こてるRCGFの再生㉘、バルサ部分の下地作り、その他
バルサ生地のままにしておくと取り回しているうちにあちこちに打撲傷を負いますから表面を硬くしておくのが得策です。
下地作り
胴体本体、タンク・点火ユニット室カバー、機首ハッチはマイクログラスをエポキシ樹脂で貼る予定です。
エポキシ処理の下地作りを兼ねて最終的な整形を行います。
傷・へこみの修復
せっかくきれいに成形した機首ハッチに傷が付いています。ピアノ線ででもつついたのでしょうか。
カウルの細工をしているうちに機首付近にもひっかき傷ができています。こういうところを直さないとクリヤ仕上げにすると目立ってしまいます。
細い筆で水を含ませ、
アイロンを当てると水を含ませたところが膨らみます。乾いたらここを400番くらいでサンディングします。
尾翼にもへこみができています。ここも同じように処理します。水平安定板と垂直安定板は不透明のフィルムを張るのであまり目立たなくなりますができるだけ直しておきます。
このようなことをしても全部が元に戻るわけではありませんが、なにもしないよりかなりましになります。
パテでの処理
部材が欠けてしまってなくなってしまったようなところはセメダインCでバルサの粉を練ったもので再生することができます。これは昇降舵の後縁です。トランスパレントのオラライトを張るのでバルサと同じ色にしたいところです。
水性パテ
水で濡らして膨らんだところにペーパーをかけても消えない傷があります。そういう時はパテを使わざるを得ません。
水性パテは便利なのですが僕として気になる所があります。
水性パテを使うとパテの溶剤が浸み込んでバルサが硬くなります(特に水を足して粘度を下げたとき)。サンディングするとパテを盛ったところとパテが回っていないバルサが削れて補修した周囲の硬くなったバルサが残ってしまうことがあります。
また、溶剤が浸透したところの風合いが違ってきます。
それを防ぐにはパテを残さなければならないところだけにパテが残るようにマスキングした方が良いと思います。
機首ハッチの傷のまわりをマスキングテープで養生して水性パテを盛って、
乾いた後にサンディングするとどこにパテを盛ったかわからなくなるほどの仕上がりになります。中央やや下に三角形の補修あとがあるんですがわからないですよね。
カンザシの下に段差がありますが、これも同じように補修すると、
分かりにくくなります。
こちらは垂直安定板の根元のフィレットです。
うまいことバルサになじんでいます。
水性パテにもいろいろな銘柄がありますが、今回使ったModel Liteはかなり優秀だと思います。銘柄によっては乾燥後カリカリにならずに粘ってしまって削りにくいのもありました。こういう製品はスタイロフォームの目止めに使っています。
ペーパーがけ
パテが乾いてからペーパーを掛けます。整形が足りないところは240番でけずり、400番で全体を滑らかにします。
整形が不十分なところは最後の機会なので納得がいくまで削ります。
クリヤ仕上げにするとバルサに付いた傷も見えてしまいますからザラザラな部分と120番で削ったペーパーの跡が全部なくなって全体がうっすらと光るくらいになるまで頑張ります。
ペーパーを掛けている最中に新しい欠陥を見つけたりペーパーの角や爪を引掛けて新しい傷ができてしまうことがあります(精神的ショックが大きい)。こういうところはもう一度修復を試みます。
今回は午前中いっぱいかけてペーパーをかけました。
胴体後部上側の甲板張りの部分もうまいこと楕円形断面になり、細板同士の継ぎ目もあまり分かりません。待ち針の跡はほぼ見えなくなりました(接着剤が付いたところに注した針穴は消えません)。
エポキシ樹脂が浸透してどんな色合いになるかは出来上がってからのお楽しみです。
下地仕上げだけでなく最後の整形もしました。
機首の空気取り入れ口は目立つので機首ブロックと機首ハッチがうまくつながるように頑張りました。スバルのエアインテーク付きのボンネットのようにすることができました(個人的感想)。
カウルの工作
空気取り入れ口にバルサを接着して入口が丸みを帯びるようにします。これでカッコよくなりました。
エンジンを仮付けしてマフラーのパイプが出るところとプラグコードが通る所の加工もしました。
胴体側のエポキシ作業をしている合間にさらに加工していくつもりです。
タンク・点火ユニット室カバーの工作
この部分は機体を持ち運ぶときにつかむところですから2×5のヒノキ棒で梁を付けて補強しました。前の方はエンジンルームからの熱気と油が入らないように蓋を付ける予定です。
これで胴体主要部、機首ハッチ、タンク・点火ユニット室カバーは生地完成になり、エポキシ処理の工程に進むことになります。
脱線:ねじ止め部の座繰り的な加工(バルサ部分)
皿ねじを使ってねじの頭を表面とツライチにすると見栄えが良くなります。
僕が良く使う2.6mmの皿ねじの頭の直径は5mmなので5mmのパイプを使います。鍋ねじの頭をガイドにして5mmの真鍮パイプの内側を削った簡易ポンチで印を付けます。
ポンチでぐりぐりしてバルサの繊維を切り、
内側を4mmのドリル刃を指でつまんでさらって、
へこみを作ります。
皿ねじを仮止めするとぴったりします。
合板とかなら5mmのドリルでさらえばよいのですが、バルサだと穴が崩れてしまうので、5mmパイプ(ポンチ)を使うのがミソです。
表面仕上げの後で木粉入りエポキシで型をとればかっこいい仕上がりになります。