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マフラー選定のためのベンチテスト、仕切り直し

 マフラー選定のためのベンチテストの仕切り直しをしました。
 同じやり方では同じ結果になりますからやり方を変えます。ニードルの位置決めに違和感があったのでチキンホッパー式は止めてマフラープレッシャーにし、液面の変化をキャンセルするにはバブレスタンクにすることで対処することにします。

実験のやり方

 マフラープレッシャーをかけるのですが、マフラーの仕様を変えるたびにニードル位置を再調整します。
 前回の実験で痛感したように、空冷エンジンは適正な混合気(やや濃いめ)にセットしてもしばらくすると回転が下がってから落ち着くことが多いものです。ヤマハの開発部門にした人のサイトにもそう書いてありました。
 低速運転をしてエンジンを冷やした後に全開にしてもしばらくすれば回転が落ちます。データとする回転数は回転が落ち切った時のものです。


 排気音についてですが、運転中のマフラーにサブマフラーをあてがうなど、運転中に仕様を変える時以外に音の大小なんかわかりません。
 前回の不成立になった実験では客観性を担保できるのではないかと思って運転中の動画を撮っておいて後から聞き比べてみましたが正直音の大きさはわかりませんでした。結局は感覚だよりになります。

実験結果

 5個のマフラーと小型サブマフラーで9つの仕様の実験をしました。

謎の車用マフラー

 30年近く前に秋葉原のフタバのワゴンセールで買った車用のマフラーがあります。購入当時でも時代遅れなスタイルでした(だからワゴンセール品になった)。ガソリンエンジンのサブマフラーに使って、うるさい、回転の低下が大きい、という残念な結果になったのですがゴミにするのももったいないので復活できないか試すことにします。
 ヘッダーは昔(30年くらい前)Hatoriが出していたチューンドサイレンサー用のヘッダーです。サイドマウントのエンジンに付けるとチューンドサイレンサーが胴体の下に来る仕組みでした。この仕様だとエンジンをサイドマウントにすればマフラーが胴体の真下に来るのでひそかに期待しています。
 ヘッダーと本体合計で80gを切りますから大きさの割には重くありません。マフラーのオリジナルの排気口の口径は8mmですが、7mmに絞るレデューサーを付けています。
 まだ排気プレッシャー用のフィッティングは付けていないのでマフラープレッシャーは取っていません。
 回転数は最高回転に設定してから2分後で12,400r.p.mになり、その回転数で安定します。ニードルを絞った直後は13,000r.p.m近くまで上がって、「このままの回転を維持してくれ」と思うのですがそうはいきません。ニードルの開きは2回半です。
 回した感じは2室式のマフラーにしてはうるさいなという感じです。高周波の破裂音が混ざっている感じです。


E-3030(OS 32SX純正、バッフル付き)

 初心に帰って純正マフラーで回転数と騒音の初期値を取ります。バッフルの内径は9mm(実測値)、排気口の口径は6.4mm(実測値)です。 
 ニードルの開きは1回転弱、こんなに絞って大丈夫かという感じです。
 回転が安定してからの回転数は12,000r.p.mです。
 排気音はさすが純正品、かなり静かです。


 ここから後はスマホの電池の残量が無くなったので写真はありません。

E-3030(バッフル抜き)

 バッフルを抜いた仕様で運用することはないのですが、小型サブマフラーの効果を調べるためにバッフル抜きの仕様のデータを取ります。
 回転数は12,200r.p.m、バッフルを抜いても回転は上がりません。
 それほどうるさくありませんが破裂音というか衝撃音というか鋭い成分が混じって聞こえます。

E-3030(バッフル抜き)+小型サブマフラー(消臭センサー)

 小型サブマフラーをウエスでくるんでマフラーに差し込んだり外したりします。
 回転数は12,000r.p.mで純正と同じです。
 付けた瞬間にかなり静かになったことが分かります。感覚的には純正並みです。ニードル位置を変えずに済みましたから背圧は増えなかったようです。


 マフラーをM352Xに付け替えました。


M352X(バッフル付き)

 M352XはSS50/50CX用と同じ金型ですから容量は大きめです。25用から50用まで同じ金型で作るのはすごいですね。バッフル内径は8mm(実測値)、排気口の口径は7mm(実測値)です。
 回転数は12,300r.p.m、E-3030より回転が上がります。
 排気音は純正のE-3030に比べて低音です。マフラーの容積の影響でしょうか。

M352X(バッフル抜き)

 E-3030と同様、バッフルを抜いた仕様も試しました。
 回転数は12,700r.p.m、結構回転が上がります。
 回転が上がるのはいいのですが耳に突き刺さる刺激音が混じります。

M352X(バッフル抜き)+小型サブマフラー(消臭センサー)

 回転数は12,500r.p.m、こんなに上がるのかと思ってかなり長いこと全開運転を続けましたがこの回転数で安定しています。
 付けた瞬間ミュートが掛かったような感じになります。E-3030のバッフル抜きにサブマフラーを付けたよりも消音効果が大きく感じます。バッフル抜きの音が大きいからかもしれません。ニードルの位置は変わりません(背圧は同じ)。

HATORI 30NA

 このマフラーはパワーが上がるということで人気でした。ENYA40XZで実験したときは市販品で一番回転が上がりました。排気口の口径は6mmです。
 回転数は12,600r.pm、ニードル位置を決めた直後では13,200r.p.mです。
 E-3030やM352Xのバッフル付きより排気音が大きいような気がします。ためしに小型サブマフラーを付けてみましたが回転数も排気音も変わりません。

M251改

 今回実験したマフラーの中で最軽量です。排気口の口径は7mmです。マフラー本体の後のテーパー状の蓋がバッフルの役割をしているので消音効果があります(あるはずです)。ENYA 40XZで同じ仕様のものでかなり飛ばしましたが、結構静かで回転の低下も少なかった記憶があります。
 回転数は12,300r.p.mです。
 排気音を聞いた感じはバッフル付きとバッフル抜きの中間くらいで、ややうるさいなという感じです。破裂音という感じではありませんが高周波の成分が混じっています。小型サブマフラーを付けるとわずかに静かになります。

採用する仕様

 標準マフラーのバッフルを抜いた仕様はうるさいので候補にはなりません。それ以外で回転数が最も上がったのはHATORIの30NAの12,600r.p.mです。純正のE-3030(82g)より軽く、今回実験した仕様の中でENYA M251改に次いで軽量な73gなのも魅力です。
 HATORIの30NAを採用することにしました
 回転数ではM352Xのバッフル抜きに小型サブマフラーを付けた仕様もありなのですが、重いし二つの部品で構成されるという面倒くささもあります。

消音効果について

 バッフル抜きの仕様は問題外として、その他は破裂音が消えてこもった感じになっています。バッフルが入ってもサブマフラーが付いてもマフラー全体では2室構造になり、排気口の口径がほぼ同じということもあって五十歩百歩という感じです。
 また、バッフル付きのマフラーにさらにサブマフラーを付けても消音効果が上がるものではないことが分かりました。
 サブマフラーはうるさいマフラーを静かにするものであり、静かなマフラーをさらに静かにすることはできないということです。
 調べてみればオートバイのマフラーでも3室までです。部屋数を多くしても消音効果は上がらないのでしょう。

追加の実験-1、リング入りエンジンでは?

 OS 32SXで最高回転にセットしてから500r.p.m以上回転が落ちることが腑に落ちなかったのでリング入りのエンジンではどうなるだろうと考えて32SXでの実験の後、ヘリ用のリング入りのENYAのSS35を回してみました。
 M251の排気口の口径を8.4mmに拡大したマフラーで回してみると、ニードル位置を決めてから数分間運転しても回転はあまり下がらず12,700r.p.mを維持したままです。
 リング入りのエンジンだからこうなのか別の理由があるのかわかりませんが現象としてリング入りの35SSでは回転の低下はほぼありませんでした
 ヘリ用のエンジンがリング入りなのはこういうことが理由なのかもしれません。熱的に苦しいファンフライ機にはリング入りエンジンが良いという説をネットで見たことがあります。

追加の実験-2、小型サブマフラーの影響

 小容量のサブマフラーで消音効果があって出力低下が少なければかさばらず軽量になるというハッピーなことになるのでサブマフラーの容量の違いがどう影響するか確認しました。
 ENYA SS35には大口径(8.4mm)のマフラーが付いているのでものすごい爆音です。これに小型サブマフラー(出口の口径を7mmに絞った仕様)を付けると劇的に静かになりましたが12,700r.p.mだったのが11,800r.p.mに下がりました
 直径35mmのアルミ缶のサブマフラーでは出口の口径が同じ7mmで背圧が大きくても出力の低下はタコメーターで分からない程度でしたからサブマフラーの容積はかなり大きな影響があることが分かります。
 大容量のサブマフラーの実験結果は「2サイクルエンジンのマフラーの実験 爆音マフラーをサブマフラーで消音2サイクルエンジンのマフラーの実験」をご覧ください。

 ただし、32SXの実験でE-3030(口径6.4mm)やM352X(口径7mm)に小型サブマフラーを付けたデータを見れば、メインマフラーの出口(サブマフラーの入口)が小さければそこまでで背圧が上がっているのでその先に小型のサブマフラーを付けても出力の低下は少ないとが分かります。


 総合すれば、うるさい仕様(バッフル抜き)のマフラーに付けるのならサブマフラーが小型でも消音効果は結構ある、ただし、出力低下を避けるにはサブマフラーの容量を大きくしなければならないということじゃないでしょうか

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