セルロースセメント?
セルロースセメントについて調べたことと実際に使ってみた感想をまとめます。
何セルロース?
釣りのルアーのコーティングなどに使うセルロースセメントには何種類かありますが僕が使ったのはオフィスアクセル(OFFIE ACCEL)のセルロースセメントDXという製品です。
http://www.office-accel.com/coating
この内の500ml缶を使いました。
このセルロースが酢酸セルロース(アセチルセルロース、セルロースアセテート)なら東邦化研で出していたドープと同じですが・・・
商品ラベルには「合成樹脂」としか書いてありませんし、販売元のサイトを見てもわかりません。これ以外の製品は僕が調べた限りでは大抵は「セルロース」としか書いてありません。釣りのルアーを作る人は何セルロースかは問題にしないのでしょう。
こちらの製品はニトロセルロース系と説明されていますが、この製品を出している業者が塗料や塗装材料の業者だから詳しく書いてあるのであって、釣り具の業者のサイトには詳しい説明は書いてありません。
正体はわからないのはオフィスアクセルのセルロースセメントも同様ですが、マスキングテープの糊をはがすときに自作燃料用の主成分がメタノール、イソプロピルアルコール(IPA)を数パーセント添加というアルコールでごしごしこすっても塗膜は破壊されないことは確認しました。ただし絹張り後にツヤが出てきた段階でアルコールでごしごしこするとツヤが引けます。影響がないわけではないようです。
写真でもわかりますね。ただしアルコールが飛んだ後は塗膜が柔らかくなるということはなさそうです。
アルコールにはどうにか大丈夫でもグロー燃料には強力な溶剤であるニトロメタンとどんな成分か何が入っているかわからない合成油が含まれています。
耐グロー性はテストピースで試すことにします。
セルロースセメントを使おうと考えている方は、ニトロセルロースが主成分だったとすれば耐グロー性に問題がありそうですから注意が必要でしょう。
オフィスアクセルのセルロースセメントは結構縮む
オフィスアクセルのセルロースセメントについて以前の記事で「あまり縮まない」と書きましたが、4日以上乾燥させて溶剤の匂いが完全に抜けたころにはかなり縮みました。
これは胴枠が入っていない部分の胴体側板の状態です。外側が縮んで反っていることが分かります。内側を補強すれば治りそうですから、電池やアンプの位置が決まったら追加の胴枠を入れることにします。
胴枠の間隔を50mm以下にした胴体上部の甲板張りの部分は幸いなことに竹の節状態にはなっていません。これからさらに3,4回塗る予定ですが反らないことを祈ります。
これまでの作業でオフィスアクセルの製品はドープサイザーを入れない東邦化研のドープ並みに縮むという感想を持ちました。
お断り
今後の実験はセルロースセメントの耐グロー性の確認になりますが、酢酸セルロースペレットを溶かした自作塗料の性能が良いので代替ドープとしてはこちらを主力にし、オフィスアクセル以外のセルロースセメントを試す予定はありません。したがって実験はオフィスアクセルの製品に限ったことになります。
セルロースセメントには収縮率が高いもの、それほどでもないもの、柔軟性があるもの、ないものいろいろありますから関心のある方は試してみてはいかがでしょうか。