こてる32用の新主翼、製作編-4 カンザシ受けパイプのエポキシ処理
僕の機体のカンザシを見た人はカンザシが短いと指摘します。
短くしているのは既製品のカンザシ用のアルミパイプ1本から2本取りたいというみみっちい理由からです。
大抵の左右分割式の主翼ではかんざしを受ける部分が合板になっていて上下の主桁にくっついているだけです。長いカンザシならそれで大丈夫でしょうが短いカンザシではそれなりの工夫が必要じゃないかと思います。
左右一体式の主翼の中央部には長い補強材が入っているわけではありません。左右の主桁を強固な構造でくっつけているだけです。
カンザシが短くても左右一体式の主翼同様に主桁としっかり結合していれば強度は確保できるんじゃないかと考えています。
では、実際の作業です。
カーボンロービングを仕込む前はこんな状態です。上にはセロテープで離型処理したダミーの主桁をはめています。ダミーの主桁を外せば本物の主桁が上手くはまるという算段です。
カンザシ受けパイプのエポキシ処理
エポキシ樹脂が浸みこんだカーボンロービングを押し付けるとよれたりグチャッと広がったりします。そういうことを多少なりとも避けるためにポリエステル布の上にカーボンロービングを乗せて樹脂を含浸させます。
カーボンロービングもポリエステル布もグラス製品に比べると腰が強くて跳ね返ります。跳ね返り防止のための押さえをスタイロフォームで作って荷造りテープで離型処理しておきます。
カーボンやクロスを押さえられるか試しておきます。上の方は厚紙に荷造りテープを貼って離型処理したもので挟みます。
エポキシ処理の前にカーボンロービングとクロスを切り出して並べておきます。片方の翼だけでこれだけ必要です。カーボンロービングの所要量は結構あります。
エポキシ作業中の写真を撮りました。横方向へロービングを貼り付ける分には簡単になじみます。この状態では主翼は上下に割れる形で破壊されるでしょう。
上下の主桁をカンザシ受けパイプ物ともくるむようにポリエステル布の上にカーボンロービングを乗せてエポキシ樹脂を含浸させます。これをピンセットではがしてパイプの部分にセットします。
カーボンロービングもろともポリエステル布でカンザシパイプをくるむ形にして、下側はスタイロフォームで押さえ込み、上側は離型処理した厚紙で挟んで跳ね上がるのを防ぎます。「気泡が入ってるじゃないか」とのご指摘はあろうかと思いますがカンザシパイプにかかる力が確実に主桁に伝わればいいんじゃないかと思います。
樹脂の硬化が進んで硬めのゴムくらいになったら厚紙とスタイロフォームを外します。
上下の主桁とカンザシ受けパイプは縦方向に付けたロービングで固定されています。ロービングを余裕をとって長めに切っているのではみ出ています。
ダミーの主桁をはがした状態です。思惑通りコの字型の溝ができています。
はみ出たロービングとクロスを切り取った状態です。ゴム状ですからカッターで切り取ることができます。完全硬化してからトリミングするとすれば、リューターを使わなければならなかったかもしれません。
樹脂が完全硬化する間にコの字型の溝が変形すると主桁がはまらなくなりますから3×3ヒノキの角材を差し込んでおきます。
主翼の組立ての難関の一つが終わりました。次は上側の前縁プランクです。