ヘッドライトのハードコート層
思いのほかヘッドライトの古ぼけ対策の記事を読んでいる人が多いことが分かりました。自動車の整備についての知識や経験がないラジコンをやっている者のいい加減な対策を真に受ける人がいないか心配です(そんな人はいないだろうけど)。
せっかく読んでも役に立たない情報しか得られないのはお気の毒なので僕の独自の考えではなく業者レベルの情報を紹介します。そんなの知ってるよという人は読み飛ばしてください。
ヘッドライトのハードコートは化学的に弱い
ヘッドライトの補修サービスをする業者のサイトがありました。サイトではヘッドライト(正しくはヘッドライトカバー)の劣化の仕組みについて詳しく説明しています。こういう説明をすると理屈っぽい消費者の食いつきが良くなるのじゃないでしょうか。
このサイトによれば、ヘッドライトに最初から施工されているコーティング(ハードコート)は物理的には優秀ですが溶剤や酸・アルカリに弱いとのことです。
サイトではハードコートの耐久性を実験した写真が掲載されています。
これはシリコンオフで拭いた後の状況です。シリコンオフは塗装表面の脱脂をするだけの弱い溶剤ですがそれでもこの状態です。シリコンオフでこれならパーツクリーナーなんかはもっての外でしょう。
ラッカーシンナーでは大惨事になっています。ハードコートが残った状態で溶剤系の塗料を塗ったらチヂミが出るのは必至です。ウレタン塗装をするのであればハードコートを完全に剥がなければならないでしょう。
アルカリ系洗剤(マジックリンはこのくくりでしょう?)ではこの通りです。
ヘッドライト補修用のケミカルは、この性質を利用して劣化したコーティング層(ハードコート)を溶解してはがすということなのかもしれません。
ヘッドライトの復活を行う施工業者のサイトにはこういうのもあります。
この業者は素人には難しいと主張しています。
確かにそのとおりですけどやっちゃうんですよね。業者に頼めば1万円を確実に超えますし・・・。
ハードコートを温存して光沢を復活させた人がいた?
ヘッドライトの光沢を復活させる方法はハードコートを剥いでしまってから磨くなり、スチーマー加工をして光沢を出す方法が主流ですが、ハードコートを温存したまま光沢を復活させている人もいるようで、動画をアップしています。
これ以外何もいらない。劣化して曇ったヘッドライトコーティングのリペア。3M 39173
動画では、最初に塗ったコーティング剤が劣化した後に再度コーティング剤を塗ったようです。再度のコーティング剤の塗布の前に研磨していますがその工程で元からのハードコート層をすべて削り落としているかもしれませんが、少なくとも最初にコーティング剤を塗った時はハードコート層が残っていました。
有望な市販品、僕は使わないけど
僕はもとからあったハードコート層に対してもポリカーボネートに対しても攻撃性がないコーティング剤として水性ウレタンを使ったのですが、この人の動画を見る限り3Mのコーティング剤は(少なくともセルシオのヘッドライトの)ハードコート層を侵さないようです。
ホームセンターや車用品店では見たことがないのですがアマゾンで手に入りそうです。アマゾンのサイトにあったのは研磨剤入りのセットですがコーティング用の液剤のみも入手できるかもしれません。
ラジコンファンなら耐水ペーパーやピカールは持っているでしょう。ピカールで磨き、ピカールの油気を落してから液剤だけを塗布すれば経済的にコーティングできるかもしれません。
僕はコンパウンドやピカールで磨く工程をスキップできるという手軽さがあるので水性ウレタンで行きますけど。