エルロンロッドカバーを作る③ 押さえ型
エルロンロッドカバーは先端が2次曲面ですし本体と縁がつながる所のRもあります。
雌型を作るのにも苦労しましたが、こういう雌型で製品を作るとき、クロスが型から浮き上がらないようにすることはほぼ不可能でしょう。
ということで製品用のクロスを雌型に密着させるための「押さえ型」を作ります。
押さえ型
押さえ型は、雌型から樹脂成型で作ることにしました。
雌型の内側にクロスが挟まるだけの隙間を確保します。
写真は手持ちのポリエステルのクロス、製品名はポリクロスです。
ポリクロスは厚さが0.1mmよりやや厚いくらいです。#200のグラスクロスは0.15mmでした(ノギスによる実測値)。
電工用のビニールテープの厚さは0.15mm、クロスよりやや厚めですからこれを雌型の内側に貼りつめます。
二次曲面ですからきれいには貼れません。エポキシの地が出ているところにエポキシ樹脂が接すれば完全に一体化してしまいます。
エポキシの地が出ている所でも離型できるようにPVA(の代替品)を塗ります。ワックスは後で処理が大変なので使いません。
適当な板の上にグルーガンで固定し・・・
エポキシ樹脂(パテ)を流します。
かさを増すためと強度を上げるためサーフェスマットをほぐしたものやスタイロフォームの削り粉などを練ったものを詰め込みます。
最後に蓋をして硬化を待ちます。
型の外側に樹脂が垂れています。ということは雌型に穴が開いていたのかもしれません。嫌な予感がしましたが・・・
無事外れました。PVAはほぼすべて押さえ型の方に移っています。
PVAとビニールテープをはがした状態です。写真の上が押さえ型ですが泡を噛んだりはあまりしていないようです。押さえ型にはビニールテープの継ぎ目が出っ張っていますがこれを削ります。
押さえ型と雌型でクロスを挟んでみました。しっかり締め付ければクロスは型になじみそうです。あとは離型をしっかりして製品を作れば良いわけです。うまくいけばいいのですが。