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ペットボトルでキャノピーを作る-1 実験開始

 飛行機にパイロットを乗せると実機感が出ていい感じです。
 僕が作る機体も人が乗っていそうなスタイルなのでパイロットを乗せることにしました。密閉式キャノピーの場合、透明でなければ乗せたパイロットが見えませんから透明のキャノピーが必要です。


 20年くらい前の気力が充実していた頃は0.5mmの塩ビのシートをヒートプレスしてキャノピーを作っていたことがありました。
 枠で押し付けるやり方から始めて、穴をたくさんあけた箱に掃除機をつないでバキューム整形する仕組みまで作りました。
 ヒートプレスでは加熱しすぎて穴が開くとか表面が曇ってしまうとかの失敗があって一つの製品を作るのにその3倍は失敗しました。作り方に慣れれば成功率が上がるのかもしれませんが何機が作った結果「俺には無理だな」とあきらめて塩ビのキャノピーの自作はやめました。
 塩ビ板以外の方法としてペットボトルでキャノピーを作る方法がネットで紹介されています。そういう情報を参考に試してみました。
 実験したところうまくいきそうなので記事にします(完成品ができてから記事にする方がいいのかな?)。

木型を作る

 塩ビ板をヒートプレスして作るにしてもペットボトルを縮めて作るにしても型を作らなければなりません。

 厚紙でテンプレートを作ります。図面はスタイロフォーム製キャノピーのものの流用です。

 材料は13mm厚のファルカタ材です。型紙でシルエットをなぞって切り出します。削りやすいもののある程度の硬さがあるので愛用しています。お値段がリーズナブルなのもいいですね。

 糸鋸盤などはありませんから普通ののこぎりで切り出します。胴体の幅をまかなうのに6枚必要です。

 切り出しで形を整えます。四角いブロックになってから輪郭を整える方法は僕の持っている道具では大変です。

 切り出した6枚を貼り合わせてブロックにするのですがクランプの口の広さの関係で6枚一緒に接着できません。

 四角断面のブロックにするまで結構時間がかかりました。

 四角断面の状態から角を落していき、だんだん楕円断面にしていきます。

 胴体にあてがって胴体側の形を写して、

 少しずつ削ります。単純作業ですが手間と力が必要です。切り出しは何回も研ぎなおしました。1月4日の午後と1月5日の午前中いっぱいで形ができました。


木型の作り直し

 丸一日以上かけて削った木型で実験した結果、ペットボトルに対して木型が大きいとどうにもならないことが分かりました(やる前に気づくべきだった)。
 2リットルの焼酎やウイスキーのボトルなら大丈夫かもしれませんがキャノピーのために飲みたくもない焼酎やウイスキーを買う気にはなりません。


 とりあえずキャノピーを小さくすることにしました。

 木型の先端を切り落として、

 目分量で形を作りました。柔らかいファルカタ材ですが削るのに一晩掛かりました。

ペットボトルでの実験、ガスコンロでも大丈夫そう

 いろんなペットボトルを試しました。

 上は1ℓの強炭酸水のボトル、下は1.5のワインのペットボトルです。ワインは妻が飲むので安定的に入手できます。

 1ℓのボトルでは直径が足りなくて入りません。

 1.5リットルのワインのペットボトルは直径が足りるのですが長さが足りません。
 どうせリサイクルゴミに出すものですから1回目の実験はこのボトルでやりました。

 ウエスをぎゅうぎゅう押し込んで、まずヘアドライヤーを掛けましたがびくともしません。ヘアドライヤーは人に使うものですからプラスチックを縮めるほどの熱量はないのでしょう。そもそもこういうものを模型工作に使ったことがばれたら怒られます。
 ヒートガンはありませんから別の手を考えます。
 

 ガスコンロの強火の遠火であぶると前の方は木型なりに縮むことが確認できました。

 余分なところをカットすると使えそうな感じです。
 1回目はFRP用のポリエステル樹脂で木型を固めていたのですが、ペットボトルが木型に貼りつきました。

 無理やりはがすと木型が壊れるということはないものの樹脂が貼りつきました。硬化が不十分だったのかもしれません。確かに硬化剤は少な目だった気がします。
 ポリエステル樹脂がダメというわけではないかもしれませんが2回目以降はエポキシ樹脂で固めました。


 木型の寸法を縮めたうえでエポキシ樹脂で処理して2つ目の試作品を作りました。少ししわができましたが使えそうな感じです。


実験の中間的な総括

 まだ成功したわけではありませんが今回の寸法のキャノピーなら1.5リットルのサイダーのボトル(100円以下)で前と後ろに分けて作ればどうにかなりそうな感触が得られました。
 キャノピーがすっぽり入るペットボトルがあれば一発で完成品ができそうです。そもそもの話、ペットボトルの寸法に合わせてキャノピーを設計すればよかったようです。
 後の方でも述べますが、表面の仕上がりはヘタに仕上げた塩ビ板のヒートプレスよりはきれいになるかもしれませんが、ペットボトルのパーティングラインや傷などは消えませんから本当にきれいなキャノピーを作るのであればクリーンな塩ビ板を「うまく」ヒートプレスした製品には劣ると思います。

木型の仕上げ

 ペットボトルが収縮する力はかなりなものです。

端部の強化が必要

 一回目の実験で直角に切り出したはずの木型の縁が丸くなりました。

 二回目以降は木型の端に合板やMDF板を張って保護しました。

表面の仕上げは簡単でも良い?

 木型の表面は整形した後エポキシ樹脂で固めて400番のペーパーでケバを取っただけです。
 木目は埋まっていませんしペットボトルに押し込むときにペットボトルの切り口で付いた傷が残っていますが、こうした欠陥は製品には転写されません。出っ張っているところがなければ大丈夫なようです。
 いろんな人の作例がアップされていますが木材をペーパーでならしただけの作例もあります。総じてバキューム整形に比べて表面仕上げはラフな感じでもよさそうです。もちろん熱が加わる時間がバキューム整形に比べて長いので表面仕上げをする場合はラッカーとかではだめでしょう。
 塩ビ板をバキューム整形していた時は、大気圧で押し付けられる関係からか木目まで再現されましたがペットボトルではそういうことが起きにくそうです。
 正直、2個の試作品を見ると木型の欠陥よりもペットボトル自体の欠陥(ペットボトルに付いていた傷やパーティングライン)の方が目立ちます。

ペットボトルの品質

 キャノピーを作ろうと考えてからスーパーでペットボトルを物色していると、ペットボトルにもいろいろあることに気が付きました。
 軽いもの、重いもの、のっぺりしたもの、模様(リブ)が付いたものなど様々です。

表面の状態

 ペットボトルの表面を見るとパーティングライン?や傷があります。これは熱を加えて収縮させても製品の表面に残ります。パーティングラインは目立たないところに来るように工夫する必要があります。
 問題外の製品として「使い古しのガラス瓶か」と思うほど傷だらけのものもあります。金型が傷だらけになっているようですが、こういう傷はボトルを収縮させても消えません。

重さ(厚さ)

 コーラ、サイダーなどの炭酸系のペットボトルは肉厚な傾向です。丈夫ですが重くなります。

 非炭酸系のペットボトルは肉厚が薄く軽量です。製品の強度を保つためかリブが付いています。のっぺりした表面の製品を選んだ方が無難だとは思うのですが軽いのは魅力ですし、加熱時間も少なくて済みそうです。細かいパーティングラインや傷ではなくこういうリブなら収縮の過程で消えるかもしれませんから実験するかもしれません。


参考動画

 うまくいく行くか行かないかわからない僕のブログを見るより成功例を見た方が良いでしょう。
 ヒートガンを使う方法にはこんなものがあります。


 オーブンで加熱する方法もアップされていますがオーブンで変なものを焼いたことがばれたら大変です。
 焚火で加熱している人もいます。

 この方法はバーベキューコンロを使えばマネできそうです。ヒートガンよりペットボトル全体を一気に均一に加熱できそうです。

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