小型ガソリンエンジンRCGF 10cc REの消音、テストスタンドを作る
ガソリンエンジンのマフラーの実験ですが、現用の機体ではその構造上マフラーの交換をするたびにエンジンを降ろさなければなりません。それでは時間を開けて排気音を聞き比べることになるので排気系の仕様の違いによる音の変化が判断できません。そもそも飛行場で機体をひっくり返してエンジンを降ろすのは現実的ではありません。
ということで、排気系の仕様を手早く変えることができるようにテスト用のスタンドを作ることにしました。
アルミ缶マフラーの性能が優秀ならそれがぴったり納まる機体を新造しようと考え、その機体用のエンジンマウントを作って、それをテストスタンドに取り付けることにしました。
新造機の設計図(と言っていいのかな?)を作るのと並行してテストスタンドの図面を引きました。
図面はエンジンとか側板とかの構成部分ごとに何枚かのレイヤーに分けて引くのですが、エンジン・マフラー・エンジンマウントのレイヤーに重ねて新しいレイヤーにテストスタンドの図面を描きました。新造機はエンジンを倒立にする予定ですから上下が逆になっています。
エンジンマウント
テストスタンド用に作るエンジンマウントはテストが終われば機体に取り付けるのでちゃんと作ります。
これは設計図です。水色の線でエンジンとマフラーのシルエットをおおざっぱに書いておきます。作る本人が分かればよいので殴り書きです。
エンジンの取付けは、エンジン側のエンジンベッドに付けたゴムブッシュを介してマウントに取り付ける防振構造です。こんなものでも耐久性はあります。
ゴムブッシュ(防振ゴム)のラベルには「本来の用途以外には使用しないでください」と書いてありますが、小型発動機やコンプレッサーの取付け用とも説明されているので大丈夫でしょう。
エンジンボートでエンジンマウントを船体に取り付けるのに使われているのと同等の製品でしょうか。
エンジンマウントは木製です。本当は桜とかブナとかが良いのでしょうが、最近ではホームセンターで見つけたユーカリ材を使っています。柔らかいのでホウの木と同じように加工しやすいのがいいですね。木目はラワンのように荒いのですが工夫次第では使えます。
作業の都合で5mm厚の板材の組立て構造です。切り出した部材は印刷した設計図の上で組み立てます。
ユーカリ材は柔らかいので直にエンジンベッドを取り付けるわけにはいきません。
エンジン側に付けたゴムブッシュ付きのエンジンベッドが沈み込まないように内径4mmのアルミパイプで枕材?を作ってユーカリ材にはめます。
図面通りに穴を開ける技術はありませんからブカブカの穴を開けて隙間をエポキシで埋めるといういつもの工法にします。
エンジンベッドに枕材をはめて、アルミパイプにエポキシを少しつけてエンジンマウントの穴に差し込みます。
こんな具合に位置を決めてアルミパイプを固定したらエンジンマウントを一旦ばらしてエンジンの裏側にできたアルミパイプのでっぱりをならします。
エンジン側と裏側でアルミパイプがエンジンマウントとツライチになるようにアルミパイプはわずかに長めに切っておいて後で修正するという素人に適した工法です。
エンジン側のアルミパイプは最初から平面にしておいたので概ねツライチになっています。エンジンベッド側のゴムブッシュでユーカリ材がこすれてしまわないように0.5mm厚のアルミ板を張っておきます。これでエンジンベッドの取付けでナットを締め込んでもユーカリ材は沈み込まなくなるはずです。
ばらしたエンジンマウントをもう一度組み立ててエポキシで一体化させます。ユーカリ材にエポキシが浸み込みやすくなるように「硬化促進加熱箱」で加熱しています。
この季節になれば天気の良い日中なら青空駐車の車の中でも1時間くらいで樹脂が硬化します。大物のエポキシ処理には都合が良い季節になりました。
これはこてる32の脚取付け部のエポキシを硬化させるために車に入れた時の写真です。
次はテストベッド本体とマフラー取付け部などの製作です。