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ENYA 41-4C 運用記 クランクケース換気システム 序章-2 実例

 YSの4サイクルと同じようにクランクケースやロッカーアーム室に新鮮な混合気を供給すれば4サイクルエンジン内部の錆をかなり防ぐことが期待できます。どうやって実現すればよいのでしょう。
 脱線ですがYSエンジン以外でもクランクケースに混合気を導く仕組みの4サイクルエンジンを自作している凄い人がいます。

 URL: http://tachino.o.oo7
 このエンジンは2サイクルエンジンのようなシャフトロータリーバルブで混合気をクランクケースに吸入し、加圧された混合気をクランクシャフトの下からサージタンク的なものを経て吸気孔に混合気を導いているようです。考え方はYSエンジンと似ているようです(YSのディスクバルブの代わりにシャフトロータリーバルブ?)。ENYAの4サイクルならこの人の考えを適用しやすそうだなとは思いますがよほどの技術がなければ真似はできませんね。
追記:このエンジンについて当てずっぽうなことを書きました。Uコンのエンジンについて調べていたら下のリンクのようなページを見つけました。製品化されていたかもしれません。


 マネできそうな仕組みを模索します。まず、実物エンジンからです。

混合ガソリンで回す実機4サイクルガソリンエンジン

URL: http://www.shindaiwa.co.jp/download (リンク切れ)
 発電機や農機具を作っている新ダイワブランドには混合ガソリン仕様の4サイクルエンジンがあります(ありました?)。これは、クランクケースリードバルブ式の2サイクルエンジンのようにリードバルブで混合気をクランクケースに吸い込む仕組みになっています。混合気はクランクケースからロッカーアーム室、吸気バルブを経て燃焼室に吸入されます。リードバルブが付いているのでインテークマニホールドに混合気が逆流しにくく、YSエンジン同様の過給効果もあるようです。
 実物エンジンにはもっと簡単な仕組みのものがあります。

(URL: http://www.omkihan.com/maintenance/tech/4mix/4mix.html)
 チェンソーで有名なドイツのスチール社(STIHL)は4MIXというシリーズの4サイクルエンジンを出しています。これは吸気マニホールド、ロッカー室、クランクケースをバイパスでつないで混合ガソリンの混合気を行きわたらせてクランクシャフトやバルブカムの潤滑をさせる仕組みになっています。リードバルブやチェックバルブのようなものは付いていなさそうなので燃焼行程でピストンが下がるとき、混合気が吸気マニホールドに逆流しないか心配ですが製品として出ているくらいですから大丈夫なんでしょう。
 STIHL社は動画も公開していますが、言っちゃ悪いのですがわかりにくいですね。

 実機エンジンで新鮮な混合気をエンジン内部に導く目的は防錆ではなく(混合ガソリンなら錆びにくい)エンジン内部の潤滑の確保でしょうがこの原理はマネできます。

マネできそうな参考になる模型エンジンの仕組み

 これはOSのサイトの新製品情報に載っていたOS56αの販促資料のプリントスクリーン画像です。56αシリーズはブリーザーニップルがなく、クランクケースのブローバイガスをプッシュロッドパイプ、ロッカーアーム室経由で吸気ポートから吸い込む設計になっていました。OSがこれを「オイルリターンシステム」と呼んでいたことを考えると、クランクケース内に混合気を導入することを目的としたものではなかったようです。とはいってもエンジン内部のブローバイガスが吸気ポートに吸い込まれるということはインテークマニホールド内の混合気がクランクケースに流れるということでもあります。販促資料の「エンジン内部の潤滑性も適切なものとすることに成功」のくだりは新鮮な混合気由来の潤滑油がエンジン内部に供給されることを意味しているのかもしれません。
 その後、αⅡシリーズになると元のブリーザーニップル付きに戻りました。これを考えると効果がなかったか悪影響があった可能性がありますが、一旦は製品化された仕組みですから試す価値はあります。OS56αの仕組みをパクってにインスパイアされてクランクケースの換気(クランクケースへの混合気の導入)の仕組みを実現しようと考えました。


 次回以降はENYA 41-4Cを使った各種仕様の「模索編」になります。失敗事例も正直に書いていきます。
 エンジン本体を少々いじりましたがエンジンを一台犠牲にする根性はありませんので効果がないか悪影響が出た場合には元に戻せるような加工だけにしました。

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