年金生活フライヤーのブログ

ラジコン飛行機関連のブログ

ストレート燃料の実用性検証 実践編

 グローエンジン用のひまし油系ストレート燃料の実用性の検証は、ストレート燃料の調合が終わり、テストベンチの補修が終わって準備が整いました。

ストレート燃料で回したら?

 まず全開運転をして出力がどれだけ落ちるか確認しようとしました。結論から先に言えば最高回転は変わりませんがニードル調整の感じが変わりました。
 以下は僕のエンジンに限ったことであるし、僕の個人的な感想であることをご理解ください(僕のブログを読むような人は先刻ご承知でしょうが)。

最高回転

 3.3%ニトロでのニードル位置から1/4回転開いて始動し、3.3%ニトロの燃料と同様、ニードルバルブを甘目の全開運転(ピークにしてから回転が落ち始めるポイント)にしてから1分後の回転数を取りました。

 最高回転はコンスタントに12,700r.p.mが出て、一時的に12,900r.p.mが出ます。これは3.3%ニトロの燃料と同じです。
 ニードル位置は1+5/40、1回転と1/8です。3.3%ニトロでは1+10/40(1+1/4)でしたから1/8回転絞っています
 同じ回転数なのにストレート燃料ではなぜ5コマ(1/8回転)も絞らなければならなかったかについての文系の素人なりに考えてみました。
 回転が頭打ちになるポイント(ピーク)は3.3%ニトロでもストレート燃料でも1+3/40くらいでした。3.3%ニトロで運転したときは回転が頭打ちになったポイントから回転が落ち始める寸前のところまでが7コマあって1+10/40になりましたがストレート燃料ではそのポイントでは混合気が甘くなりすぎて回転が落ちてしまうので1/8絞って1+5/40にしなければならなかった、頭打ちのポイントから下がり始める直前までの余裕が2コマしかなかった、という感じです。
 つまり、3.3%ニトロでは混合気を甘めにしても回転が落ちにくい、別の表現をすればニードルの調整幅が広いのでラフな調整でも大丈夫ということです。

低速運転

 3.3%ニトロの燃料での設定で様子を見るとしばらくは回転が続きますが、十数秒アイドリングを続けると止まりました。

 スロットルストップスクリュー(低速調整ねじ)を60度締めてスロットルをわずかに開けると回転が続くようになりました。


 スロットルを絞るとすぐに2,700r.p.mくらいに下がり、10秒くらいで2,500r.p.m以下になります。これで実用上は十分です。
 3.3%ニトロの時より低速運転の安定性が落ちたのでスロットルバルブを開いて止まらないようにしなければならなかったということです。

 機首上げ状態を再現するためテストベンチを上に向けてスロットル操作をしてみるとアイドルの回転数がわずかに上がりますが、燃料供給が足りなくなってエンストすることはありませんでした。
 スロットルレスポンスは最初から問題がなかったので低速ニードルには触りませんでした。

結論:ストレート燃料は使える、でも・・・

 今回の実験では、このエンジンに限ったことかもしれませんがストレート燃料でも行けるという感触を受けました。
 とは言ってもニードルの調整がシビアになったことと低速運転が少し苦しくなったことは確かですからニトロメタンの効果があることも確認できたわけです。3.3%程度のニトロメタンでも出力の向上は期待できないとはいえ扱いやすさを向上させる効果は明らかでした。また、ニトロメタンが入っていれば甘目の混合気でも出力が維持できるということは、無理してニードルを絞らなくて済む、オーバーヒートや焼き付きのリスクを減らすことができるということも言えると思います。
 僕としてはストレート燃料は使える、でも無理して使うほどのこともない、経済性と扱いやすさの両立を図るなら3~5%のニトロメタンの燃料がちょうどよいという煮え切らない結論になりました。
 もちろん主義としてストレート燃料を使うのなら使っても大丈夫だと言えます。

×

非ログインユーザーとして返信する