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ENYA 41-4C 運用記 導入編

 ENYAの4サイクルエンジンとしては53-4Cがベストセラーで、OS52FS、SAITO 56、62、YSの53、63が出て来るまで市場を席捲(?)していたような感じです。僕のクラブでも僕を含め4~5人が使っていました。この53-4Cの下のクラスのENYAの4サイクルエンジンとして41-4Cがあります。

ENYA 41-4Cの概要

 ENYAのサイトに掲載されているENYA 41-4Cの画像です。ENYA 41-4Cは現状入手可能な4サイクルエンジンでは最小の部類です。SAITOのFA40aより重いのですがカッコ良さは随一です(個人の感想)。41-4CはENYAのカタログには掲載されていますがENYAに問い合わせたところ2021年現在では生産していなくて代替品は36-4C AL-CHRO TNになるそうです。
 今使っているENYA 41-4Cは、10年前に模型屋さんの店頭に1台だけあったものを買ったものです。模型屋さんが問屋から仕入れる時は1台だけ仕入れるわけにはいかないのでお客さんが「これをほしい」といって注文した場合、抱き合わせで何台か仕入れなければならないそうですから(という話を聞いたのですが本当ですか?事情に詳しい人はいませんか?)余っていたのでしょう。このやり方でENYA61CXとENYA40XZも買いました。
 ENYA 41-4Cではエンジン本体(シリンダーブロック) の型を新規に起こし、主要部 (ピストン、シリンダー、クランクシャフト、タイミングギヤシャフト) を新規設計していますが、シリンダーボアは先行の46-4Cと同寸 (ピストンリングの部品番号は同じ。)、バルブ、カムシャフト、シリンダーヘッド、キャブレター、マフラーは46-4C及び53-4Cと共通で、46-4Cのストロークを減らして全体をコンパクトにしたバージョンという感じです。
 ENYAの小型4サイクルエンジンには初期型にはGCキャブが付いていましたがいわゆるスロー絞りがお仕着せで、倒立搭載では安定した低速運転ができませんでした(スロー空気調整ビスを全開にしてもアイドルの混合気が濃かった)。その後、対向ニードル(?)式のTNタイプのキャブになって倒立でも運用しやすくなりました。

 Model Airplane News 1997年1月号にGCキャブ、旧型マフラー仕様のレビューが掲載されましたが、その記事ではトルクカーブが平坦なので幅広い寸法のプロペラを回すことができ、10%ニトロの燃料、マフラーなしで0.74 hp @ 14,900 r.p.m. を出すと記されています。最高出力を出す回転数はシニューレになる前の2サイクルエンジンと同等です。この出力曲線はキャブの吸気面積が小さい(5.5mm)CG型のものですからキャブの口径が大きくなっている(6.5mm)TN型ではもう少し回るんじゃないでしょうか。
41-4Cのバルブタイミングは取説では
吸気開: 20°BTDC ~ 吸気閉: 60°ABDC(260°)
排気開: 60°BBDC ~ 排気閉: 20°ATDC(260°)
となっていますが、同誌による実測値は
吸気開: 46°BTDC ~ 吸気閉: 88°ABDC(314°)
排気開: 93°BBDC ~ 排気閉: 49°ATDC(322°)
であり、バルブオーバーラップは95°になっています。
 バルブ、カムシャフト、シリンダーヘッド、キャブレター、マフラーは46-4C及び53-4Cと共通で行程容積だけ少なくなっているので理屈から考えると構造は頑丈、出力は結構出るということになります。
 実際に20%ニトロの燃料で回すと、5%ニトロの燃料で回すOSの32SXやENYAの35Xを上回る力が出ます。また、53-4Cでは大き目のプロペラでニードルを絞ると「ブチッ、ブチッ」、「キン、キン」と異常燃焼が起き、飛行中に「ガツン」と言う感じで早期着火(自動車業界で言う「メガノック」(?))が起きてエンジンが止まり、ドライブワッシャごとプロペラが飛んでいくこともありました。一方、41-4Cでは圧縮比が低いのでしょうか*、このエンジンとして大き目のAPC 11×7を10,000 rpmくらいで回しても異常燃焼はほぼ起きません。
* Model Airpane Newsによれば圧縮比は6.9だそうです。46-4Cとボアが同じで46-4Cと同じシリンダーヘッドですから燃焼室の容積は同じです。これで行程容積が減っているので圧縮比は小さくなるのかもしれません。

どこをいじったか

 10年近く使ったエンジンなのでいろいろといじりました。特別な工具がない素人が手を出せる範囲でしかいじっていません。
大したことのないものとして
・エキゾーストマニホールドの交換
 枝分かれしていないのにマニホールド(Manifold、多岐管)とはこれいかに
・マフラーやサブマフラーの実験
・キャブレターへの吸気管の追加(吹き返しによる油汚れの抑制)
・プラグヒート用クリップの追加
・リモートニードル仕様への改修(純正ニードルバルブの消耗対策)
があり、大掛かりなものとして
・クランクケース換気システム(?)の追加
があります。順次これらについて記事にしていきます。

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