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小型ガソリンエンジンRCGF 10cc 奮闘記⑫ 迷走脱却編

 11月2日、RCGF 10cc REの謎(消音仕様で高い回転数が出たのはなぜか)を解明すべく飛行場で実験しました。カウルの影響も調べました。
 飛ばしたくならないように主翼は持参せず、エンジンをしっかり冷却するための時間つぶしとして電動グライダーも持って行きました。

熱の影響は大きい

 6mmレデューサー付きの仕様(消音強化仕様)でエンジン始動直後の回転数と全開運転を続けた後の回転の落ちを調べました。

始動直後にスロットルをあおりながらフルスロットルにすると一瞬9,500 rpmが出ましたがみるみる回転が落ちていきます。

1分間運転すると8,600 rpmに落ち着き、さらに数分後に8,500 rpmまで下がりました。この結果を見て、10月30日に高い回転数が出た理由に納得しました。10月30日はエンジンの回転が落ちる前に回転数を測ったため高い回転数が出たようです。

排気口を拡大しても回転は上がらない

 6mmレデューサーを抜いたらどうなるかを試します。エンジンの瞬間最大風速的な最高回転を知りたかったのでエンジンを十分に冷やさなければなりません。電動グライダーを飛ばしてエンジンが冷めるのを待ちました。微風薄曇りという好条件でサーマルが出ていたので十数分間の時間つぶしができました。
 エンジンが外気と同じ温度まで冷えたところでレデューサーなしの回転数を測りました。瞬間的な最高回転(始動直後の数字)も落ち着いた後の最高回転はレデューサー付きとほぼ同じ回転数かやや下回る結果になりました。下がった分は100の位の数字が一つ違うレベルですから誤差かもしれませんがレデューサーを抜いても回転が上がらないことが確認できました。
 音の変化も確認しました。フルスロットルで運転している最中にレデューサーを引き抜いてみると、うるさくなることが確認できました。回転数は変わりません。

カウルの影響はない(ような気がする)

 データがそろうまでカウルを付けずに実験しましたが、最後の運転でカウルを付けたときの影響を調べることにしました。RCGF-2用のカウルはシリンダーヘッドとシリンダーの側面に空気が集まるようにバルサでシュラウドを作ってその周りにスタイロフォームを貼って整形するという工法なので冷却効果はあるだろうと考えていました。2~3分全開運転してみても回転数は変わりませんでした。悪影響はなさそうだと安心しました。

フィンとシュラウドの壁の隙間は2mmくらいにしています。

気になる所もあります。サブマフラーとサブマフラーのステー(こんなのもステーというんですかね?)が冷却済みの空気の流れの邪魔になっています。設計の段階からきちんと考えておくべきでした。

まとめ:サブマフラーによる出力低下は結構ある

 運転温度が変わることによって回転数がこれほど変わるとは正直思いませんでした。ガソリンエンジンをやっている人には常識かもしれませんが、9,000 rpmの回転域で700 rpmも違うのは驚きです。別の記事で紹介したヤマハの開発部門にいた人の「空冷2サイクルエンジンの場合、ベンチテストでも全開走行でも、始動直後の馬力に比べると、3分後には90%、更に10~15分後には85%程度までに落ちて安定します」という言葉が思い起こされます。まあ、空に上げれば冷却が良くなるとは思います。
 11月2日までの実験でエンジンが加熱しているときのそれぞれの仕様の回転数がそろいました。整理すると、
爆音仕様:    9,200 rpm
サブマフラーのみ:8,600 rpm(10月25日に計測、十分加熱させたかは不明)
消音仕様:    8,500 rpm
消音強化仕様:  8,600 rpm
ということになります。どの仕様でもサブマフラーが付いていれば出力の低下はかなりなものだということを確認できました。この点では迷走状態から脱却でき、新たなサブマフラーを作るモチベーションが上がってきました。
 残った疑問は排気口面積を絞ったのに回転が下がらずむしろ上がるのはなぜかということです。消音仕様(レデューサーなし)の排気口面積は約127平方mm(4.5×4.5×π×2)に対し、消音強化仕様(6mmレデューサー付き)の排気口の面積は、約56.5平方mm(3×3×π×2)ですから半分以下です。これでも回転が落ちない(むしろ上がる)理由はただでさえ難しい2サイクルエンジンの排気系の理屈ですから僕の知識では見当がつきません。事実を受け止めるほかないでしょう*。
1969年か1970年頃のラジコン技術に60クラスのボート用エンジンのマフラーを自作した人の記事がありました。その人は15mmの尾管と10mmの尾管を比べたところ10mmの尾管を付けた方が回転が上がって静かになったと喜んでいました。別の記事でもGPカーがはやり始めたころマフラーの口径を8mmから6mmに絞ったら回転が上がったという記事も読んだ記憶があります。現象としては実際にあることです。

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