小技、革砥で刃物を研ぐ
僕は切り出しを愛用しています。カッターより刃持ちが良くて頑丈なのですがなまってくれば研がなければなりません。研ぐたびに砥石を出して水を浸み込ませるのは面倒くさいので切れ味が悪くなってもギリギリまで頑張っていました。
ここ最近、吹き戻しトラップチャンバー、小型サブマフラーの製作その他でアルミやFRPを切り出しで削るという無茶をしたのでかなりなまってきました。
なんとなしにブッシュクラフト系の動画を見ていると革砥でナイフを研ぐ様子が紹介されています。
刃こぼれの修正は無理だそうですが(当たり前だよね)簡単に切れ味が回復するということなので試してみることにしました。
プロペラのすべり止めにするためにとっておいた靴用の革の中敷きを万能接着剤で木の板に貼り付け、ピカールを垂らしてこすってみました。
バルサを削るとささくれ立つ程度までなまっていたのが革砥で数十回こすると切れ味が復活してスタイロフォームもきれいに切れるようになりました。なまったカッターよりよい切れ味です。
ブッシュクラフト系にはこだわる人が多いので、そういう人用に革砥専用のコンパウンドがあるそうですが僕のような凡人にはピカールで十分です。
発泡ウレタン・発泡スチロールカッター(商品名)でも試してみました。これは刃がヘナヘナなので砥石で研ぐのが難しいのです。
スタイロフォームを薄くそいでみたらこのとおりです。こちらも良い切れ味になります。
今のところ新品のカッターの刃やひげそり用のカミソリの替え刃ほどの切れ味は出せていません。昔の床屋さんが革砥で剃刀を研いでいたのを見れば研ぎ方が上手くなればもっと切れ味をよくすることができるかもしれません。
革に柔軟性があるので刃を押し付けると革がへこみ、どうしても刃先がハマグリ刃のようになります。本職が使うノミやカンナの刃なみに研ぐのは無理でしょうが素人細工用の刃物の切れ味を維持するにはいいんじゃないでしょうか。
革砥は砥石より手間と時間がかからないのが良いですね。作業台の横に置いておいて刃がなまったなと感じたら簡単に切れ味を回復させることができそうです。
試しにカッターの刃でもやってみましたが尖端だけを研ぐのは超絶技巧が必要です。