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小型ガソリンエンジン RCGF Stinger 10cc RE用サブマフラーの製作-3、1本目の組み立て完了

 2本組サブマフラーの片方の工作を進めます。部品を接着して本体を組み立てます。

接着剤

 接着剤は愛用のJBウェルドです。JBウェルドを置いている店は少ないのですが、僕の場合、近くのビバホームに置いてあるので助かっています。JBウェルドにはオートウェルドとクイックウェルドがありますが、耐熱性と強度はオートウェルドが勝りますし作業時間が確保できるのでオートウェルドを使います。

 この接着剤は主剤と硬化剤の粘度が全然異なるので(ロットによって違うのかもしれません)以前の記事で紹介した「エポキシ接着剤用等量押出シリンジシステム」は使えません。


 「等量押出シリンジシステム」を使わずに少ない量をちびちび使うと正確な比率で混合するのが難しいので多めに混合します。使い切れない分は何かの容器に入れて冷凍庫に保管しておけば(奥様の了解を取っておきましょう)2、3日は使えます。

後蓋とパイプの接着

 本体、後蓋、パイプをいっぺんに接着しようとすると接着剤が十分に回らないところが出るし、ここを固定していたらあっちがずれるというように収拾がつかなくなります。

 そこで2回に分けて組み立てます。最初は後蓋の外側だけに接着剤を盛ってこの状態で固定します。仮止め段階ですね。

 硬化を促進するためこんなものを使います。名付けて「硬化促進用加熱箱」です。
 熱湯を入れた500mlのペットボトルを入れて蓋をしておくと箱の中は40度以上になって、JBウェルドや24時間硬化型エポキシ接着剤は2時間くらいで取り扱えるような硬さになります。小物をエポキシ処理したときはこれを使っています。まあ、湯たんぽですね。電熱器やサーモスタットなどを仕込んだ「装置」レベルの道具を使っている人もいますが僕のレベルではこれで十分です。
 熱湯を入れるとペットボトルは変形しますが(僕の経験では)口金と蓋は変形しません。 アルミの飲料缶なら熱湯を入れても変形しないだろうと思われるかもしれませんが、収縮・膨張を繰り返すうちにアルミ缶がベコベコになり、やがて細かいクラックが入って加熱箱の中が水浸しになります。


 春から秋にかけての晴天の日中は青空駐車の車の中に入れて同じ効果を得ています(やってる人は多いだろうな)。

全体の組立て

 加熱箱に入れておいて2時間後に後蓋とパイプが取り扱える程度に固まりました。冷凍庫で保管しておいた接着剤を取り出して、まず後蓋の内側のパイプと接触する部分に接着剤を盛ります。これでパイプは後ろ蓋の内外両側の接着剤で挟まれて固定された状態になります。


 後蓋の内側と本体に接着剤を塗って後ろ蓋とパイプが一体化したものを本体に差し込みます。

 ぴったり収まりました。

 前の方にも接着剤を盛れば組み立ては完了です。前の方はパイプは缶の外側でしか接着されていませんが止むを得ません。


 パイプに穴を開け始めてから接着剤の硬化待ちの時間やブログを書く時間を含めで2日間で完成ですからそれほど大変な作業ではありません。

壊さない工夫と修理

 JBウェルドは正しく混合してアルミの表面を荒らして脱脂すれば強力に接着します。とはいっても接着剤は接着剤ですからはがれたりクラックが入ったりすることはあります。
 壊さないための工夫として、接着部になるべくストレスが加わらないように工夫します。機体に固定するときは中に通すパイプだけが荷重を受け持ち、サブマフラーの本体はパイプにかぶさっているだけという状態にします。壊しにくい取付け方は取付けステーの工作を紹介するときに詳しく述べます。
 今回のようなパイプが貫通するタイプのサブマフラーでは、排気にさらされる中のパイプは外側の缶より高温になりますから相対的に長くなります。そのためパイプの突っ張りに耐えられなくなって接着部がはがれることがあります。
 その時は接着剤をリューターでできるだけ削り取って接着剤を盛りなおせば修理が可能です。細かいクラックが入って油漏れが始まったらクラックが入った部分の接着剤を削り取って接着剤を盛ります。現行のRCGF用マフラーでは油漏れが起きましたがエポキシを盛って直すことができました。


 小型のサブマフラーでは片方をエポキシで接着し、片方をシリコンで固定して熱膨張分を吸収する工夫をしました。大型のサブマフラーでもこの手が使えないか材料を探しているところです。

脱 線

 バイク用品のデイトナのサイトに「インナーサイレンサー(排気干渉消音タイプ)」という商品がアップされています。商品説明では「金属部分の出っ張りを排気に干渉させ消音するタイプ」とされています。パイプに三角形というかホームベースのような形の切れ込みが入っていて、そこが折り曲げられてパイプの内側に出っ張っています。内側に出っ張りが出ている分だけパイプの有効径が減るのでそれだけでも消音効果あるでしょう。模型のガソリンエンジン用のマフラーでもこんな細工がしてあるものがあります。
 デイトナの製品をよく見ると(写真でですけど)、短いものは出っ張りが出口の方に向いていて、長いものは入口の方に向いています。何でこんなことにしているんでしょう。
 ここからは文系の人間の言うことですから鵜呑みにしないで読んでください。
 僕の理解では、排気の流れは出っ張りが入口に向いている方がテスラバルブと同じ理屈で、出口側に向いているより大きく阻害されると思います。その分排気の流れが複雑になって消音効果が上がるんでしょうか。
  デイトナは「排気に干渉させ消音する」と書いていますが、音に関して「干渉」というときは、波同士がぶつかって打ち消し合ったり増幅したりすることをいいますから違和感があります。デイトナの説明は音の干渉ではなく、出っ張りに排気の流れが当たって乱れることを「干渉」と表現しているようです。排気の流れが乱れた結果としても音は小さくなりますからデイトナの説明は間違いとは言えないまでも途中をすっ飛ばしていると思います。また、デイトナのインナーマフラーは多孔管の一種ですから多孔管の孔を出入りする音の干渉による(波同士が打ち消し合うことによる)消音効果はあると思います。
 僕のサブマフラーは戦車砲の排煙器を真似してパイプの外側の排気がパイプの内側に戻るとき出口方向に向かうようにしたのですが(本当にそんな流れができていれば良いのですが)デイトナの製品のでっぱりが出口に向いて折り曲げられているタイプ(写真の中の短いもの)と似ていなくもありません。

次の作業

 サブマフラーは取付けステーで機体に取り付けなければ運用できません。今回のサブマフラーは本体こそ同じ寸法のアルミスプレー缶を使っていますがパイプの太さが13mmから15mmに変わったので取付けステーは流用できません。したがって取付けステーを新造しなければなりません。
 「自転車の空気入れ」を使い切らないうちはもう一本のサブマフラ―の製作はできませんから取付けステーの工作を先に進めます。

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