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世界最小(と言われている)ガソリンエンジンNGH GT9-Pro奮闘記 新たな挑戦

 11月29日、20日ぶりにNGH GT9-Proを回しました。この日は前回飛ばしたときより高速ニードルを180度開かなければ運転が続きませんでした。3回飛ばして前回と同じ位置まで締めることができましたが、フルスロットルで回転が安定しません。9,400 rpmと8,000 rpmの間で2,3秒周期で回転数が上下します。エンストはしないので飛ばすことは飛ばしましたがフルスロットルで「ウワ~ン・・・ウワ~ン」とうなりを上げます。これは困ります。
 燃料供給が不安定なのはわかりますがなぜこうなるのか理屈が分かりません。一縷の望みをかけて初心に帰ってメタリングダイヤフラムを含むメタリング系統をメーカー指定の状態に近づけることにします。

 キャブレターだけ外せばいじることができますがキャブレターは脱落防止のためにエポキシ接着剤でエンジンに固定していますからエンジンをマウントごと外しました。配管、配線、リンケージを外せばねじを4本緩めるだけでマフラーを外すことなく取り外せます。

 メタリングチャンバーの蓋を開けてガスケットとメタリングダイヤフラムを外すとこうなります。くぼみのある金具(メタリングレバー)がダイヤフラムに押されると左側のメタリングニードルを引っ張り上げる仕組みです。

メタリングレバーの高さを調整する

 メタリングレバーの高さによってエンジンの調子が変わります。キャブレターの表面より1mm弱出っ張っています。


 2020年4月にメーカーに燃料が流れっぱなしになる問題についてメールで問い合わせたところ、「Keep the heighth of the shrapnel paralleled to the surface. If it is lower the surface, it is opened all the time, so the carburetor is flooded with fuel and the engine stop.」との回答がありました。「shrapnel」はメタリングレバー(針閥揺臂)のことだと思います。「flush」ではなく「paralleled」にしておけということがレバーの頭を表面と同じ高さにすることだろうか不安でしたが説明のビデオを見ると高さを一致させるようです。
 そのためにはレバーを曲げなければなりませんが、これまではレバーが折れるのを恐れてガスケットを追加してメタリングダイヤフラムの方をかさ上げしていました。

 今回は予備部品がありますのでもし折れても交換できます。


 新品(予備部品)を袋から出して使用中の部品を比べると曲がり具合は同じです。これでは予備の新品と交換しても意味がありません。


 曲げて折れても交換できると考えて使用中のレバーを曲げました。ばね鋼という感じではないので曲げることができました。次は組立です。


 こういう細かいものを組み立てなければなりません。バネが飛んでいかないように注意します。


 組み込んでみるとメタリングレバーはキャブの表面とほぼ面一になりました。


 WalbroがWebで公開しているビデオではメタリングレバーをキャブに付けたまま細いドライバーでこじって高さを調整していました。そういうやり方ではあちこちに傷が付きそうなのでこんなやり方にしました。


 メタリングダイヤフラムとキャブ本体にガスケットを2枚はさんでいましたが、1枚に戻して組み立てました。これでメタリングチャンバーの容積は元の仕様に戻ります(容積は関係あるのかな?メタリングダイヤフラムの働きが良くなるかもしれません)。


 こうしたことで、買った当初の状態(買った状態では始動すらしなかった)ではないですが、メーカーが指定する状態になったことになります。

組立・取付け

 エンジンを積んでカウルを付けます。カウルはL字型のピアノ線を差し込んで止めます。固定用のピアノ線はさらに細いピアノ線で抜けないようにします。


 カウリングを付けてピアノ線で固定するとこうなります。カウルの上と下、2本のピアノ線で固定します。取付け、取り外しに工具はいりません(さりげなく自慢)。

検証実験

 午前中に作業を終え午後から試験のために飛行場に出発です。主翼も持っていきますが、調子が悪ければ飛ばさないという強い意志を持ちます。

 始動しなかったらそのまま持って帰らなければならないなと思いながら機体を組み立ててエンジンを掛けたらあっけなく始動しました。前日のニードルセットのままフルスロットルまで回ります。

 回転数は9,500~9,600 rpmがコンスタントに出ます。フルスロットルで回転が不安定になることはありませんでした。高速ニードルの位置は1.5回開いたところになりましたから、取説にあった1.75回開くという初期値からは大きく離れていません。
 うれしくなって飛ばしましたが風が強くなったので飛ばすのは1回だけにしました。


 理屈はわかりませんが現象としてうまく回るようになりました。この状態が続けばありがたいのですが、NGH GT9-Proにはいろいろ悩まされてきたのでまだ安心できません。長期的に様子を見なければなりません。次はしばらく時間をおいて、ダイヤフラムが干からびた状態(本当に干からびるのであれば)になってからどうなるか調べたいと思います。

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