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模型用ガソリンエンジン用オイル、何を使ったか、使うか

最初のオイル

 NGH GT9-Proを使い始めたときは何もわからなかったので(今ならよくわかっているというわけではない)模型屋さんに勧められるままレッドラインのTwo-stroke Racingの16オンス(475mL)ボトルを買いました。Red lineのサイトで詳しい商品説明を読むことができます。エステル100%とは書いてありませんが、基油はエステルとされています。
URL: https://www.redlineoil.com/Content/files/tech/Two-Stroke%20TR%203-05.pdf
 15,000rpmで運用されるレースの環境でもひまし油や鉱物油を上回る性能が出て、カートレースで3時間回した後に調べた結果、ひまし油よりピストンの摩耗が少なかったそうです。ということは優秀なんでしょう。RCGFの取説でも推奨オイルに挙げられています。


 レッドラインに特に不満はありませんでした。レッドラインというくらいですからロゴマークのようにレッドゾーンまで回しても壊れないんでしょう。信者になったわけではありませんが機体にレッドラインのロゴを入れました。

ならし用?の鉱物油

 レッドラインで良かったのですがRCGFを買って取説を読むと慣らし運転中は良質な鉱物油を使えと書いてありました。鉱物油を使わなければならないことに納得できないまま、わざわざ慣らし運転用に鉱物油を使うことにしました。とはいってもまだ残っていたレッドラインが勿体ないのでそれを使い切ってから切り替えました。

 鉱物油としても「良質」なのが良いのでホームセンターの園芸・農機コーナーの安売りオイルではなく、バイクメーカーのオイルから選びました。ヤマハやホンダには半合成油しかありませんでしたが(見つけられませんでしたが)、スズキのCCISスーパーは基油が鉱物油だったのでそれにしました。
 レッドラインに比べて回転が落ちたとかいう感じはしないのですが、排油は匂いが強く、量が多くて粘りが強い感じがします(あくまで感じ)。

合成油に移行

 誰に聞いても、どこを調べても鉱物油より合成油が優れていると言われているし、僕もそう思います。
 ならし運転をどれだけやればよいかわかりませんが、鉱物油1ℓを使い切ったらならし運転が終わったとみなして合成油に切り替えることにしました。

エステルは良いがポリブテンはダメらしい 

 合成油の中では熱に強くて金属に強力に付着するというエステル系が良いと言われています。エステル系の欠点をあげつらっているサイトがありましたが、よくよく読むと鉱物油を販売している業者のサイトでした。
 合成油や部分合成油にはポリブテン配合の製品もあります。ホームセンターでポリブテン配合を宣伝文句にしているスクーターや農機具用のスモークレスオイルを目にすることがありますがポリブテンについては悪い話を聞きます。
 煙が出なくてデポジットが少ないのは良いのですが、チェンソーのSTIHLは自社製品にポリブテン配合のオイルを使うなとはっきりアナウンスしています。
 ヤマハの技術リポートによれば、スモークレスのためにポリブテンが添加されますが(添加せざるを得ないが)、ポリブテン系の配合が高いオイルは鉱物油にすら潤滑性能が劣るそうです。粘度が高すぎてオイルの交換が進まず劣化しやすいとの分析も行われています。
URL: https://global.yamaha-motor.com/jp/design_technology/technical/thesis/pdf/browse/35gr_08.pdf
 ヤマハの技術リポートは良く知られているようで、Youtubeの動画やブログで頻繁にこの技術リポートを引用した情報を見ました。
 環境のためにポリブテンを使っているのにネットでポリブテンがけなされるのは営業妨害されているようでお気の毒です(僕くらいなら影響力が皆無だから良いでしょう)。

チェンソー用オイルが使えるのでは?

 ガソリンエンジンを扱うくらいの人なら模型用としても定評のあるオイルを使うのでしょう。特に問題がなかったレッドラインのTwo-stroke Racingを素直に使えばよいのですが、僕はグロー燃料を自作するくらいの偏屈者ですから人と違うオイルを使おうと考えました。


 レッドラインのTwo-stroke Racingのようなレース用の高級な(高価な)2サイクルオイルも良いでしょうが、バイクの専門店くらいでしか入手できません(オイルを置いている模型屋さんもちょっと遠い)。また、商品レポートを見ると性能は良いけれどデポジットがたまりやすい製品があるようです。シーズンごとやレースごと(ヒートごと?)にエンジンをばらすというレースの世界ならカーボンがたまっても問題はないんでしょうがメンテナンスの負担が少ない方がいいですね。
 オートバイでレースをやっている人の動画を見ると、ピストントップへのカーボンの付き具合で混合気の状態を判断するため、カーボンが溜まるオイルの方がレース向けだとのことでした。レースの世界は異次元です。


 刈払機は10,000rpmくらい、チェンソーは15,000rpmくらいで運用されます。全開時の負荷の変動もものすごいものがあります。それ用のオイルなら無理な使い方をしてもエンジンは壊れないと思います。園芸・農林関係者はレースをやっている人ほどエンジンの整備に気を使わないでしょうからカーボン・デポジットの堆積が少なくなるような配慮もされているでしょう。チェンソーなどの園芸・農林用の高級オイルは有力な選択肢です。
 ホームセンターの園芸・農機具コーナーに置いてある安いFD級のオイルはポリブテンが配合されているかもしれませんが、「ポリブテンを使うな」と言っているSTIHLの純正オイルならポリブテンは入っていないと思います。

 ということで、飛行場に行く途中の農機具屋さんで手に入るSTIHLの純正オイルの中で最高品質のHPウルトラを買いました。なるべく安いものを使うという僕のポリシーに反して希望小売価格が100ccのパッケージで803円、1ℓで4,840円というレース用の最高級2サイクルオイル並みのお値段ですがこういうところではケチらないことにします。
 

 販売促進用の写真はこのとおり、500時間運転してもカーボンは付着していません。写真を見れば傷もついていないようです。本当にこうであってくれればうれしいですね。
 まだ使っていない(鉱物油が残っているから)ので使用感を話すことはできませんが、RCGFの推奨オイルに入っているのは安心です。FD級を使えと指示しているNGHのエンジンに使っても並みのFD級より潤滑性能が優れているはずですから問題はないでしょう。

造園用は?

 合成油として、AMS OILのSaber Proffecionalの946mℓ(1クォート)ボトルを譲ってもらいました。商品説明によれば手で操作する(hand held)空冷2サイクルエンジン用(ヘッジトリマーとかブロワー?)で、JASOのFD級を取っています。混合比100対1でテストした結果、他社の50対1の製品よりあらゆる指標で優れていたというので性能は良いのでしょう。


 これを譲ってくれた人は僕の機体の裏側が排油で真っ黒になっているのを見て「これならオイルは全然つかないよ」と言って紹介してくれました。「100対1って書いてあるけど30対1じゃないとエンジンが壊れる」そうです。煙を少なくすることが目的ではないので100対1にはしないつもりです。パッケージの説明にも必要なら濃い混合比にすることもできると書いてありました。
 こちらもよさそうな製品です。

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