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こてる32 新仕様での飛行の前にエンジン調整

 こてる32は、胴体裏側の補修、ENYA SS35への換装、新たな仕様の「ピアノ線差し込み式後傾脚」の取付けが終わり、カウルも完成したので新仕様の実用性を実地に試す段階になりました。
 が、土日は所要があって日曜日の午後に時間が空いたのですが飛ばすには時間が足りません。飛行場でエンジン調整だけをすることにしました。
 飛行場に着いた頃はかなり日が傾いていました。

エンジン調整

 ENYA SS35はベンチで大体の調整をやっておきました。この辺の経緯についてはこんな記事を書きました。

 とはいっても機体に積んだら条件が異なります。どんなスロットル操作をしてもエンストしないことを主眼に、併せて安全な着陸ができるように安定したアイドリングができるように再調整しました。

 飛ばしたくならないように主翼は持って行かず調整に集中しました。低速ニードル(取説では「混合気調整ニードル」)をいじるので調整が楽になるようにカウルははずしました。カウルを付けたままでも低速ニードルにアクセスできるようにしてあるのですが機体を持ち上げないと低速ニードルにアクセスできないので面倒くさいのです。


 手順はこんな具合です。ベンチテストでの手順と大体同じですがエンドポイントでスロットル開度を決めるところとアイドルダウンの設定をするのがちょっと違います。


① 全開運転での主ニードルの位置を決める。
 機首を真上に上げて耳の感覚で調整します。エンジンを壊したくないのでギリギリまで攻めません。11800r.p.mが出ました。水平にすると11500r.p.mくらいに落ちます。
② 低速ニードルの位置を決める。
 エンドポイント機能でアイドリングでのスロットルバルブの開きを4000r.p.mくらいの絶対にエンストしない位置にセットし、どんなスロットル操作、どんな姿勢でもエンストしない(燃料供給が途切れない)範囲で低速の混合気を薄くします。安全のため、低速ニードルをいじるのはエンジンを止めてからにします。僕はあまり取説に従わないのですがけがをしたくないのでここは取説に従います。
 燃料供給が追い付かなくなってエンストする位置まで低速ニードルを絞ってからエンストしないギリギリの位置まで戻して限界を探ります。具体的にはいっぺんに30度くらいずつ絞っていき、薄くなってエンストしたら15度くらい戻すというやり方です。
 火砲の弾着修正での「挟叉法」というやり方に似た感じです。火砲の弾着修正では、弾着が目標より遠かったら大きめに修正して目標より近くに弾着を持ってきて、両者の諸元の中間をとって命中弾を得ます。遠弾の後に近弾を得た状態のことを「挟叉した」とか言います。いつまでも挟叉できずに細切れで修正することを「小便修正」と言って、迅速に命中弾が得られないヘタな修正だと考えられています。
③ 上空飛行でのアイドリングのスロットル開度を決める。
 エンドポイント機能で、②の低速ニードルの位置のまま、どんなスロットル操作、どんな姿勢でもエンストしないギリギリまでスロットルバルブの開度を絞ります。
④ 着陸時のアイドリングのスロットル開度を決める。
 アイドルダウン機能で、②の低速ニードルの位置と③のスロットル開度(エンドポイント)のまま、水平状態でスロットルバルブの開度を絞ります。
 ②の低速ニードルの位置では、水平状態ではアイドリングの混合気が濃い状態になっているはずですからスロットルを絞った後、段々回転が下がってきます。回転が続くことを確認しながら徐々にアイドルダウンの量を増やします。
 とはいうものの実際には③でのスロットル開度とほぼ同じになりました。③でのスロットル開度では機首上げで快調にまわり、水平状態では混合気が濃くなってギリギリ回転が続く状態ですから当然の結果です。
 安定した低速運転を望んでこの段階で低速ニードルを絞るとこれまでの調整がご破算になりますから低速ニードルはいじりません。
 着陸復航をすることを考え、水平状態のアイドリングからいきなりフルスロットルにしてもエンストしないことを確認します。たいていのエンジンでは②の低速混合気の設定なら生の燃料が燃焼室に一気に回ってプラグがかぶってエンストということにはならないはずです。
⑤ 安全マージンを取るため上空飛行でのアイドリングのスロットル開度をわずかに大きくする。
 飛行させるとGが掛かったりして条件が変わるのでマージンが必要です。上空飛行時のアイドリング機首を上に向けて3400r.p.m、水平状態で2800r.p.mくらい、着陸時のアイドリングの設定はアイドルダウンを6%かけてアイドリングにした2,3数秒後に2400r.p.mにさがり、10秒後に2000r.p.m以下に下がってしばらく回転が続く状態にしました。


 最初に低速混合気を濃い方に振っておいてから調整したので②の低速ニードルの設定を決めるのに時間がかかりました。

 3時半頃から調整を始めたのですが、アイドリング時のスロットル開度を決める段階になると4時を過ぎて暗くなり、車のヘッドライトを点けなければタコメーターが反応しなくなりました。


 これで飛行前の調整は終わりですが現実には久しぶりに飛ばす時に確認するとアイドリングのポイントがずれていることが多々あります。その日の最初の飛行のときにアイドルダウンを掛けた状態で運転状態を確認し必要により再調整します。
 低速ニードルの設定は燃料を変えたり気温が変われば再調整の必要があります。


 OS 32SXではフルスロットルである程度回してエンジンが熱くなった状態でいきなりアイドリングまでスロットルを絞るとエンストしました。ENYA 40XZやOS46SFでも同じ症状が出ましたが、ENYA SS35ではそういうことはありませんでした。
 ABC(ABN)エンジンとリング入りエンジンの違いかもしれませんがリングが入っていないENYA 61CXではそういう症状が出ないので不思議な話です。


 まあ、換装して良かったなという感じです。後は実際に飛ばしてどうなるかです。

スロー空気調整ネジ

 ENYAのTN型キャブレターにはアイドリング付近での混合気を調整するためのスロー空気調整ビスが付いているものがあります。

 これをいじると中速域の混合気にも影響しそうですがアイドリング域での混合気を細かく調整できるのでしょう。ENYA 40XZ用についているキャブはこのタイプですが、低速運転でも燃料を強く吸引できた方が良いので僕は全閉のままにしています。
 そもそも今回SS35に付けたキャブはヘリコプター用ですからスロー混合気調整ビスは付いていません。


 せっかくついているものですから40XZでスロー空気調整ネジでの調整の効果について試してみたいとも思っています。飛ばし方によっては有効な機能かもしれません。

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