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エンジン機のキャノピーをスタイロフォームで作る-10 一応完成

 吹き付け塗装の3日目です。
 8時少し前に作業開始。主剤7gで塗料を作ります。主剤はシンナーで緩めてあるので硬化剤との混合比は迷いますが硬化不良になるのを恐れて0.8gにしました。シンナーは6ccです。
 8時15分頃に塗装を終えてグライダーを飛ばす準備をしていたら急に風が出てきました。ダウンを打たないとグライダーが前に進まないくらいの風でしたから、あと30分遅れていたら塗装ができなかったところです。

大惨事発生

 僕はいろいろな人の製作記事を読んでパクって参考にしています。
 しかし僕のブログの場合は違います。何回か書いたかもしれませんが、僕のブログを見て「参考にしよう」などと考えているのなら大きな間違いです。「こういう失敗はしないでおこう」という意味で参考にして下さい。

 吹き付け直後の状態です。写真にするといい感じなっています。ところが吹き付けを始めたとたんに塗料と一緒に細かい異物が吹き出してきて塗膜にくっついていきました。
 異物が吹き出し始めた段階でやめておけばよかったのですがせっかく作った塗料が勿体ないしやがて出なくなるだろう(塗料はボトルの底から吸っている。異物がたまっているのは底だけだ。やがて全部吹き出てしまう。という希望的観測)と思って全面に吹いた結果、ブツブツがあちこちにできました。吹き付けの最中に塗料が詰まるので何回もピアノ線でノズルを掃除しなければならなかったので、塗料の中に細かい異物が混じっていたことは明らかです。しかも塗料の中に均等に混じっている(異物の比重は塗料と同等)わけです。


 ブツブツを拡大するとこんな具合です。

 ブツブツを切り出しで削ってみると正体が塗料の破片であることが分かりました。青いもの、黒いもの、白いもの、水色のもの、色とりどりです。ボトルの内側にこびりついていた固まった塗料が細かくはがれてまぎれこんだのでしょうか。
 固まった塗料を再生しようと考えるからこういうことが起きるんでしょう。再生するにしろ2,3日寝かしてから使うか、本格的な塗装のようにろ紙でこすかすればよかったのかもしれません。


 どうするか思案しました。ブツブツを完全に削り落とそうとすれば塗膜も一緒に削られて色が抜けてマーブル模様になるのは目に見えています。塗膜を保護するためにクリヤを吹いて研磨するという手もありますが重くなるし、ブツブツの正体の青、黒、白の塗料の色は消えません。全部削り落として塗りなおせば重量増加も少なくなるでしょうが手間を考えるとちょっと‥‥。
 結局安易に考えてブツブツがあまり目立たなくなる程度に削ってごまかすことにしました。ゆず肌にもなっていないし、タレもほとんどないし、色抜けもないし、いいんじゃないの、と妥協しました。本人が納得すればよいのです(開き直り)。

とりあえず完成

 テープの下ににじんだ塗料は硬化前なら先端を平らにした竹串で物理的にこそげ落としたり綿棒とメタノールできれいにすることができます。


 マスキングをはがしてラッチを含めた重さを測ってみるとご覧の通り約49gです。重量の変化は次の通りです。
 スタイロフォーム整形完了:22.8g(うち、バルサの枠4.5g)
 エポキシ処理前の下地作り:28.3g(+5.5g、水性ウレタン分)
 エポキシ処理      :37.7g(+9.4g、エポキシ樹脂とマイクログラス分)
 色塗装下地完了     :39.3g(+1.6g、水性ウレタン分)
 色塗装完了       :48.9g(+9.6g、2液性ウレタン分)
下地処理とエポキシ処理で重量が増えるのは仕方がないとして塗装で10g以上、完成重量の2割以上を占めているのには納得できません。
 隠ぺい力の強い(使う塗料が少なくて済む)グレーをサフェーサー兼用の下塗りにして枠を後から塗るという方法もありかもしれません。


 ラッチを仕込んで使用可能になりました。完成後に裏側から1.8mmロッド、ホイールリテーナー、細い押しばねを組み込んで表側から3mmビスでホイールリテーナーを固定する仕組みです。
 ともかくキャノピーはとりあえず完成です。11月15日に型紙を印刷してから結構日が経ちましたが、作業時間自体は大したことはありません。接着剤や塗料の乾燥時間、樹脂が固まるのを待つ時間があるので完成が遅れました。


スタイロフォームキャノピーの評価

 スタイロフォームでキャノピーを作るメリットはあるのかと聞かれれば、あると答えることができます。
 スタイロフォームを試そうとしたのは塩ビのキャノピーを持って「結構重いな」と思ったのが出発点です。
 軽くしようと考えて、スタイロフォームの前に塩ビのキャノピーを型にしてマイクログラス1層とカーボンクロスを1層使ったCFRPのキャノピーを3機分作ったこともありますがこちらも軽く仕上がりました(ヘナヘナなので雑に取り扱えなかったのですが)。しかし、カーボンクロスのような強度が必要な構造材に使うべき貴重な資材を見映えだけが問題なキャノピーに使うことに疑問を感じたのでカーボンのキャノピーはもう作っていません。

 今回作ったスタイロフォームのキャノピーよりやや小さい寸法の塩ビのキャノピー(OKのビートオン50用だったと思う)が40g弱ですから塩ビのキャノピーに骨組を付けるよりは軽くできるのではないでしょうか。


 今回のキャノピーで、同じ機体に付ける同じ形、同じ寸法のキャノピーを4つ作ったことになりました。
 3年くらい前に作った1作目はマイクログラスを貼らずに水性のパテと水性ウレタンで下地を作り2液性ウレタンで仕上げました。シンナーが浸みてグズグズになったところを水性パテで埋めたりしたため80gの重量級でした。「水性ウレタンだけではだめだな」と感じた作品でした。2作目用にラッチとノックピンを流用するため壊したので写真はありません。


 2作目ではマイクログラスを貼らなければ実用に耐えない、その分の重量を減らさなければならないと考えて初めてスタイロフォームの肉抜きをしました。30g(完成重量の約半分)近く軽くなることを確認したので、以後この工法になりました。2作目ではマイクログラスをエポキシで貼った上からいろいろな塗料を試しました。水性アクリルスプレーの上に2液性ウレタンを吹いた結果大惨事になってご覧の有様です。最初は50gを切っていましたが塗装をやり直すたびに重くなって60gになりました。古い塗装を削り落として塗装しなおそうとして挫折した形跡が後部のラッチのつまみのあたりにうかがえます。


 3作目は軽い表面仕上げを目指して絹を水性ウレタンで貼りつけてみました。軽いことは軽くて40gちょっとですが表面硬度が不足でデコボコになりました。

 今回作成した4作目です。3作目と4作目の間にほかの機体用に4個のキャノピーを工法を変えつつ作って4作目に至りました。
 重さは約50g、表面硬度は確保、美麗さは微妙という感じです。3作目より10g弱重いのですが、取り扱い性が向上しているので僕としては許容できます。それでも塗装分の重量をもっと減らしたいところです。

スタイロフォーム工法の適用

 強度と重量の両方を確保するためにはバルサの組立て構造が優れていると思いますが、スタイロフォームで形を作ってマイクログラスとエポキシで固めるという工法は複雑な形のものを簡単に作るのに適していると思います。
 これまで、キャノピーの他に構造的な強度を担当しないカウル、ベリーパン、フィレットやフェアリングに使ってきました。


 機能を果たす結構重要な部材としては、20年近く前、発泡スチロールのブロックを削り、マイクログラス(底板以外)と薄手のガラスクロス(底の部分)をエポキシで貼って水上機のフロートを作りました。発泡材でなにかを作ったのは初めてだったのですが結構楽に作ることができました。バルサや合板で作ったら小型機の胴体を二つ作る手間がかかったところです。
 見映えは気にしない試作品のつもりだったとはいえ雑な仕上がりです。塗装もしていません。
 トーアウトが付いているように見えるのはパースのせいです。

 機体に付けるとこんな具合です。実際に使ってみると前が短すぎてお辞儀しやすい、後部の容積が足りないのでタキシングでエレベータをアップにすると胴体後部が水没する、などの設計上の欠点が分かったのですが一応フロートとして機能するので使っています。スタイロフォームで作ればもっとカッコいいものができるかもしれません。
 脱線ですが、水上機の仕上げは絹張りドープ仕上げがいいんじゃないかと思います。ドープの成分の酢酸セルロースは水分子を通すようで、主翼や胴体に浸み込んだ水が何となく乾いていきます。

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