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小型ガソリンエンジンRCGF 10cc 奮闘記⑧ 消音編-2

 サブマフラーを製作するにあたり、純正マフラーでの回転数を測ってみました。現用のサブマフラーに7mmレデューサーを付けてSAIL 13×6を8,900 r.p.mで回していたのに対して9,200 r.p.mが出ました。
 300 r.p.mの差は大きくて飛ばせば違いが分かります。回転数の低下をこれより小さくする一方で静かなサブマフラーを作ることが目的です。ただし、僕の技術力の範囲内でです。


過去の遺産

 アルミのロウ付けでこんなものを作ったことがありました。ロウはきれいに流れていない、本体に溶けかかったところがある、フラックスが流れて広範囲に変色しているという有様です。うまくできたとしてもアルミが熱でなまされてヘナヘナになるので変形してデコボコになります。言っておきますがこれは生き残った製品であって、この背後にはこれよりひどい失敗作があります。
 幾多の失敗の経験から言えば、アルミは1mm以上の厚さがなければロウ付けは難しく(あくまで僕の技術では)、板厚が0.5mmもないアルミ缶でサブマフラーを作るのは困難です。ということで市販のアルミのスプレー缶を使ったサブマフラーは耐熱エポキシで組み立てていますからあまり凝ったものは作れません。


実験の準備

 最初は現用のサブマフラーの能力を再確認します。新しいサブマフラーを作るとしても、現用マフラーで成果が出ればその構造を踏襲、成果がなければ新しい構造を検討、ということになるのでこの実験は必要です。

 写真は別の記事にも載せた現用のサブマフラーとこれに付ける9mmレデューサー、追加の小型サブマフラーです。

 実験に備えて小型サブマフラーを固定するためのステーを作りました。成果がなければ取り外せるようにステーは2mmバルサの胴体底板に両面テープで貼りつけています。

 サブマフラーと小型サブマフラーの組み合わせを装備した全体像はこんな感じです。サブマフラーの仕様が固まったら胴体の下側を作り直して半埋め込み式にすべきではないかと考えています。


実験の手順と結果

 実験は次の順番で行いました。
① レデューサーなし(内径11mm×2、約190平方mm)
 サブマフラー自体でどれだけ回転が落ちるか確認します。サブマフラーに通したアルミパイプの内径は11mmですから純正マフラーの尾管の口径12mmとほぼ同じです。回転数は下がらないと予想しました。
 回してみると回転数は8,600 r.p.m、誤差の範囲かもしれませんが先日計った7mmレデューサー付きより回転が出ていません。高速ニードルの位置も同じでした。ということは背圧も変わっていないと考えられます。音は「バリバリ」という高周波成分が残っています。これはがっかりです。


② 9mmレデューサー付き(内径9mm×2、約127平方mm)
 次は内径9mmのレデューサーです。7mmレデューサーでの回転数の低下は背圧が高くなったためではないかと考えたのですが、回転数はレデューサーなしと変わらない8,600 r.p.mです。先日実験した7mmレデューサー付きとも変わりません。運転中にレデューサーを外した音を確認するとちょっとうるさくなったかな?という感じです。


③ 内径9mmパイプ使用の小型サブマフラー(内径9mm×2、約127平方mm)
 回転数は9mmレデューサーと同等、消音効果はそれを上回ることを狙った期待の仕様です。これはNGH  GT9-Proで断念したものですが復活を狙います。回転数は地上運転の段階で8,600 r.p.m。地上運転の段階でこもった音になったので期待を込めて飛ばしたところ上空でもバリバリ音が消えてグローエンジンに純正マフラーを付けたような感じになりました。着陸後に手元に戻して回転数を計ったら一時的に8,900 r.p.mが出て8,600 r.p.mに落ち着きました。8,900 r.p.mが出たのは場周飛行、着陸進入、タキシングでエンジンが適度に冷えたからかもしてません。小型サブマフラーの効果はありでした。


 高速ニードルはそれぞれの仕様で最高回転が出るようにいじったのですが、結果的にすべての仕様で同じ位置になりました。


実験結果の分析

 サブマフラーの排気流路(缶の中心を通るパイプ)は内径11mmなのでサブマフラーだけでは出力の低下は少ないだろうと期待したのですが、レデューサーや小型サブマフラーを付けても付けなくても回転数に差が出ませんでした。また、高速ニードルの位置は、サブマフラーのみ、先日計測した7mmレデューサー付き、9mmレデューサー付き、小型サブマフラー付きで変わりませんでした。ということは背圧(排気抵抗)も変わっていないようです。 これらから考えて、サブマフラー自体が出力低下(背圧・排気抵抗の増大)の原因だからその出口に何を付けても出力に変化がないと判断しました。
 一方で小型サブマフラーの効果が大きいことが確認できました。排気流路(缶の中心を通るパイプ)の内径は9mmですから排気抵抗は9mmレデューサーと同じ、消音効果は中に仕掛けがあるので単に流路を絞ったレデューサーを上回るということです。
 ほかのエンジンでの実験で、静かなマフラーにサブマフラーを付けても排気音が変わらないがうるさいマフラーにサブマフラーを付けると排気音が顕著に静かになるという結果を得ています。つまり、サブマフラーがうるさいから追加の小型サブマフラーの効果が表れたと判断しました。


今後の方針

 今回の実験で現用のサブマフラーが出力低下の原因であり、消音効果も十分でないことを確認しました。ということで新機軸のサブマフラーを作ることにしました。
 一方で、現有サブマフラー+小型サブマフラーの仕様で静かな飛行が実現でき、飛ばしてみても垂直上昇でぐんぐん加速するほどではないものの、どこまでも登っていくのでストレスなく飛ばせます。ということで新機軸のサブマフラーができるまではこの仕様で運用していくことにしました。

 1回飛ばしただけでシリコンチューブに差し込んだだけの部分から廃油が盛大に漏れています。とりあえずは排気漏れをなくしたいと思います。

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