年金生活フライヤーのブログ

ラジコン飛行機関連のブログ

SAITO FA-80 GKの整備、取説の怪、エンジンへの塗装

 クラブの会長の家で古い飛行機の再生(メカの積みなおし等)を手伝っている最中、ある機体でエンコンスティックを動かすとサーボがうなってエンジンがグラグラ動きました。
 スロットルバルブが固着して全く動かず、エンコンロッドでソフトマウントされているエンジン自体が押されたり引っ張られたりしていることが分かりました。調べると圧縮も感じられません。


 「SAITOに送ろうかな」というのを、簡単に直るかもしれないので「いじらせてみてください」といってエンジンを預かりました。

 降ろしたエンジンはこれです。ブリーザーニップルがクランクケースの後ろ蓋に付いているし、「80」の刻印があるのでFA-80 GKのようですがマフラーは以前の細長い筒状のタイプではなくて現行の82Bに付いているのと同じ細長い釣り鐘?のようなタイプです。SAITOのマフラーはいつ変わったんですかね。
 古いエンジンですがあまり回していません。

 キャブレターからスロットルレバーを外し、錆が出ているスロットルバルブにCRC 556を吹いてみました。現行の82BはOSのように「ローターストッパー」で止められているようですが、このエンジンは昔のOSのようにアイドル調整スクリューにスロットルローターのらせん状の動きをさせる機能とアイドルストップスクリューの機能を果たさせています。

 布を噛ませてラジオペンチで回したら「コキッ」という感じで回りだし、引き抜くことができました。合成油系燃料を使っているのでオイルは固まっていませんが錆で動きが渋くなっていたようです(これがひまし油なら錆は出なくてもヤニ状になったオイルで固まります)。
 歯ブラシで錆を落として組みました。摺動部ですから金属ブラシやペーパー、磨き粉のたぐいは使いません。


 圧縮がないのが気になったので、プラグを外し、ロッカーアームカバーを外し、クランクケースの後ろ蓋を外しました。何とも言えない酸っぱい匂いがして、クランクシャフトやベアリングが結構錆びていました。
 今回は分解して錆を取るまではするつもりはありませんが(自分のものでもないエンジンを頼まれてもいないのにそこまでいじってはいけないでしょう)、古い油だけは洗い落とそうと考え、どんな溶剤を使えばよいか取説を調べました。

取説が変

 エンジン付属の取説は「そんなの取っておいてないよ」ということなのでSAITOのサイトで調べましたがFA-80GKの取説はありませんでした。それに似た取説を読んでみます。
 現行のFA-82Bの取説には日常の手入れや長期保管のときはどうしろとかの記述はありません。一つ下のサイズ(同じ金型?)のFA-62Bの取説ではエンジンを錆びさせない止め方が書いてあるし、手入れのしかたも書いてあります。どういうことなんでしょう。書くだけのスペースがなくなったんでしょうか。


 FA-62Bの取説に「アルコールで洗え」と書いてあるからどこかにシリコンでも使っているのかもしれません(ENYAのように吸気管のシールにでも使っているのかな?)。
 アルコールは燃料自作用にたくさんありますからアルコールで古い油を流し、コンロの遠火であぶってアルコールを飛ばしてから油を注しました。


 油(クロッツのテクニプレートとアイエムのストックオイルを混ぜたもの)を注してクランクシャフトを回しているうちに強い圧縮が戻りました。バルブ周りやピストンリングがなじんだとかしたのでしょう。

エンジンの内側までなぜ塗装するのか


 このエンジンはGK(Golden Knight)ですからロッカーアームカバーが金色でエンジン全体が黒です。
 クランクケースの後ろ蓋(リヤカバー)を外すと内側の塗装が剥げていました。劣化した燃料用の潤滑油には剥離作用があるようです。
 外側に塗装することにはアルミに白サビが出るのを防ぐ効果が期待できます。このエンジンも10年以上使っていないかったようですがほこりを払えば外観はピカピカです。とはいっても廃油にさららされる内側まで塗装するのは止めた方がいいんじゃないでしょうか。

 爪でこするとどんどんはがれます。こんな塗料のカスがクランクケースに入っていて良いわけがないのでクランクケースと当たる部分を除き、はがせる所まで団子の串竹串ではがしました。


 外側に塗装するのに意味があるとしても僕としては好みではありません。ENYA 53-4CやYS 63のヘッドカバーは黒く塗装してあって最初はカッコいいのですが何年か使っているとハゲチョロになったので結局全部剥いでしまいました。

×

非ログインユーザーとして返信する