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世界最小(と言われている)ガソリンエンジンNGH GT9-Pro奮闘記⑤

 世界最小(と言われている)NGH GT9-Proの奮闘記の5回目です。今回はマフラーが出力に及ぼす影響です。
 行程容積が9ccなら0.55立方インチですが、ガソリンエンジン奮闘記③でも述べたように、グローエンジン用のマフラー(OS 873)を付けるとグローの25クラスを上回るかな、くらいの力しか出ません。少しでも出力を上げようと考え、マフラーをいじることにしました。

 これはModel Airplane News 1970年3月号に載ったENYA60 Ⅲの出力曲線です。一番上の線がマフラーなし、2番目がオリジナルマフラー、3番目がオリジナルマフラーに付属の8mmのノズルを付けたものです。8mmノズル付きだとノーマフラーの8割、オリジナルマフラーの9割くらいの馬力しか出ていません。2サイクルエンジンの排気系と出力の関係にはいろいろな要素が作用するのでしょうが、ここではマフラーの抜けが良ければ出力が上がることが分かります。
 脱線しますが僕が初めて買った1969年頃のラジコン技術の「エンジンレビュー」にENYA 60Ⅲが載っていたことを覚えています。このエンジンか60 ⅢBにYSキャブを付けた仕様で吉岡さんが日本初の世界チャンピオンになりましたね。

 初期値を得るため、オリジナルのマフラーを付けて回転を測ってみました。このマフラーではAPC11×6を10,700 r.p.mで回します。高速ニードルはOSの873マフラー(バッフル付き)を付けたときより半回転以上開かなければなりませんでした。背圧が小さいから吸入する空気がせき止められない、吸入空気量が多くなる、それに見合うように燃料供給も増やさなければならない、という理屈でしょうか。増えた燃料の分だけ出力が上がっているはずです。オリジナルマフラーの尾管の内径は10mmですから断面積は約78.5平方mmです。
 サイドマウントですから真横に排気が出ます。排気口の真横の数十センチ離れたところに手をかざすと排気の脈動をビリビリと感じます。排気はプロペラ後流で後ろに流されますが排気の圧力の波(排気ではなく音波)は筒抜けマフラーだけに減衰されずに真横に伝播するのでしょう。エンジンの真横にしゃがむと鼓膜をくすぐられるような感じがします。このマフラーの騒音レベルでは飛ばすわけにはいきません。

 GT9-Proを最初に搭載した1号機ではSlimlineのQシリーズマフラーを付けました。尾管の内径は9.4mm(3/8インチ?)断面積の合計は69.4×2で約134平方mmです。尾管の断面積がオリジナルより大きいのにオリジナルより静かになって耳に突き刺さるバリバリする音はかなりまろやかになりました。これはマフラーの容積が大きいからでしょう。出力はオリジナル並です。オリジナルより静かだとはいえまだうるさいのでサブマフラーを付ける必要がありました。2号機では機首をスマートにしたのでSlinlineのマフラーとサブマフラーを付けると不格好になります。
 ということでOSの873でどうにかならないか試すことにしました。

 純正マフラー仕様(筒抜けというか素通し)のときの高速ニードルの開きでは9,000 r.p.m以下、高速ニードルを半回転以上絞ってやっと9,500 r.p.mを得ました。空虚重量2150gの機体では小さ目の宙返りくらいしかできません。実機感があると言えばありますけど。

 バッフルを抜いてニードルを調整するとようやく10,000回転になりました。バッフルを抜くと耳に突き刺さる成分が混じったような音になりますが飛ばせないことはありません。もっと静かにするために他の機体用に作ったサブマフラーを付けると回転の低下はなく(回転計に表れず)、耳に突き刺さる感じがなくなりました。効果を確かめるために運転中にサブマフラーを引き抜くと一段階うるさくなります。ちなみにバッフル付きの873にこのサブマフラーを付けたときは排気音も出力も変わりませんでした。
 グローエンジンでの実験でオリジナルマフラーの尾管の内径を拡大してサブマフラーを付けると回転が上がった経験がありますからこちらも試したいところです。


 僕はラジコン関係のブログをアメブロにも持っています。同じ内容の投稿を2つのブログにダブって投稿するのは倫理的にまずいので、グローエンジンにサブマフラーを付けた実験についてはアメブロに投稿しますからそちらを見てください。需要があるとは思えませんが。

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