンプレートを作っておくとこういう細工が楽です。
整形がだいたい終わった状態です。
V形の角度をへさきに向けてだんだん急にしていったので船のへさきのようになったと思います。お判りでしょうか?
この段階で重さを測ってみました。
約76g、竜骨と接着剤の分だけで57.5gから8.5g増えました。
ところでフロートの容積はどのくらいなのでしょうか。変な形の物体の容積を計算で出すのは難しいのでイレギュラーなやり方で見当を付けます。
フロートに使ったスタイロフォームの重さは57.5gでした。デュポン・スタイロのサイトによれば今回使った「IB」という製品の発泡倍率は37倍、比重は27kg/m3、CGS単位系にすれば0.027g/㎝3です。
比重0.027の物が57.5gあるのですからその容積は57.5(g)÷0.027(g/cc)で2000ccくらいになります(1gあたり37ccの体積になるという理屈です。式は間違ってないですよね)。
フロートなしの機体は電池込みで1㎏強、軽めの電池で1㎏を切ります。フロートの容積が2000ccなら機体の重量にフロートの重量が加わっても浮力は2倍くらい確保できます。
大きいフロートにして喫水が浅くなりすぎてもカッコ悪いのでちょうどいいんじゃないかと思います。
支柱取付け部
支柱を取り付けるところは3mmの合板を切り込みにはめ込んで接着するだけですが、荷重は竜骨を通してフロート全体にかかるはずです。
効果のほどは疑問ですが念のため接着面に針で穴を開けてエポキシ接着剤がスタイロフォームの中まで浸み込むようしました。
フロートが傾いて取り付けられてしまわないように取付け面はフロート上面の平面と平行になるようにします。
スタイロフォームの粉を混ぜたエポキシ接着剤がニュルニュルとはみ出ています。うまくいったと思いますが硬化後にチェックしなければわかりません。
支柱は?
支柱は高級なカーボン仕様にします。なぜカーボンにするかといえばアルミ板やピアノ線を正確に曲げる自信がないからです。
ピアノ線のはんだ付けで複葉機の上翼の支柱や組み立て式の脚を器用に作っているメンバーもいますが僕のようにバイスすらない作業環境では正確な曲げ加工は無理です(下手だからとは言わない)。
これは第1作のフロートの支柱です。カーボンロービングを一方向に並べてまとめたようなカーボンUD(Uni-Direction)を2mmの厚さになるまで重ねて表側にクロスを貼った仕様です。今回もこの工法を踏襲します。
いろいろ所要があってこの日は型を作るまで行きませんでした。カーボンロービングかカーボンUDも買わなければならないので支柱の製作は先延ばしになるかもしれません。