年金生活フライヤーのブログ

ラジコン飛行機関連のブログ

自衛隊の塗料と塗装(僕の経験の範囲の話)

 涼しくなってラジコン関係の作業を再開しましたが、いろんな作業を並行的に進めているのでラジコンネタをブログにまとめるのに苦労しています。


 「年金生活フライヤーはブログをやめちゃったかな」と思われないようにつなぎとしてラジコンとは関係ないことを少し書いてみます。


 自衛隊の補給品目の中に航空機用のドープがありました。陸上自衛隊の資料でドープの塗り方のマニュアルも読んだ記憶があります。それを思い出してネットをあさりましたがドープの仕様は見つけられませんでした。
 自衛隊でもドープが納入されていたのは確かだと思いますが実はどこでドープが使われていたかは謎です。

日本におけるセスナ(富士)L-19の歴史
 写真は陸上自衛隊で使っていたプロペラ機「L-19」です。僕が若いころはこれがまだ飛んでいました。
 これ用かなとも思ったのですがこんな飛行機でも全金属製で、写真でわかるように動翼までも波板のように形を押し出したアルミ板になっています。どうもドープを使うようなところはありません。どうなっているんでしょうか。


 ・・・これだけではつまらないので自衛隊の塗料について少し書いておきます。


 僕のブログはラジコン飛行機のブログですからまず航空機用の塗料です。

 これはネットで閲覧できる防衛省の仕様書です。航空機用の上塗り塗料は「アクリルラッカーエナメル」と表記され、成分はニトロセルロースとアクリル樹脂、つまり普通のラッカーです。
 100億円を超える戦闘機ならもっと高級な塗料を使っているだろうし、ステルス機用の塗料なら秘密保持の関係で公開資料には載せないとも思いますが、戦闘機であってもステンシルで雑にレタリングを入れているところを見ると本当に普通のラッカーを使っているのかもしれません。ラッカーならウレタンより白亜化(白く劣化すること、チョーキング)しやすいでしょうから使い込めば偽装効果が高くなりそうです(冗談です)。
 このブログを読んでいる人で航空自衛隊や陸海の航空部隊に詳しい人がいたらご教授願いたいものです。


 次は陸上装備の迷彩用の塗料です。

 これは陸上自衛隊の戦車などの塗料の仕様書です。「フタル酸樹脂エナメル」ということは要するに高級なペンキです。普通の自動車がウレタン塗料であるのに対してチープですが、ブルドーザーやクレーン車とかの建機用にも使われているので防衛省がとりわけショボいというわけではありません。
 ヤブをかき分けたり車体を地面にこすりつけたりしてハゲチョロになるのであまり高級な塗料はもったいなくて使えません。
 上の表は「迷彩用」ですが、陸上自衛隊は3色迷彩とかの贅沢をしないで「濃緑色」と「茶色」の2色迷彩です。

 陸上自衛隊のサイトから拾った写真で、僕が昔乗っていたのと同じ73式装甲車です。
 塗装するときはガンのカップに塗料を直接そそいでそのまま塗っていたと思います。
 僕が部隊にいたのは昭和50年代後半(1980年代前半)で、その時期に戦闘装備の塗装をOD色(オリーブドラブ/ Olive Drabの略でしょうね)一色から2色迷彩に替える作業が進みました。
 僕の部隊ではOD色の車体にチョークで塗り分け線を描いて適当に吹いていました。塗り分けの所にマスキングなんかはしませんでした。濃緑色の所に茶色のミストが飛んでもお構いなしです。


 最近ではそういう雑なことはせずにちゃんとマスキングしているようです。ま、部隊によるかもしれませんが。

 この写真はプラモデルのマニアの人が駐屯地で撮影したもので、プラモデル用の塗料で塗ったプラスチックスプーンを展示中の実物の03式中距離地対空誘導弾の車体に当てて色合いをチェックしているところです。
陸上自衛隊車両の迷彩色
 スプーンの色が本物とほぼ同じですが、注目するのはそこではなくマスキングテープの跡です。僕の私見ですが、車体の輪郭をごまかすという迷彩塗装の目的のためには色の境界がくっきりするようにきちんとマスキングした方が良いと思います。


 戦闘装備の塗装はこんなもので、僕らが持っている自家用車の塗装に比べれば雑です。きちんとマスキングしても見切り線をならすとかまではしていません。
 戦闘装備は車検のたびに塗装しなおすのですが、塗装をし直すときも何層も塗り重ねるようなことはしません。サンダーで鉄やアルミの地が出るまで塗装を落してから、プライマーを吹き(鉄用とアルミ用のプライマーが別々にあったと思う)、後は色が付くまで緑又は茶色のエナメルを吹いて終わりです。


 この感覚が抜けないので自分の車でも塗装部分の手入れは適当です。


 ちなみに高官用の黒塗りの官用車や街中で使う民間仕様の乗用車やバンは普通の車のような塗装と手入れをしていたと思います。

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