FRP製品をいろんなやり方で作る⑦ カウルの加工
エンジンを防火壁に取り付けた状態でカウルを取り付けてカウルとエンジンが干渉するところがないかチェックして干渉するところがあれば直します。
このほかカウルのトリミングはマフラーの来るところの切り欠きがありますし、高速ニードルと低速ニードルへのアクセス用の穴も開けなければなりません。
プロペラシャフトが通る穴もカッコよくしたいしヘナヘナなカウルの補強も必要です。
つまり、カウルの形ができたあとでも加工しなければならないことがたくさんあります。
座繰り加工
こうした加工の前にマフラーがしっかり固定できるようにカウルの取付けネジの座繰り加工をしておきました。
バルサでの座繰り加工のやり方は何回か記事に書きましたが今回は相手がFRPです。皿ネジの頭の下側に樹脂を塗って皿ネジと座面をぴったりさせるわけですがどうなっているかというと・・・、
硬化後にネジを外すとちゃんとできていました。右の写真はもう一度付けた状態ですがだいたいツライチになっています。
キャブ周りのトリミング
エンジンを取り付けてカウルを止めてみると引っ掛かる所がありました。
予定ではキャブレターのインレットのパイプだけがカウルの外に出るはずでしたが機首を絞ったところでキャブレターの前の端がカウルに引っ掛かっていました。開口部はできるだけ小さくしたいのですが削らざるを得ませんでした。
ニードル調整用の穴
このエンジンは高速ニードルも低速ニードルもマイナスドライバーで調整する方式ですが調整するときにいちいちカウルを外すわけにはいかないのでドライバーを通す穴を開けます。
ABS等のカウルとは違って透明なのでニードルの位置が分かりやすいのは幸いです。外側からマジックで印をつけて穴を開けました。
ドライバーの軸が通って操作できることを確認します。
プロペラシャフトを通す穴をカッコよくする
この機体はスピンナーナット装備ですからドライブワッシャ周りの穴がきれいになっていないと美観が損なわれます。
ただ丸い穴が開いているだけではカッコ悪いので空気がきれいに流れそうな形にします。
左より右の方がカッコいいですよね。
こういう形にするには開口部に厚みを持たせて削るのが簡単です。この工作にはキャブの切り欠きが大きくなって弱くなった機首部分を補強する意味合いもあります。
厚みをかせぐ部材を作るのですがエポキシ樹脂だけで作ると重くなります。ガソリンが浸みることを考えるとバルサで作るのが無難ですが今回は大量に出るスタイロフォームの端材を使いました。
フロートやらカウルの原型やらを作って出たスタイロフォームの端材を切り出して4mm厚の板を作り・・・、
ドーナツ状にします。なぜ半円形の部品を2つ組み合わせて作っているのかと言えば、いっぺんにドーナツ状の形になる寸法の端材がなかったからです。
カウルの前に樹脂とスタイロフォームを削った粉で内側から固定し、クロスを被せました。スタイロフォームには樹脂が浸み込んで強度が上がるように虫ピンで穴をたくさん開けておきました。効果があることを期待します。
スタイロフォームはガソリンに侵されるのですが、グラスとエポキシで補強しておけばたとえピンホールからガソリンやオイルが浸み込んでスタイロフォームがぐずぐずになっても形を維持できるでしょう。
硬化後にチェックすると青の矢印で示したように泡ができています。外からは見えないし強度も大丈夫そうですから気にしません(自己正当化)。裏から見るとクロスに樹脂が浸み込んでいないところがありますから削り取りました。
開口部を大まかに開けて、きれいな円になるように直径40mmくらいのポリのキャップをグルーガンで仮止めしてキャップとカウルの隙間にマイクロバルーンを混ぜたエポキシ樹脂を流します。
最初に裏から流しましたが一回ではきれいになりません。
表側からも流します。
脱線、ネコが邪魔
家のネコは昼間はほとんど寝ているのですが目が覚めると「ニャーニャー」と鳴いて抱っこを要求します。日に5,6回は膝の上に乗のせてなぜてやらなければならないので作業能率が落ちます。