無人航空機登録とリモートID、ラジコン電波安全協会に問い合わせてみた
リモートID機器のお値段が驚愕の4万円超えであることに衝撃を受けてラジコン機1機に1個ずつのリモートID機器の搭載という事態を防ぐことができないかラジコン電波安全協会に問い合わせてみました。
ラジコン電波安全協会の見解は?
具体的なやり取りをすべて掲載しませんが、僕の印象ではラジコン電波安全協会(RCK)の方向性はリモートID機器搭載の回避に注力し、リモートID機器を搭載せざるを得ない場合での負担低減のための対応は低調な感じです。
以下、「この色の文字列」がRCKの回答をコピーしたものです。
「協会としては、極力、リモートIDを載せずにすむように、第一に事前登録、第二に特定空域届を進めています。」
クラブを登録しろ、リモートID機器の搭載が免除される特定空域で飛ばせという方向に注力している感じです。このやり方は妥当なものです。
スロープソアリングはどうするかと言えば、
「なお、特定空域の届出は、1クラブで複数の場所(空域)、許可申請よりも広い範囲(空域)でも届出は可能です。グライダーなどはより広い範囲で飛行させるように許可申請も広くとっていると思いますので、それに合わせて特定空域も広くしたり、複数箇所の地図を添付して届け出ればよいかと思いますので、ご検討ください。」
ということで、スロープグライダーを飛ばしたければ飛ばしたい空域を特定空域として届け出ておきなさいという感じです。
リモートIDについては
「法規を守っていただく必要があります。」
とうことで、リモートID機器を搭載するときの負担軽減のために何かしているということは明かしてくれませんでした。何もしてないかもしれません。リモートIDの搭載が必須のドローン(マルチコプター)をやってる連中は勝手に困っておけという感じです。
特定空域の申請をしていないクラブの会員やクラブに加入していないラジコンファンは事前登録した機体でも3年後にはリモートID機器を搭載しなければなりません(事前登録した機体の登録を更新する場合はリモートID機器の搭載は免除される状態が続くというのは希望的観測ではないでしょうか?)。
RCKはこういうラジコンファンのことは考えていない、というかラジコンをやりたいなら登録されたクラブに入りなさい、と言っている印象です。
まあ、間違った方針ではないですね。ラジコンファンの増大には貢献しないでしょうけど。
リモートID機能の免除だけでは済まされない
ラジコンファンでも6月20日以降マルチコプターを買おうという人はリモートID機器の搭載が必須です(リモートID機能内蔵式なんてのも売り出されかもしれませんけどね)。6月までの事前登録期間内に登録すればリモートID機器の搭載が免除されますが3年後に再登録するときはリモートID機器を搭載しなければなりません。
リモートID機器のお値段が4万円超えでは、趣味としてのマルチコプターは絶滅でしょうし、RCKに登録したクラブに入っていないラジコンファンも一緒に趣味を断念することになるでしょう。
クラブに入って無人航空機登録をしていれば大丈夫かと言えばそうでもなく、法令・規則を読むと、たとえ特定空域を飛ばす場合でも補助者なしで飛ばすときはリモートID機器の搭載は免除されないようです。一人で(補助者が確保できないときに)飛ばすのであればリモートID機器は積まなければなりません。
RCKは「ラジコンファンは必ず安全管理の補助者を立ち会わせて飛ばしている」と主張して国交省と交渉したんじゃないでしょうか。
クラブに入ってラジコン機を飛ばす場合でもリモートID機器が必要な局面は生じるわけでリモートID機器搭載の負担を軽減する策が必要だと思います。ここのところのRCKの見解がどうもはっきりしません。RCKのサイトでも良くわからないので機関紙?のラジコン技術を熟読する必要がありそうです。