ドープの代替塗料 能書き・予告編
僕は東邦化研のドープが入手出来ていた間はエンジン機は全て塗装仕上げにしていました。絹張りドープ仕上げにはいろいろ利点があるので東邦化研のドープ(酢酸セルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテート)の代替品を試すことにしました。
絹張りドープ仕上げへの意見
一番最初の頃はエンジンマウント回りも含め、胴体もドープで仕上げていましたが塗膜は溶けないまでもオイルが浸み込むのでウレタン仕上げに移行しました。
ドープは丈夫
それでも主翼や尾翼のように下にバルサがない所、僕らは「窓」と呼んでいますが、そういうところがある部分はドープ仕上げを続けました。窓をウレタンで仕上げたことがありましたが指を突っ込んだら簡単に破れました。一方、ドープ仕上げだと塗膜に柔軟性があるという意味で強靭です。
ということで窓の所を仕上げるにはドープじゃなければだめだなと考えています。
補修しやすい
ドープで仕上げたところは強くこすって白い筋がついてももう一度ドープを塗るとほぼ完全に元に戻ります。破れたとしてもつぎはぎができます。ドープの上にウレタンを塗るとかしていなければ補修は簡単です。
補修についてはこんな記事を書きました。
ウレタンでも直りますが手間が大変です。
手間がかかる
ドープは肉持ちが非常に悪いのである程度の仕上がりにするには10回以上塗らなければなりません。乾燥が早いので主翼くらいの面積を塗るときには次を塗るときには最初に塗ったところが乾くので乾燥の待ち時間が要らないくらいですが手間はかかります。
塗装の合間にサンディングするのですが、かなり乾燥が進まないとペーパーに塗料がからみつくので3,4回塗っては一晩乾かすという感じで作業をしていました。
軽く仕上がる
クリヤ仕上げならフィルムより軽く仕上がります。色を付けたらフィルムと同じくらいの重さになるかもしれませんけど。
総合的にはフィルム?
絹張りドープ仕上げは軽く仕上がるのですが、絶対的な強度はフィルムの方が上です。手間がかからないのもフィルム張りの大きなアドバンテージです。仕上がりの美麗さを気にしなければいフィルム張りの方が総合的に優れていると思います。
でも、ドープ仕上げの方が味わいがあるしフィルムの下に燃料が浸み込んでみすぼらしくなるということがないのがいいですね。
代替塗料
ひとつ前のブログ記事でセルロースセメントを紹介しました。テストピースレベルで試したところでは使えそうです。
ルアーのコーティング用ですから水には強いだろう、石に当たったり魚にかじられたりすることを想定しているだろうから強度(粘り)はあるだろうということで期待できます。
ただし、商品説明には「セルロース」とだけ書かれていてニトロセルロースなのかアセチルセルロースなのかブチルセルロースなのか、はたまたそれらの混合なのかはわかりません。ニトロセルロースでなければグロー燃料には耐えられます。
セルロースセメント以外の選択肢
久しぶりにネットをあさると射出成型や3Dプリント用に酢酸セルロース(アセチルセルロース)のペレットが売られているのに気が付きました。こういうものを素人でも手に入れることができるようになったのは3Dプリンターの普及のお蔭でしょうか。
酢酸セルロース樹脂 (500g) | Nature3D
商品説明にはアセトンに溶かして塗料を作れるという心をそそられる記載があります。可塑剤が入っているということはこれを使って作る製品のプラスチックとしての性能を上げているということでしょう。窓の部分に使ってもパリンと破れることは少なくなりそうで期待が高まります。
500gで「20%濃度」の塗料を作れるということは2ℓくらいの塗料ができることになります。500gで2,380円、アセトンは1リットルで1000円を切ります。本物のドープよりも安上がりになりそうです。
昔、セルロイドを溶剤で溶かしてニトロセルロースドープを作ったということです。それにならって酢酸セルロースの櫛とかアクセサリーをアセトンで溶かそうかとも思いましたがちゃんとした製品の方がよさそうです。早速注文しました。