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ラジコン飛行機にロゴを転写 ステッカーとは違うやり方

アメブロで公表していた記事に加筆し再構成したものです。アメブロで公開していた記事は、この記事を公開する前に削除しました。


 機体にステッカーを張ると見栄えが良くなります。


 とはいうものの、貼り付け式のステッカー(stikする(貼り付ける)からsticker(ステッカー)という。「貼り付け式のステッカー」では同語反復)は糊やフィルムの厚みがあるので近くに寄って見ると段差が気になります。写真上のステッカーに比べると下のステッカーは文字だけが貼り付けられるのでそれほど目立ちませんが近くで見れば段差が分かります(段差云々以前におまけにもらったり付録に付いてきたステッカーをベタベタ貼るセンスをどうにかした方が良い)。
 それに、オリジナルのステッカーを貼りたくなることもありますよね。そこでオリジナルの画像やレタリングを段差を作ることなく機体に転写ができる方法を試しました。


 手芸関係の情報をあさると鏡像印刷した写真や印刷物のインクの層を対象物に転写する手法が紹介されています。対象物に転写されるのはインクが染み込んだ紙の層だけですから段差はほぼなくなります。


 手芸(ハンドクラフトというとオシャレ)の場合はモッドポッジとかデコパージュ液とか言われる乾くと水に溶けなくなる専用の液や、その代用として木工ボンドとかセメダインホワイトのような酢酸ビニル系の接着剤でインクを転写します。僕は水性ウレタン塗料を機体の表面処理やいろいろなことに使っています。水性ウレタンの上に2液性のウレタンを塗ってもちぢみが出たりはがれたりしないことが分かっています。ということでこの技法をパクる採用するにあたり水性ウレタンニスを使うことにしました。
 まず原稿を作ります。ワード、エクセル、パワーポイントとかのファイルにネットから拾った画像を貼り付けたり、文字を書いたりします。文字やロゴは左右を反転します(鏡像にする)。僕は使い慣れているパワーポイントで作っています。使える人は画像描画ソフトを使った方が良いのでしょう。


 こんな感じでみっしり詰め込みます。
 インク層の転写に水性塗料を使うので家庭用のインクジェットプリンタで印刷するとにじみます(実験済み)からレーザープリンタで印刷しなければなりません。職場のプリンターで印刷するのはコンプライアンス上良くないのでやめましょう。僕が勤めていた職場では職場のプリンターで年賀状を印刷したヤツがいて問題になったことがありました。
 自宅で印刷してコンビニのコピー機でカラーコピーしても良いのですが電子データをコピー機に読み込ませて出力させる方が印字品質が良くなります。原稿をPDFに変換してUSBメモリに保存し、近所のコンビニのコピー機で出力しています。


 ロゴの輪郭ギリギリに原稿を切り出し、対象物の方は切り出したロゴ以外に転写用の水性ウレタンが回らないようにマスキングします(ロゴの周りの水性ウレタンは上にクリヤのウレタンを吹けばほぼわからなくなりますが最小限にした方が良いでしょう)。上の原稿と同じものを使った作業工程の写真に良いものがないので別のロゴ、別の機体の写真を使っています。Putolineが裏返しになってますね。
 対象物の表面と原稿の印刷面の両方にムラなく水性ウレタンを塗ります。ハケや筆よりスポンジブラシの方がムラが出ません。原稿だけに水性ウレタンを塗れば対象物のマスキングは要りませんがインクがしっかり転写されずにかすれてしまう危険があります(文字を転写するのであれば部分的にかすれることでステンシルでスプレーしたような感じなってかえって良いかもしれません)。インクをしっかり対象物に移さなければならないので、原稿側はインクの層に水性ウレタンが浸みこむようにしっかり塗ります。

 申し訳ありませんがサンプルが変わりました。アイスの棒は必須ではありませんがこの時は使いました。印刷面を対象物に載せます。
 画像では分かりにくいでしょうが、対象物はマイクログラスをエポキシで貼って軽くペーパーを掛けた段階で、ウレタンのクリヤを吹く前の状態です。


 またサンプルが変わりました。気泡が出ないように原稿を対象物に密着させ、さらに上から霧を吹いて紙を通して対象物が見えるくらいまで水を浸み込ませます。これでインクの層が対象物に密着しやすくなり、密着の具合も確認しやすくなります。密着していないと色が抜けるので丁寧に押し付けます(対象物がへこまないように力は入れすぎない)。


 貼り終わったら完全に乾燥させます。次の工程で水を使うので一晩おいた方が良いでしょう。


 またまたサンプルの写真が変わって原稿の写真と同じものに戻りました。完全に乾いた後、水で濡らして指の腹で紙をこそげ落とします。インクの層がはがれますから歯ブラシなどは使ってはいけません(「いけません」と書いたのは歯ブラシを使ってはがしたことがあるからです)


 インクの層が見えてきたら作業はますます慎重に行います。光線の関係でマイクログラスの目が見えますね。


 紙をはがし終えた状態です。Eの右側、Dの下の方などに薄く紙が残っているのがわかりますが、インクがはがれたら困るのでこの程度にします。湿らすとわからなくなる程度に残っている紙ならクリヤを吹けば分からなくなるので無理して全部はがそうとしない方が得策です。

 ウレタンを吹いた状態です。インクの層がウレタン塗料に沈み込んでいい感じになります。ご覧のとおり段差はほとんど見えません。耐水ペーパーをかけてもう一度ウレタンを吹けばバイクのカスタムペイント並みのピカピカの仕上がりになるかもしれませんが飛行機なのでそこまではしません。
 お気づきでしょうが、原稿で白の所は透明(インクなし)になります。白を再現したいときはロゴを貼る部分をあらかじめ白に塗っておく必要があります。


 このやり方をラジコン機でやっている人はあまりいなさそうなので投稿しました。費用が発生するのは水性ウレタン、スポンジブラシの購入費とコンビニでのコピー代くらいですからきわめて安価です。

 一言お断りしておきますが、「オレもやってみよう」という方(いるんでしょうか?)は実物でやる前に必ずテストピースで練習してください。これはMDF板で練習した写真ですが試行錯誤のあとが見られます。特別難しい技術ではありませんが何回か練習してコツを身に付けておくことをお勧めします。


 こちらは作業手順が確立していない段階の、対象物だけに水性ウレタンを塗っていた頃の作品です。ご覧のとおり、微妙な結果になります。インクが完全に転写されず色が付いていない部分がありますが、原稿側に水性ウレタンを塗っていなかったため、
①対象物の表面がデコボコで原稿が浮き上がった部分があり、そこのインクが転写されなかった、
②原稿のインクの層に水性ウレタンニスがきちんと浸透しなかった(対象物に塗った水性ウレタンニスだけでは不十分だった)ということです。
 このほか、文字の内側やロゴの周囲の白(インクなし)になるべきところがうすら汚く色が付いています。原稿の段階で色が付いているとそのまま転写されますから取り込む画像はチェックする必要があります。

  こちらは元の画像が荒かった例です。画像がそのまま転写されますから、ピクセル数の小さい(こういう表現でいいんでしょうか。ピクセル数と言わないまでも画像の容量は画像をコピーするときとかに分かります。)荒い画像を使うと「カクカク」なところがそのまま転写されます。企業のロゴを原稿にするときは企業のウェブサイトのサムネール画像は荒いことがあるので注意が必要です。僕は使ったことはないのですが(巡り合ったことがない)ベクター画像のデータならカクカクしないのでしょうね。


 「オレもやってみよう」と思うもの好きな方は、動画も含めてネット上にやり方がたくさんアップされているのでそちらも参考にしてください。「写真」、「転写」で検索すると参考になる情報が得られます。
 僕と似ているやり方を動画で公表している方がいます。ここまで読んできてご苦労様ですがこの方の動画を見た方が分かりやすくて良いと思います。リンクを貼っておきましたのでご覧になってください。「この人の動画を見てパクったんだろ」と言われそうですが、この方の動画を見ていれば最初から原稿と対象物の両方に水性ウレタンを塗っていました。ただし、いろんな人の情報をパクっている参考にしているのは事実です。

 この動画の方は水性アクリルニスを使っています。僕は水性アクリルニスで試したことがないのですがウレタンニスのほぼ半額のアクリルニスが使えれば経済的です。

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