こてるRCGFの再生、カウル編①
こてるRCGFのカウルは変わった構造なので別シリーズにしました。変わった構造と作り方ではありますが、ヘタに作ったFRP製より軽くなる(可能性がある)という以外優れた方法ということはありません。無駄に手間がかかりますしね。
過去の作品
数年前まではオーソドックスに
・母型を作る、
・母型から雌型を作る、
・雌型から製品を作る、
という手順で作ってきました。軽くて丈夫、表面が滑らかな製品ができますが、僕の場合同じ雌型から複数の製品を作った記憶はありません。
こういう母型と雌型が捨てるに捨てられず長らく放置されています。
この型からこてる61用のカウルを作りました。この型を使って同一設計の機体に使えばいいのですが、設計思想は日々進歩しているので(?)古い設計のものを使う気にはなりません。
なんか無駄じゃないの? と思ってここ数年は雄型にグラス(かポリエステル布)を被せてエポキシ樹脂で固め、それを製品にするというやり方にしています。
ご想像どおり、内側がつるつる、外側がデコボコという仕上がりですから表面処理が面倒ですが一品ものを作るときは雌型を作るよりは楽だと考えています。
こてるRCGFシリーズではさらに違う工法で作ります。
構造
ガソリンエンジンでは冷却が大事だと言われています。そのとおりなんでしょう。
機体の形に合わせてFRPで作るとエンジンの周りに空間ができてフィンに当たる冷却空気のスピードが落ちます。というよりは、空気はカウルの内壁沿いに流れてエンジンにはほぼ当たらないのではないでしょうか。
バッフルなどを仕込めばよいのですがそこまでするくらいならと思って、先代のこてるRCGFでは冷却を第一に考えてエンジンのフィンに冷却風を導くバルサ製のシュラウドを作り、その外側にスタイロフォームを盛って機体のシルエットにつながるように形を整える構造にしました。
再生するこてるRCGFでもその構造を踏襲します。
図面はこんな具合です。書いた本人が分かるように体側板の図面を書いたレイヤーとエンジンの形をトレースしたレイヤーを半透明で表示しています。
シュラウドの土台
シュラウドを乗せる土台になる部品を作ります。
レジ袋一杯に貯まったスタイロフォームの端材の中から使えそうなものを見つくろい、ブロックを作ります。キャノピーをつくるときに出た大き目の端材を2個継ぎ合わせています。
50mm厚スタイロフォーム用切り出し治具?で直線直角を出して直方体を作ります。
型紙を当てて形にします。フリーハンドで切り出している動画もありますがああいうものをまねするとひどい目に会います。待ち針で両側に型紙を固定します。
エンジンのドライブワッシャを通す穴を作らなければならないのでそのための型紙も付けます。待ち針の向きのせいで顔文字のように見えます。
最初に穴を開けます。針にカッターのワイヤが引っ掛からないように待ち針を刺す位置と深さを良く考えておきます。写真は穴を切った後ですが、穴を開けても中の芯の部分は取り除かずテープで固定しておきます。ブロックをしっかりした状態にしておかないと斜めの部分を切るときにブロックを握りつぶしてしまいます。
出来上がりはこんな具合。非常に薄い部分がありますがこれはバルサ板を貼る所です。
機首に付けるとこんな具合です。角度はちゃんと出ています。
こういうものをバルサブロックで作ると加工が大変で重くなると思います。
このブロックにシュラウドの天井になるバルサを貼り付けます。バルサは硬くて重くて反り返っている1.5mmバルサです。使いたくなるような色合じゃないですね。
重しをかけて乾燥を待ちますが、スタイロフォームとバルサが密着するようにスタイロフォームは直方体の形に戻した状態にしておきます。
接着剤を乾かすために一晩おきます。