ホイールパンツを作る、雌型の脱型まで
僕らの飛行場は滑走路の周りがカヤの茂みになっていて、着陸でそこに突っ込むとホイールパンツがズダボロになっていきます。
普通に離着陸させても飛行場の草の丈が数センチありますからスパッツで草をかき分けている状態です。着陸させるときに「パキッ」と音がして裂け目ができることもあります。
特に損傷が激しいこてるNGH用のホイールパンツです。一応形を保っていますが、
ホイールパンツをこじってみるとひび割れだらけで崩壊寸前です。エポキシ作業をするたびに余った樹脂をひび割れに流し込んで補修するのですが焼け石に水です。
この製品は一見するとFRPですが本体がプラスチックで各部をグラスファイバーで補強しているような感じです。裂けめの広がりが繊維で止められるという感じは全くしません。
素直に既製品を買いなおせばいいのですがお値段もそれなりです。
OKのプラスチック製のホイールパンツはお値段がリーズナブルで軽量かつ丈夫という優秀な製品です。とはいってもポリのボトルという感じがして高級感がいま一つです。ミッチャクロンで食いつきを良くしてから塗装すれば美麗な製品になるかもしれません。
自作マニアの僕ですが振り返ってみるとホイールパンツは50年近く前の中学生時代にUコン機用をバルサと合板で作ったことがある以外に作ったことがありません(泥除け的なものは作ったことがある)。性能に影響を及ぼす部品ではないので下手に作っても大丈夫でしょう。
雄型の作成
雄型は木で作ってもいいのですが加工が簡単なスタイロフォームで作りました。
2枚のスタイロフォームを仮止めして整形します。スタイロフォームですから整形は非常に楽です。
整形が済めば真ん中ではがして左右に分離します。後で気が付いたのですが型が壊れないように接着面を補強しておいた方が良いですね。
無事はがれました。
ネットをあさると一体式に作って真ん中に仕切りをつけて左右の雌型を作るのが一般的なようですが右半分と左半分を仮止めし、整形後に二つに割った方が僕にとっては楽です。
雄型の表面処理
スタイロフォームですから普通のポリエステル樹脂やシンナー系の塗料は使えません。表面を平滑にするためにエポキシ樹脂を使うのはもったいないので水性ウレタンニス、水性パテの上に水性のスプレー塗料を何回か吹いて平滑にしました。
水性スプレーは薄く何回にも分けて吹けば乾燥も早いし塗装するのに準備が要らないのがいいですね。乾燥後の肉ヤセがほぼないのもうれしいところです。
水性塗料でもちゃんとした製品なら乾けば水研ぎが可能です。水研ぎできないとカラフルな粉が大量に出て大変なことになります。これは3回くらい吹いて水研ぎした状態です。まだピンホールなどの塗膜の欠陥が直りきっていません。
塗装して平滑にした板の上に雄型を接着します。黒かったのを赤くしたのにさしたる意味はありません。
写真は離型剤代わりのポリビニルアルコール(PVA)系の洗濯糊を塗った後の状態です。
母型がスタイロフォームで塗料が水性スプレーでは雌型をつくるのにポリエステル系の樹脂を使えませんから贅沢にもエポキシ樹脂を使いました。
ポリエステル系の樹脂でもしっかりシールしておけば大丈夫なはずですが理屈どおりにはいきません。わずかなピンホールがあっても失敗します(僕の技術では)。
雌型の脱型(雄型のむしり取り)
板はきれいに離型しましたがスタイロフォームの雄型はパリッとはがれるというわけにはいきません。写真で白くなっているところは離型が成功したところですが雄型を壊してむしり取らなければなりませんでした。
雄型を再利用して雌型を2組作ろうと考えていたのですが目論見どおりにはいきませんでした。
雄型をはぎとった後の状態です。縁が欠けているところがあったりピンホールができていたりしているので修正が必要です。
ここまでの作業は実は去年のことでした。写真フォルダを整理していたら写真が見つ買ったのでアップしてみました。
これから製品を作ることになるのですが他にやることがあるので完成まで時間がかかりそうです。