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世界最小(と言われている)ガソリンエンジンNGH GT9-Pro奮闘記番外編 パワフルで静かな飛行を目指して①

 NGH GT9-Proを一応使えるようになるまでを奮闘記で述べてきました。
 ガソリンのオーバーフローで止まったエンジンのキャブレターを飛行場で分解したりという苦労を見てきた人は「良くあきらめなかったね」とほめてくれました。
 そもそも小型のガソリンエンジンに手を出したのは、32級、40級の中型機(F3Aをやっている人からは小型機?)用に使えるグローエンジンの代替の動力源が欲しかったからでした。1,800gくらいの機体を32エンジンで飛ばす、2300gくらいの機体を46エンジンで飛ばすくらいの感覚でガソリン機を飛ばすことができればいいなと思っています。


 マフラーの実験でOS 873マフラーはそのままでは絶望的、バッフルを抜いて尾管の口径を拡大しても出力不足でした。最も出力の出る仕様はオリジナルマフラー及びSlimline Qシリーズマフラーでした。オリジナルマフラーは消音効果が皆無な点で論外ということで出力はオリジナル並みで消音効果はOSより劣るもののそこそこというSlimline Qシリーズマフラーに戻りました。Slimline Qシリーズの出力減少を避けつつ消音効果を上げていく仕様を探ることになります。
 エンジンは飛ばしてみて調子を見なければしょうがないのでテストベッドになる機体が必要です。OS 873マフラー付きで飛ばしていた機体を改修しました。

 NGH-2です。僕は自作機に名前を付けてきませんでしたが、今回名前を付けることにしました。NGH GT9-Proを積んだ2号機だから「NGH-2」にします。出力に見合った寸法と重さにしました。主翼面積34dm2、重量2100g、全長はコンパクトカーの後部座席を倒さずに積めることを考えて1,200mmですから40クラスのスポーツ機としては小型軽量の方でしょうか。

 改造したのは主としてカウルです。新しいカウルを作るとしてもいつ完成するかわからないのでとりあえずOS 873マフラーに合わせたカウルを改修することにし、Slimline マフラーが当たる所を切り取りました。


 マフラーは結構大き目ですが概ね胴体のシルエット内に納まります。グローエンジン用のマフラーよりすっきりしそうです。機首を太くしてカウルを大きくすればマフラーを完全に隠すことができそうです(スケール機向き)。マフラーの後ろの脚取付け部のカバーは未完成品でこれから整形する予定です。
 この日はレデューサーを2種類用意しました。上の写真にある、出口をつぶしたタイプと前のブログでも紹介したパイプの内側に内径6mmのパイプをはめ込んだタイプです。マフラー出口の径を絞って音を小さくするのはバイクの車検準備みたいですね(バイク乗りは今もやっているんでしょうか)。

 〇レデューサーなし、〇内径6mmレデューサー付き、〇出口をつぶしたレデューサー付きの回転数を測りました。上空での排気音の聞こえ具合を確認するためそれぞれの仕様で飛行もしました。写真は内径6mmレデューサー付きのときの模様です。写真では10,600 r.p.mですが、10,700から10,500 r.p.mの間を変動する感じです。
 当たり前ですが回転数はレデューサーなしのときがわずかに上がります。具体的には、数字が107になっている時間が内径6mmレデューサー付きのときより長く、時々108が出るという感じです。ただし飛ばしてみてはっきり違いが分かると言うものではありませんでした。出口をつぶしたレデューサーは107になることはほぼありませんでした。作るのは簡単ですが音が劇的に静かになるわけでもないのでこれはボツですね。
 高速ニードルを突き詰めて調整するとレデューサーなしで10,800 r.p.m、内径6mmレデューサー付きで10,700 r.p.mがコンスタントに出ますが、安全のため30度くらいニードルを戻しています。
 NGH GT9-Proの高速ニードルは飛ばすたびにいじる必要があります(僕のエンジンだけかもしれません。メタリングチャンバーのガスケットを2枚にしているので標準仕様ではありませんから)。同じ仕様でも当日の最初の2~3回の運転では開き気味にしなければ回転が続かず、終わりの方は絞らなければ混合気が濃くなるという具合です。暖機不足か?とも思いますが理屈はわかりません。干からびて硬くなっていたダイヤフラムがガソリンを吸って弾力がもどり、ポンプ効果が強くなったとかいうのでしょうか。今回はレデューサーを付ける・付けないという仕様の違いもあって、飛ばすたびに再調整が必要でした。傾向としてはレデューサーを付けるとフルスロットルで混合気が濃くなります。低速ニードルは濃い目にセットしておいたので(この日は)いじらずに済みました。
 飛ばしてみると、レデューサー付きでも垂直上昇で加速するまではいきませんがスピードを落とさずにどこまでも登っていける感じですから3Dは無理でもかなりの曲技はこなせます。OSのマフラーを付けていた時とは別のエンジンを積んだような感じです。
 排気音を測るすべがないので感覚的になりますが、レデューサーなしで高周波の破裂音というか耳に突き刺さる刺激的な成分が混じるのに対し、レデューサーを付けると刺激的な成分が減ります。といってもバッフル付きのグローエンジン用のマフラー並みというわけにはいきません。
 グローエンジンとの比較です。
 4サイクルエンジンのENYA 41-4Cは20%ニトロの燃料でAPC 11×6を10,600 r.p.mで回しました。OS 46SFに873マフラー付けると5%ニトロのひまし油系燃料でAPC 11×6を10,400 r.p.mで回しました。NGH GT9-Proはこのあたりの実力だということです(ただしうるさい)。
 一方、OS 46SFにSlimline Qシリーズを付けたら5%ニトロで13,700 r.p.m(あまりに回りすぎますから計測ミスかもしれません)、OS 55AXに純正E-3071マフラー、5%ニトロで12,700 r.p.mですからこちらと比べればNGHはかなり見劣りします。 
 出力はこれ以上は出なさそうなのでこの出力を下げずに排気音を小さくする工夫をしてみます。

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