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ENYA 41-4C 運用記 クランクケース換気システム 序章-1 防錆

 今度の記事は文字ばかりです。言っておきますが、僕なりにいろいろ調べて間違えたことは書かないよう努めていますが文系の人間が言うことですから鵜呑みにしないで「こんな考えもあるんだな」くらいにしておいてください。

4サイクルエンジンはなぜ錆びやすいのか

 4サイクルグローエンジンの内側はたいてい錆びます。僕のエンジンだけなら「お前の使い方が悪いんだろ」ということになりますが、ほかの人のエンジンも錆びています。ただし、YSの4サイクルは錆びません。
 錆びやすい理由はエンジン内部の潤滑をブローバイガス由来のオイルに頼っているからだといわれています。どういうことでしょう。
 4サイクルエンジンの潤滑はブローバイガスと共にシリンダーとピストンの隙間から漏れたオイルに頼っています。ブローバイガスの主成分は混合気が燃えた後の排気です(新しい混合気が圧縮工程で漏れることもあるでしょうが微々たるものでしょう。)。ブローバイガスの成分を考えてみましょう。
 メタノールとニトロメタンが反応式どおりに燃えれば水(H2O)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)が生成されます。しかし、内燃機関の混合気の実際の燃焼ではこれ以外に、ホルムアルデヒド(HCHO、メタノール由来)、ギ酸(CH2O2、メタノール由来)、窒素酸化物(NOX、ニトロメタン由来)、一酸化炭素、未燃焼の炭素粒子(煤)も生成されます。また、未燃焼のメタノールとニトロメタンの蒸気も含まれるでしょう。
 これらの生成物やニトロメタンは水に溶けると酸性の水溶液になります。特に運転温度が低ければ燃焼で生成された水蒸気が凝縮して液体の水が生成されますから濃い混合気(燃料が不完全燃焼)かつ低温で回るエンジンの内側は酸性の水溶液と熱にさらされて劣化したオイルのミストをエンジンの部品が激しくかき回しているという恐ろしい状態になっています。
 SAITOの取説に「エンジン停止の時混合気の多い状態でエンジンを停止すると、クランクケース内部のベアリング等が錆る事がありますので停止前に最高回転で10秒位運転させて、燃料をカットして停止させます」(単気筒グローエンジンの取説、http://www.saito-mfg.com/Adobe/single4st-manual.pdf)と書いてあります。SAITOはなぜ「最高回転で10秒くらい運転」させなければならないのか説明していませんが、僕としてエンジン内部にブローバイガス由来の酸性の水溶液や未燃焼の燃料をためないようにする、又はたまった液体を蒸発しやすくさせるためだと理解しています。

錆を防ぐには新鮮な混合気を供給すればよい

 YSの4サイクルエンジンはその日の最後に給油系統やクランクケースに残った燃料をすべて燃やすように運転すればまず錆びることはありません。YSエンジンではクランクケースに新鮮な混合気が供給され、加圧されているのでブローバイガスがクランクケースに漏れることが少ないからでしょう*。
* 2サイクルエンジンはクランクケースに新鮮な混合気が供給されますが排気口から逆流した排気も流れ込みますから錆びないことはありません。しかし、クランクケースが外気に開放されているのでエンジン内部の未燃焼のメタノール、ニトロメタン、水、酸性の水溶液が蒸発しやすいので4サイクルエンジンより錆びにくいと思います。
 ということでクランクケース内の環境をYSの4サイクルエンジンのようなエンジンにやさしいものにする工夫してみました。クランクケースに新鮮な混合気を供給してブローバイガスをできるだけ排除できることを目指しました。名付けて「クランクケース換気システム」です。

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